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お遍路さんに人気の最強の行動食「かたパン」は歯を失うレベルの堅さだった

(2016.11.29)

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 先週、Akimamaスタッフが出張で香川県を訪れたとき、空き時間を見つけて立ち寄ってみたのが「熊岡菓子店」というお店。

「香川県といえばうどんが有名だけど、山好きならここもぜひ立ち寄るべき」
「ここの商品は日持ちするから、行動食にいい」

 などと事前に友人から猛プッシュされていたお店です。何がそんなにオススメなの?と、あまり下調べもせず勧められるがまま訪ねてみることにしました。

 場所は弘法大師空海が誕生したお寺「善通寺」付近。

 善通寺は四国遍路の75番目の札所であり、高野山金剛峰寺、東寺と並ぶ三大霊場のひとつです。この由緒あるお寺は西院と東院のふたつのエリアに分かれていますが、「熊岡菓子店」はその中間の仁王門脇にありました。
 おお、渋い佇まい……。

 それもそのはず、後になって知りましたがここは日清戦争直後の1896年(明治29年)創業、100年を超える歴史を持つ老舗店。店頭の古い木製ショーケースが味のある雰囲気の演出にひと役買っています。

 外観を眺めている間にも続々とお客さんがやってきては、あれこれ指さして何やら紙袋に包んでもらっていました。

「カクパン10枚と、コマルパン10枚ください」
「イシパン200グラム」

 カクパン? カトパン? なになに、女子アナ?

 ……なんてまぁ思うわけはありませんが、ここの主力商品は「パン」。

 パンという響きから普段口にするパンを思い浮かべますが、乾パンのようなビスケット状のもので、ラインナップ全体を指して「堅パン」と呼ぶようでした。
 聞けば、創業当時善通寺に旧陸軍11師団ができたことがきっかけで、「日持ちして腹持ちがよいものを」という軍の要望に応えて熊岡菓子店の初代が作り上げたのが携行食「堅パン」だったのだそうです。その後、次第に善通寺の参詣者やお遍路さんの間で人気になり、今では名物に。
 味も形も当時のスタイルは変わっておらず、小麦粉と砂糖を練り上げて伸ばし、切って焼いて乾燥させて作るのだそう。どれもカリカリに乾いていて、平たいタイプのものは力を入れて割ると「パキッ!」と気持ちいいほど堅そうな音が響きました。

 そして最強なのは「石パン」。見た目も石のようであれば、その堅さもまさに石。

 恐る恐る歯を立てるとガキッと鋭い音がして、思わず「かた(い)!!!!!」。

 が、口の中で転がしながら唾液で少しずつ柔らかくなるのを待ち、頃合いを見計らって噛むと、やがて不思議な食感がやってきました。

 過程を音で表現するならば、「ガキッ、ゴリッ、カッカッ、ジャクッ、シャコッ、ショリショリ、ホワッ〜」という感じでしょうか(どんな)。石パンは表面にショウガ味がコーティングされていて、口に含んだすぐあとはショウガの味が立ちますが、最後は卵ボーロみたいな甘みが口の中に広がります。

 これは、お、おいしい! ついもうひとつ口へ……。

 手作業でつくる独特の味と食感は秘伝で、「それぞれ生地も少しずつ違うから、堅さも違うよ」とのこと。まさにここでしか手に入らない行動食・保存食なですね。3ヶ月ほど日持ちするそうなので、少しずつ家で楽しむこともできます。

 あまりの人気ぶりに午前中で売り切れることが珍しくないそうなので、かたパン5種類をあますことなく試したい人はお早めに!

熊岡菓子店
香川県善通寺市善通寺町3丁目4−11

 

 
 
ライター
A kimama編集部
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