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16年目の進化形「CHAMELEON 7」は10月17日発売!その最新のテクノロジーを実踏レポートと共にお届け!

2017.10.17 Tue

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

■16年の歴史を誇るCHAMELEONに、待望の「7」登場!

 

 2001年にデビューした「あるハイキングシューズ」は、それまでの製品とはまったく違った発想でデザインされていました。最大の特徴は守備範囲の広さ。歩くスピードだけでなくトレイルのコンディションや地形など、変化するコンディションに柔軟に対応する特性は、まるで爬虫類のカメレオンが周囲環境に合わせて体色を変えていくかのごとくです。こうして名付けられた「CHAMELEON(カメレオン)」は、以降16年に渡ってMERRELLの中心的なプロダクトに置かれ、様々なバリエーションへと発展してきました。

 たとえば2006年にはCHAMELEON 2にカラフルな「CHAMELEON 2 STORM GORE-TEX」が登場。それまでになかった斬新な色使いは日本のフェスシーンで大いに評価され、爆発的な人気を獲得。以降、ビビッドな色合いで目を引く日本限定カラーが発表されるなど、独特のカルチャーを生みだしてきました。

CHAMELEONの歴史をまとめてみると、そのカラフルな「CHAMELEON STORM」シリーズと、機能美に溢れた「CHAMELEON」の二大潮流が見て取れます

 

 もちろんアウトドアの本流とも言えるハイキングシーンでも、CHAMELEONは常にアウトドアを愛する人たちの側にあり続けました。町中でもロングトレイルでも同じシューズで歩き通すことができる。使用状況を気にかけなくてもいいという気軽さは、CHAMELEONをライフスタイルに溶け込ませるには十分な説得力になったというわけです。

 こうして長年愛されてきたCHAMELEONも、ついにバージョン7にまで到達。ここに来て、一気にプレミアム感に溢れたテクニカルなハイキングシューズ「CHAMELEON 7」へと進化しました。

 

■CHAMELEON 7 MID GORE-TEX®(上段)
カラー(左から)/メンズ:キャッスルロック、ファイア ウィメンズ:アイス サイズ/メンズ:25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30cm ウィメンズ:22.5cm〜26.0cm 価格/25,000円+税
■■CHAMELEON 7 GORE-TEX®(下段)
カラー(左から)/メンズ:キャッスルロック、ファイア ウィメンズ:アイス サイズ/メンズ:25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30cm ウィメンズ:22.5cm〜26.0cm 価格/22,000円+税


■CHAMELEON 7、3つの特徴

 

 CHAMELEON 7は過去のカメレオンシリーズから受け継いだデザインをいかし、極めて美しく磨き上げました。新たに加わったのは、マウンテンランニングから着想を得たテクノロジーです。これによってCHAMELEON 7は3つの革新的なメリットを身につけました。

 

1. プロテクション能力の強化
CHAMELEON 7の構造図。こうしてみると、「フレックスプレート」がつま先からかかとまで、足全体を覆うようにレイアウトされていることがよく分かります。この「フレックスプレート」こそ、今回のCHAMELEON 7のカギとなるテクノロジーです

「FLEXPLATE™(フレックスプレート)」と名付けられた一枚のプレートで足全体を裏から包み込むように保護。尖った岩など、下からの衝撃を効果的に緩和します。また、つま先には衝突・衝撃から足を守る「プロテクティブラバートゥキャップ」を採用。さらにアッパーは擦れに強いレザーをヌバック加工とすることで、丈夫さと洗練されたデザインを両立。加えてGORE-TEX®(ゴアテックス)メンブレンで完全防水を実現しながら、高い透湿性と、それを邪魔しないメッシュ素材とでまとめ上げました。

 

2. 徹底した軽量化
図の赤いパーツが「フレックスプレート」。頑丈なパーツなので、ほぼそのままアウトソールとして機能しています。この「フレックスプレート」の特性を活かすことができたからこそ、CHAMELEON 7は最新の軽さを身につけることができました

 アウトドアにおいて、シューズの軽さは絶対的な武器です。一日じゅう歩く、走る、活動する。その時、動かし続ける足もとが軽ければ疲労は小さくなり、長く遠くまで歩くことができるからです。CHAMELEON 7では「FLEXPLATE™」を採用することでアウトソールを大幅に軽量化。CHAMELEON 2 GORE-TEXと比較すると、25%も軽いシューズを実現しました。加えて「FLEXPLATE™」は柔軟性とひねりに対する強さを両立させています。これはソフトな履き心地と、長距離・長時間の歩行にも耐えるしっかりした剛性を両立させているということ。ハイカーの求める理想の履き心地を実現し、CHAMELEONならではの優れた汎用性を一層高めることに成功したというわけです。

