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<老舗山専さかいやスポーツ>吸血生物を迎え撃て! 軽量&快眠 完全防虫システム

(2017.08.30)

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東京・神田に店を構えて60年。
多様なブランド展開と取り扱い数に定評のある
「さかいやスポーツ」の高橋典孝さんに
最近個人的に研究しているという
「防虫ファストパッキング」について聞きました!

 このところ、テンカラ釣りを絡めたファストパッキングに没頭中の私なのですが、夏の沢といえば気がかりなのはヤツら……そう、吸血生物です。

 アブ、ブヨ、ヒルに加え、最近ではSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を媒介するマダニも増えてきました。

 しかし、藪を走るにしても沢で眠るにしても、ファストパッキングのスタイルではそう多くのものを運ぶことはできません。

「なるべくミニマルな装備で山を駆け回りたい」けれど「苦手な虫はしっかり防ぎたい」というワガママな思いで試行錯誤すること数シーズン。今回は私なりに行き着いた、快走&快眠防虫システムをご紹介したいと思います。

 ☆    ☆    ☆

・FOXFIRE/スコーロンガイドフーディー
 Tシャツ+パンツ、軽量レイン上下をウェアの基本装備にしているのですが、これらに加えて、いろんな場面でなにかと重宝しているのがFOXFIREの「スコーロンガイドフーディ―」。

「スコーロン」といえば、帝人とアース製薬が共同で開発した虫を寄せ付けない繊維。そんな防虫素材スコーロンで作られた薄手のパーカーです。

 夏といっても、夜の源流域は肌寒いもの。そんなときにさっと羽織ることができ、虫が多い場所では、フードを被れば顔まわりを虫刺されからガード。ジャージや薄手のフリース感覚で使える防虫ウェアです。

・SEA TO SUMMIT/モスキートヘッドネット
 そして、フーディーだけではアブやブヨから顔面を守れない場面で活躍するのが、シートゥーサミットの「モスキートヘッドネット」。沢ではこれなしでは話になりません。軽量コンパクト虫除けヘッドネットの決定版です!


・ファイントラック/ツェルト2 ロング

 就寝時のシェルターに使っているのはファイントラックの「ツェルト2ロング」。これまで、源流でのビバークならタープ&蚊帳、森林限界を超えるテント場なら自立式テントを使ってきましたが、最近は源流~森林限界内で張る場合が多いのでツェルトに落ち着きました。

 ただし、底の割れたツェルトは虫が入り放題。ヤツらをダイレクトに入らせないために、底面にはエマージェンシーシートをツェルト底面の大きさにカットしたテントシートを敷いています。

 これは地面からの冷気の断熱にも効果があり、夏でも地面の寒さが気になる1500m以上では重宝します。

・SEA TO SUMMIT/ウルトラライトマット S
 マットはシートゥーサミット「ウルトラライト」のS。やっぱり、エアマットは快適です。クローズドセルのマット比べて、少し高さがあるだけなのになんという安心感でしょう。

 雨天時に底面に流れ込む雨水もギリギリ回避できそうな高さがあり、地を這う虫たちもクローズドセルよりは登りづらいはず! 

 そして何にも代えがたいのは、このコンパクト性能。破れてしまってもダクトテープを貼るだけで簡単に補修できます。クローズドセルより扱いがデリケートなイメージがありますが、私にはデメリットよりメリットの方が断然大きく感じられます。

・FOXFIRE/スコーロントラベルシーツ
 シュラフ、というかシーツはFOXFIRE「スコーロントラベルシーツ」を使用。このシーツこそ、私の沢泊まり装備の要。このシーツがあってこそのスリーピングシステムです。

 見た目は普通のインナーシーツですが、収納サイズはUL派でも十分納得できる大きさ。携行に便利なこのシーツは、顔部分をのぞいてすっぽりと入り込めて、夏の夜にぴったりの絶妙な暖かさもあります。

 軽量・コンパクトで必要十分な保温性と通気性。そして、就寝を妨げる虫を寄せ付けない! 薄いくせして、なんという安心感でしょう(笑)。

 これに最初に紹介したフーディーやヘッドネットを組み合わせれば、気になる虫をシャットアウトすることができます。

・忌避剤&吸引器
 上記のアイテムに加えて携行しているのが忌避剤とリムーバーです。虫除けはムヒの「虫よけムシペールα30」が最強。

 昨今のオーガニック虫よけブームに逆行する「虫よけ成分国内最高濃度配合」。なんとディート(虫よけ成分)が30%も含まれています。

 本品は「本格的なアウトドアなど」にオススメされていますが、注意書きには「ディートの濃度が高いので、12歳未満の小児には使用しないで下さい」の文字。

 まさに強力無比。ムヒの本気度がひしひしと伝わってきます。

「虫にやられるかムヒにやられるか」と究極の選択をせまられる前品に対し(すみません! 勢いで書きましたが、たぶんムヒさんは安全性もばっちりだと思います!)、ちょっとイージーな場面で愛用しているのが自作のオリジナルハッカスプレーです。

 これは見よう見まねで作ったブヨ除け。ハッカ油と精製水をブレンドし、100均のスプレーボトルに入れて携帯しています。噴霧すると身体がスースーして気持ち良いので、わりと頻繁に使います。

 そして、惜しくも虫にやられたときに使うのがヘッセルの「ポイズンリムーバー」。このリムーバーはいつも取り出しやすいところに携帯し、刺されたか刺されていないか明確にわからない時もとりあえず患部にあてて吸い出すよう心がけています。

 ほんの1,100円の出費とちょっとした心がけだけで、翌日以降の腫れや痒みがだいぶ緩和される(気がする)。これもお守りとして欠かせないアイテムのひとつです!!

 それでは、上記のアイテムで就寝のシミュレーションをしてみましょう。

(1)まずはスコーロンガイドフーディ―のフードをかぶり、
(2)この状態でスコーロンシーツにすぽっと入る。
(3)身体全体にムヒの虫よけムシペールα30を吹きかけ、
(4)シーツから顔だけ出した状態で頭からヘッドネットを被る。

 そしてマットの上にころんとすれば……快適!

 寒さや結露が気になる天候や場所では、このままSOLの「エスケープライトヴィヴィ」に潜りこみます。まだ寒さが気になる場合は、防寒着として持ち歩くダウンジャケット&パンツをインナーに着込めば盤石!!

 源流域~2000mくらいの夏山を駆け回るのに限定されてしまいますが、僕の体力にはちょうど良い快走&快眠スリーピングシステムです。みなさまの防虫登山の一助になれば幸いです!「いやー、虫がいたってやっぱりいいんですよね、山は! 虫が気になっている方はお気軽にご相談くださいませ」

 
 
ライター
A kimama編集部
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