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スキーを通じて世界の女性が交流を図る「WSP」。その第一歩は日本の白馬と大雪山から!

(2017.04.03)

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 2017年2月、フランス・シャモニーから「Women’s Skimo Project(ウィメンズ スキーモ プロジェクト)」のメンバーが、来日。Skimoというと日本では、山岳スキーレースの場面で耳にする言葉であるが、彼らに尋ねると、「山岳地帯でおこなうスキー全般を指す。イタリアではレース要素が強いけれど、私達の住むシャモニーであればヴァレー・ブランシュ氷河を滑ることもSkimoなんですよ」と話していた。
 WSPを立ち上げたレティシア・ルー(Laëtitia Roux)は、SKIMO世界選手権などのため来日できず、ともにプロジェクトを運営しているターニャ・ナヴィル(Tanya Naville)がやってきた。

いつも笑顔のターニャ。人生の転換期にあたり、これからの自分の生き方を考えるなかで、彼女にとって身近な山岳エリアで活動する女性たちの動きやメンタリティを知りたくなった

 同行は、撮影担当のレオ・ワッテブレード(Leo Wattebled)と、大学教授であり山岳ガイドのロドヴィック・サイフェート(Lodovic Seifert)だ。ロドヴィックの専攻は興味深い。アウトドアスポーツにおけるジェンダーについて研究しているというのだ。
 WSPは、女性がアウトドアスポーツを楽しむ機会がより増えていくことを願って結成。2シーズンかけて、日本、イラン、ノルウェー、南米、US、フランスなどを回り、各国の山岳スキー愛好家やその国のアイコンと呼べるような存在の女性たちと出会い、一緒に山に登り滑りたいと、旅を始めた。

 まずは日本から、スタート。白馬では福島のり子(元スキークロス・オリンピック選手)と西田由香里(山岳スキーレーサー、トレイルランナー)に合流。八方を滑った。その後、北海道へ。こちらのアレンジメントは、東川町在住の登山ガイド、青木倫子。山岳ガイドの菊池泰子と阿部夕香が札幌からやってきた。
 烈風吹きすさび、山頂はマイナス25℃ほどだった旭岳に登頂後、難しいコンディションにあった北斜面を滑り、最後は下部でパウダーを楽しんだ。

旭岳山腹の噴気孔から立ち上る煙をみながら登りはじめる

夜は東川町にて、地元のスキーヤーたちも集まり、トークライブ。ターニャからWSPの活動についてきく(協力=カフェ「ノマド」)

 翌日は、北海道各地から集まった女性の山岳スキー愛好家たちと、旭川市郊外の里山へ。標高800m足らずの山であるけれど、そこはさすが北海道のど真ん中。いい雪がたくさんあった。

良質のパウダースノー。北海道ガイドの3人組が、よい斜面へと導いてくれた

軽い雪のなか、ターニャの板も走り出す!

 WSPは、それぞれの山でカメラを回し、映像撮影をした。さらにはアイコンスキーヤーたちにインタビューも。北海道では菊池と阿部が、自分自身の登山、スキーのこと、山岳ガイドという職業、日本における女性と山、スキーの関わりあいについて答えた。なかでも印象的だったのは、身体的条件が男性より劣っているなかで山岳ガイドを職業に選び苦労が多いながらも、その仕事に喜びを感じている様子。そして、阿部が「まるで朝起きたら歯を磨くことと同じぐらい」日常だとたとえたほど、ふたりにとって登山やスキーが人生そのものであるエピソードの数かず。
 WSPでは、今後の旅も映像におさめ、やがて作品にまとめるという。身体的性差があるのは承知のこと。そのうえで彼女たちがどんな工夫や努力をして、山を楽しんでいるか。その工夫や努力はときにたいへんだけれども、朗らかにその過程を楽しんでいる姿だってある。WSPが、最終的に何を描きたいのかは、これからの旅の空でみつけていくことだろうけれど、かならずや映像には楽しく幸せそうな女性山岳スキーヤ-の姿があるはず。作品は近い将来、webで観ることができるというので、楽しみだ。

(写真=二木亜矢子 文=柏澄子)

 
 
ライター
A kimama編集部
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