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「笑い飯?!」「トイレでコッソリ脱ぐ」見た目が何かと話題。あの網ウェアの実力とユーザーコメント集

2019.12.27 Fri

「温泉の脱衣所で気づいたらガン見されてた(笑)」(50代男性)
「自宅でウェア脱いだら、ヨメが『笑い飯!?』って爆笑。写真撮られそうになった」(40代男性)
「そういう趣味かと仲間に思われそうで、トイレでコッソリ脱ぐ」(30代女性)

 見た目の奇抜さゆえに、複雑な思いをされているユーザーは少なくないようだ。ミレーの汗冷え対策のアンダーウェア「ドライナミックメッシュ」は、確かに何かのプレイなのかと思ってしまう印象的なビジュアルの製品であることは正直否めない。 それでも発売から5年を経て、トレイルランナーからバックカントリー愛好家、さらには沢登りシーカヤッカー好きなど、そのビジュアルを差し引いても多くのアウトドア好きから市民権を得ていることもお伝えしておきたい。

 今回はドライナミックメッシュにどんな機能があり、どういいのか(悪いのか)ユーザーの声とともにご紹介しよう。

そもそも汗冷え対策のアンダーウェアってなんだろう 登山などのアウトドアシーンで使う化繊ベースレイヤーは、コットンと比べて保水率が低く、吸汗速乾性に優れるポリエステルなどが主流となっている。しかし速乾性に優れているといっても、たっぷり水を含んだ状態から乾くまでにはそれなりに時間を要し、濡れている間はずっと冷えに悩まされる。聞くところによると、乾いている場合に比べ20倍以上もの早さで体温が奪われてしまうそうだ。
登りで汗をかいたあとに稜線で風に吹かれたり長時間休憩をしたりすると、ウェアが乾く気化熱によって“冷え”を感じることも。化繊と比べて汗の蒸発がとても緩やかなウールが好きな人が一定数いるのは、このあたりのストレスもあるだろう。

 そんな中、こういった汗冷えの問題に最初に取り組んだのが日本のブランド「ファイントラック」だった。ファイントラックは肌とベースレイヤーの間に撥水加工を施したポリエステル製の極薄のアンダーウェアを1枚挟むという新しい発想で、汗などの水分が肌に濡れ戻ることを防ぐ「ドライレイヤー」を開発・特許取得したことで知られている(テレ東『カンブリア宮殿』でも話題になった)。
 
 その後、他社からも同様のコンセプトを持つ汗冷え対策のアンダーウェアが続々登場。山好きやトレイルランナーだけでなく、雪山登山者やバックカントリースキーヤー、さらには沢登りやカヤックといった全身が濡れてしまうウォータースポーツのプレイヤーからも評判となっていった(濡れたときの適度な保温性と、陸上での快適性がダブルで得られるため)。

 

ミレー「ドライナミックメッシュ」とはどんな製品なのか 汗冷え対策のアンダーウェアは前述したようにポリエステルに撥水加工を施したものが主流だったが、ポリプロピレンを用いた製品で参入したのがミレーである。

 ポリプロピレンは、数ある繊維のなかでも熱伝導率が極めて低く、体温を奪われにくいのが大きな特徴だ(コットンと比べると1/3以下)。そして繊維そのものがまったく保水せず疎水性に優れるため、汗をかいても繊維自体はつねにドライであるというメリットもある。

 このポリプロピレンを主体に、カサの高い大きなメッシュに編み上げて成型したのがこの「ドライナミックメッシュ」である。大きな編み目は、繊維のまわりに通気をもたらし、水分が空気に触れて蒸発する効果も高められている。またかなりカサが高いので、ベースレイヤーから剥離したドライな層が肌の上にあるという実感が得られるという声も多い。

