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夢はいつしか、現実に。STEP1、机上講習会—— WIN THE SUMMIT ACADEMY

(2015.03.20)

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夢はいつしか、現実に。STEP1、机上講習会—— WIN THE SUMMIT ACADEMY
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夢はいつしか現実へ。世界の最高峰、エベレストに届かぬ想いを抱く人は意外と多いのでは。地道なトレーニングを積んでいけば、ともすると……? 2014-15年度のコロンビア登山学校に挑戦すれば、まずは、エベレスト登山のベースキャンプへ行くこともできる!!

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そして、ヨーロッパアルプスの最高峰、標高4,810mのモンブラン。2014年度のコロンビア登山学校がめざした頂である。こちらの峰に憧れる山好きも多いのでは?

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木の枝にできたエビノシッポ。さて、この場所では、風はどちらの方向から吹いている? 答えは、右手から。エビノシッポは、風上側から付着した水分などが氷結することでドンドン成長する

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コロンビア登山学校STEP1にて、講演する国際山岳ガイドの近藤謙司さん。今年度の登山学校の机上講習会は終了してしまったが、4月7日には、アドベンチャーガイズ主催の講習会も予定されている。詳細は、以下に

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近藤謙司さんが講師を務めるAGの公開講座。「憧れの高所登山にチャレンジ」は、4月7日に後楽園の文京シビックセンタースカイホールにて開催の予定。予約不要、参加費無料なので、ぜひ!!

 まさか、自分が……と、だれもが最初は思うもの。4,000mならいざ知らず、5,000m、6,000mもの山ともなれば、なかなか容易にその頂に立つことはできない。ただ、強く思ってさえいれば、夢はいつしか現実のものとなる。

 高所登山への憧れを抱く山好きの夢。それを果たすべく、架け橋となるのは、コロンビア登山学校が開催しているWIN THE SUMMIT ACADEMY。前回の「水平の世界から垂直の世界へ。コロンビアがめざす高所登山の試み」に続いて、第2回目以降は各講座の内容に迫っていきたい。

 WIN THE SUMMIT ACADEMYは、STEP1、2、3と階段を登りつつ、ステップアップ方式で、めざす高所への挑戦をする実践型の登山学校だ。開講1年目の2014年は、ヨーロッパアルプスの最高峰モンブラン(4,810m)を目標に設定、そして2年目の今年は、ヒマラヤのロブチェ・ピーク(6,119m)である。

 では、このアカデミーでは具体的にどんな講義をしているのかを、段階的に紹介していこう。まずは、STEP1の机上講習である。
     

■STEP1 机上講習
 この講座のテーマは「高所登山をめざすための講習会」。まったくの初心者からヨーロッパアルプス、ヒマラヤの高所をめざす人までを対象にしたもので、いわゆる高所登山の「入口」にあたる。まずは、その年にめざす山がどんな山なのか、概要からルート解説をしていく。頭のなかに大きく山のイメージをつくりあげるのが目的だ。そして、「山岳ガイドのガイディング方法」や「必要な技術と体力」「トレーニング方法」「準備すべき装備」といった話にいたり、ガイドとともに山に登る行為がどんなものなのかを、わかりやすく伝えてくれる。

 あくまでも「入口」であるため、この段階では雪山や岩登りをしたこともない人でも、または興味があるから、といった程度でもレクチャーに参加できるようになっている。このSTEP1は、そういった意味もあり、参加費は無料、予約も不要となっていた。2年目の講習会は、3月27日にコロンビアの本社ショールーム、4月3日にコロンビア大阪南堀江店、4月9日にコロンビア原宿店にて開催されている。

 どの会でも学長の近藤謙司さんが講師役を務め、たくさんの画像とともに自らの経験を語ってくれた。「学校」というかたちをとっているので、大学の講習会のようにして話は進んでいく。たとえば、
    
「写真を見てください。厳冬期の山なんかでよく見られるものですが、この場所では風はどちらの方向から吹きやすいのかがわかります。右からだと思う人は、手をあげて……。では、左からだと思う人は?」

 と、いった具合に。参考までに画像もアップしてみたけれど、これはご存知、エビノシッポ。山になじみのない人には、なんのことやら? と、頭にクエスチョンマークが浮かんでいることと思う。

 エビノシッポとは厳冬期の山で生じる自然現象で、空気中の微細な水分や雪などが強い風によって岩や樹木、道標などに打ち当たり、どんどん貼りついて固まることで成長していくもの。霧氷現象のひとつとされ、大きくなると「海老の尻尾」に似たかたちになることからこんな名前がついている。

