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金属製ボトルが最近ブーム? サバイバリスト流ボトルで湯沸かし! 匂い移りがないぞ。

2016.10.31 Mon

森 勝 低山小道具研究家

 映画『レヴェナント』を見ました?『ランボー』並に「僕らが憧れるサバイバル映画」の傑作だった。劇中で大活躍するのが「着火道具、ナイフ、水筒」のサバイバル三種の神器だ。水筒はキーアイテムと登場する。うろ覚えで申し訳ないが、ベア・グリルス主演のサバイバルTVショー『MAN vs. WILD』のファーストシーズンでは、着火道具とナイフだけで挑み、途中でお腹を壊して息も絶え絶えに脱出した回があり、それ以来水筒は必ず持っていると記憶している。それくらいサバイバル時に水筒は重要なアイテムだ。日本では、手軽で、どこでも手に入るペットボトルが主流だが、海外では信頼できる素材で、どんな酷使にも耐え、お湯も沸かせるとステンレス製やチタン製水筒の人気が徐々に高まってきている。

昔からあるG.I.タイプ水筒とピッタリに作られたカップ。場所をセーブし、お互いに保護しつつ同時に使うことの多いモノを1つに合わせた、使ってみると便利な組み合わせだ。

 G.I.タイプ水筒や登山用品店でよく見かけるナルゲンボトル用に、お湯が沸かせるようにジャストフィットするカップが昔から販売されているが、最近のトレンドは、コーティングされていないステンレスやチタン製ボトルのキャップを外し、そのまま火に掛けてしまう『サバイバルスタイル』だ。ふたつの物をひとつにしてしまうだけではなく、まず穴が開くことがない素材の水筒を使うので、水を安心して持ち運べる。最初に見たのは海外のハンティング動画だったと思う。クリーンカンティーンのキャップを外し、焚き火に直接置く姿を見た時は「それで良いんだ!」と衝撃を受けた。

いつも使っているのは350mlほどの小さめのボトル。写真はチタン製で高価だがステンレス製に比べると圧倒的に軽い。火に掛ける時は、短いボトルが効率が良く安全だ。

 実はボクにとって最大の利点は、沸かす時に鍋の匂い移りが少ない点だ。ボクはサバイバリストでもなんでもなく、意外と匂いに弱い。鍋を洗えない数泊の登山時に鍋で沸かすと、色々な味が水に付いて気になっていたが、この方法だと匂い移りがない。余った水は水筒の中なのでそのまま白湯を飲みながら歩ける。匂い移りが一番イヤなのはテント泊時の湯たんぽ作りだ。樹脂系ボトルを湯たんぽにしていた頃は、鍋と樹脂ボトルのダブル匂い移りで、嗚咽するほどの味になっていたが、金属水筒湯たんぽだと白湯の味のまま。また就寝途中で湯たんぽ効果が無くなっても、蓋を開けるだけで再度温め直しもできるのも便利だ。

一般的な500mlほどの水筒とガスストーブだと、背が高く不安定だ。ゴトクの形状との相性や水平出しなど、多少の経験値は必要だ。写真ではわざとゴトクを閉じた状態で使用している。

 問題点があるとすると、中がコーティングされているタイプや、素材が良くないと、熱で体に悪い成分が溶けだしてしまうこと。それと水筒は細長い物が多いのでガスで沸かす時はしっかりと水平を取らないと倒れてしまう。蓋をしたままやダブルウォールタイプは、言うまでもなく危険だ。実践する場合は、それらの点に気をつけて。

アウトドアショップを覗くと各社ステンレスタイプをラインナップしている。もともとは健康志向として始まったムーブメントだが、キャップを外してそのまま火に掛けられるタイプが、海外では面倒が無いとハンターなどに受けている。

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