 

3. 計算されたグリップ力
徹底した軽量化と、フレックスプレートのしなりを邪魔ましない構造。これらを考え抜いた結果、「フレックスプレート」の上の必要な箇所だけに、アウトソールのラバーのラグを網目状に配置しました。まさに計算しつくした構造です

 軽く強度のある「FLEXPLATE™」によって、アウトソールの構造は根本的に見直されました。まず路面と接するラバーのラグは、本当に必要なところだけにレイアウト。これによってアウトソールは大きく軽量化できます。ラグにはヴィブラム社の「TC5+」を、大型楕円パターンで採用。前後左右あらゆる方向からの力をしなやかに、確実に受け止めます。さらにラグは深さ5ミリ。理想的なしなりを発揮する「FLEXPLATE™」とあいまって、路面の凹凸をがっちりと掴んでくれます。

 

 つまりカッコよく履きやすく、いろんなシーンで頼りになる。そんなシューズになって登場した、というわけです。

 でも、思いますよね。それってホント? というわけで、発売前のCHAMELEON 7をテスト。ショートハイキングに行ってきましたよ。


■履き心地はしっかり! そしてグリップは快適

 

 CHAMELEON 7は、足を入れた瞬間からソールのしっかり感がダイレクトに伝わってきます。ミッドソールの適度なクッション性とかかと周りを包み込むようなホールド感は、ここ最近のMERRELLの製品に見られる傾向です。かと言って、シャンクの入っているシューズとはまったく別物。違和感のない履き心地を実現しており、まさしく靴底に安心感が備わったな、という印象です。

実物を目にすると、アウトソールはものすごくハイテクな感じですが、アッパーのレザーやCHAMELEONらしいラインなどからは、オーガニックなフレイバーも漂います

 

 また、ミッドソールがぐぐっと厚くなったのも好印象。今までのCHAMELEONにくらべて5mmは目線が上がったんじゃないかと思うくらいです。そこらを歩いただけでも、かかとを中心にクッション性が大幅に向上していることがわかります。

  • 未来感あふれるアウトソールは、ややラグが固い印象。その固さが、反発の効いた軽いフットワークにつながっている印象です
  • MERRELLのロゴを載せたラインや、かかとをしっかりサポートするヒールカウンター、そしてGORE-TEX®のロゴ。このかかと周りこそ、CHAMELEON 7の顔です

 

 さて早速歩きに行ったのは、家の裏にある標高500mほどの里山。北海道のことですからすでに紅葉が始まっており、登山道は落ち葉の絨毯です。そんな中を登ってみると、地面を蹴る際にアウトソールの反発力が心地いい! 足がスッと前に出る軽快さを感じます。この日は3時間ほど歩きましたが、初めて履いた靴なのに足馴染みは良好。どこか一箇所が足に当たるということもなく、非常に快適に歩くことができました。

歩きに行った里山は、全線を通じてこんな落ち葉の散歩道。折しもこの日、旭岳は山頂部分が真っ白に染まりました。北海道は秋真っ盛りです

 

 驚くのはそのグリップ力です。落ち葉も土も、ぬかるみも岩も、全く何の不安もありません。それどころか、アウトソールのしっかり感が幸いして、ぐいぐい歩き進めることができるたくましさまで漂わせています。下りの山道では大きな岩を歩くシーンもありましたが、一切不安を感じることはありません。人によってはラバー部分が固い感触から、グリップ力に不安を持つかもしれません。が、落ち着いて確かめれば、しっかり路面を捉えていることが分かるはずです。

  • アウトソールにある程度の固さがあるので、枯れ枝だろうが何だろうが、気にせずぐいぐい歩くことができます。アッパーのフィット感はしっかり系。これなら相当の長距離を歩いても平気だと思います
  • 途中、意地が悪いくらいに岩を歩いたりしてみました。落ち葉とぬかるみの登山道から岩に飛び乗っても、グリップ力に不安はありません。尖った岩に乗っても足の裏に痛みはない。フレックスプレートは、足の裏の防御も完璧です

 

 デザイン的にもヌバックの質感は好印象。町中でも違和感のないエクステリアは、その汎用性を日常生活にまで広げていることがよく分かります。

発売は10月17日の予定です。製品についての詳細はこちらへ。
MERRELL
http://www.merrell.jp

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