「答えは、右手から。風になびいて左側からの風によって成長しそうにも思えるけれど、エビノシッポは、風上側にぶつかった水分などが氷の結晶となってグングンと伸びていくんです。これを見れば、風がどの方向から吹きやすいのかが一目瞭然。こういった現象も、山の情報のひとつとして自分にインプットしておけば、いざというときに役に立つんですよ」

 会場では「左からだと思う人」のほうに多くの手があがっていた。ふだんから山に登っていても、冬山のことはわからないという人も多かったみたいで、近藤さんの解説を聞いて、みな、なるほどと思っている様子が伝わってくる。

 また、近藤さんはこんな話もしてくれる。用具に関することだ。

「ウェアはなにを買ったらいいですか、なんて質問があったとします。そんなとき、質問した人は『どんなジャケットを買ったらいいか』と思っているようだったのですが、いやいや、新しく買い替えたいのなら、まず買うべきは『ベースレイヤー』ですよ、って答えちゃう。ジャケットとかフリースなんかは、夏山のものでも活用できる場合が多いんです。基本は重ね着なので、レイヤーをしっかりと守ればなんとかなる。でも、厳冬期の場合、ベースレイヤーをしっかりとしておかないと、生命にも関ってくる。夏なら綿でも助かるかもしれないけれど、冬に綿を着ていたら危険ですからね。冬もののベースレイヤーも、そこそこ値が張るものなんですけど、でも重要さからいえば、ジャケットよりはベースなんですよね」

 講習会は、いつもこんな雰囲気で進んでいく。近藤さんの話もまたおもしろく、聞いている人たちみなが、いつしか山の世界へと惹き込まれていく構図が生まれる。第一線で活躍する近藤さんだけに、受講者の側もひとことも聞き漏らすまいと耳をそばだてている。

 そして、近藤さんは言う。

「モンブランだって、ヒマラヤの山だって、登る気持ちがあれば、登れるはず。安全面とか技術的なことは、山岳ガイドがサポートをする。でも、登るのは自分。だから、トレーニングや装備などの準備段階からしっかりと積み重ねていくことが、とても大切なんです。登りたいと思う気持ちがあれば、その可能性はゼロじゃない」

 講習会終了後には、山に挑戦しようとしている自分の姿が、なんとなく頭に思い浮かんでくる。これが近藤さんのすごいところだと思う。より具体的な話をひとつずつ積み重ね、聞いている側の想像力を組み立てていく。すでにステップアップ方式が始まっているのである。

 こうやって、厳冬期の山という未知の世界への扉が、少しずつ開けていく……。

(つづく/机上講習会の次は、いよいよSTEP2の実技講座。岩登りクラス、雪山クラスでは、さて、どんな授業が行なわれるのか、乞うご期待!)

        

 
■WIN THE SUMMIT ACADEMY 2015参加者募集中!!
STEP3 高所登山 AGエベレスト公募登山隊応援トレッキング
・エベレスト・カラパタール登頂とエベレスト・ベースキャンプ 19日間
2015.4.9(木)~27(月) 498,000円 
エベレストやローツェなどをのぞむこの山域随一の絶景の展望地、5,000m峰のカラパタールに登頂後、クーンブ氷河の源流部へ。エベレストのベースキャンプからアイスフォールのダイナミックな景色を堪能する。
     
・ロブチェ・ピーク登頂とエベレスト・ベースキャンプ滞在 23日間
2015.4.9(木)~5.1(金) 675,000円
6,000m峰のロブチェ・ピークに登頂して、エベレストのベースキャンプまで同行するツアー。一般トレッカーが滞在できないベースキャンプでも、登山隊を訪れるかたちであれば滞在が可能に。
               

■アドベンチャーガイズ主催/無料公開講座
※コロンビア登山学校の机上講習会は、残念ながら、本年度の講座がすべてが終了に。でも、近藤謙司さんが率いるアドベンチャーガイズでは、単独でも公開講座を実施している。近藤さんの話を聞いてみたい!! と、願う人のために、AGの公開講座をご紹介。

AG無料公開講座
その1「憧れの高所登山にチャレンジ」
2015.4.7日(火)/講師:近藤謙司
 
その2「ヨーロッパアルプス名峰登頂をめざすために」
2015年4月14日(火)

上記ともに開始時間は19:00、開場は18:30〜。
場所は、文京シビックセンタースカイホール
※無料/予約不要
※近藤さんの講座は、4月7日のみ
             

コロンビア登山学校の詳細および申し込みは、アドベンチャーガイズへ
TEL.03-5215-2155
info@adventure-guides.co.jp

登山学校についての詳細はコチラ↓

 
 
ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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