 冒頭のように人目を気にしてしまうほどのざっくりした編み目は、熱伝導率の低い繊維によくある“うっすらナマ暖かい着心地”を払拭するために、さわやかさの向上を図ったとも考えられるだろう。
大きな特徴はカサ高のある肉厚なメッシュ生地。汗を吸い上げながら、濡れたウェアの張り付きも防ぐため、体温低下を防ぐ。また編み目が大きいため通気性に優れるだけでなく、デッドエアーをため込むため保温効果も得られる。こちらが肌に触れる側。メッシュは水分を含まないポリプロピレンに、強度を高めるためナイロンを交編。編んだ繊維の毛細管現象(※繊維と繊維の隙間のような細い空間に、重力に関係なく液体が吸い上げられる現象)の作用により水分が吸い上げられ、1枚上のレイヤーに放出される。脇や肩部分に縫い目がない一体成型で身ごろが作られている。吸汗性を高めるため着用感はかなりタイトだが、運動時にスレる感じや肌面がゴロゴロする感じはない。

 ちなみに、こういった汗冷え対策のアンダーウェアは単体では機能しないことを覚えておくといい。

 なぜなら、繊維自体には汗や水分を吸い上げる力がないからだ。ドライナミックメッシュをはじめとするアンダーウェアの「編み目」を通じて、上に重ね着した吸汗速乾ベースレイヤーが水分を吸い上げる働きをすることで、初めて機能する。つまり、ゆるいシルエットのベースレイヤーを上に着ていても効果がないということになる。

 

実際に使ってみたユーザーの声を聞いてみた(届いたコメントママ)

■大阪在住Yさんの場合「(2019年)3月末にレースで80㎞の山を13時間かけて終始汗だくで走りました。
夜21時にスタートし気温はマイナス5~10℃まで下がり、
風も10m/sと汗冷えになる完璧なコンディション(笑)だったんですが、
まったく問題なかったです!

メッシュの上にはパタゴニア・サーマルウェイトを着てたんですが
メッシュが肉厚なので汗を吸ったサーマルウェイトと体が完全に分離しまったく汗冷えなし。

ただ、ちょっと締め付けが強いですねぇ。
フィット感が大事なのはわかるんですが、ファイントラックの方が着心地はいいですね。
…と、当初は思っていましたが、長時間着用していると違和感なくなってくるし(結局慣れかな)
何よりもそれを上回るメリットがあるかなと。ノースリーブも買ってみようと思います」

■千葉県在住Wさんの場合「着た瞬間は『サイズ間違った? もしくは肥った?』と戸惑うくらいタイトな感じだったけど、ハイクしはじめた頃には、気にならなくなってましたね。これ着用した日は気温がやや高かったのと、下山ルートがハードだったので、ベースに着いた頃にはかなり汗だくになってました。この上に着てたメリノウールのベースレイヤーが絞れるくらい汁だく状態だったんですけど、行動中の蒸れ感や汗冷え感はなかったですね。元々汗っかきなので、これはありがたいなと思いました。サーフィンもするので、ウエットスーツの下に着たらどうなるかなと思ってますが、まだ試してません」

■東京在住Kさんの場合「・着用時の締め付け感はちょっと窮屈だったが、実際にフィールドに出たときはパフォーマンスに対しては気にならなかった。

・目が粗いので保温性が心配だったが、実際は激しい動きの行動後も蒸れ感もなく汗の戻りもなくよかった。

・着用した際に単体での保温感とかはとくに感じなかった。ただ、行動中のベタつきや、汗戻りの寒気など意識しないくらいドライだったので、結果的に行動後も快適だった。

個人的には、ファイントラックのドライレイヤーを数年愛用してます。バックカントリー、沢登り、登山、なんでもOKで安定感あります。着用して暖かいと感じたり、汗が戻ってこないので、ベストなのは僕はファイントラックだと思います。今年はノースのちょっと目が粗めのノースリーブのものを着用していました。ノースとミレーは、似たような仕様だとどちらも同じくらいの着心地。ミレーの目が粗いのは個人的にはあまり好きではないのですが、使用感は同じくらい快適でした」

■東京在住Aさんの場合「結構今回ハイクで歩きましたが、汗冷えがなくいつもよりドライな感じで快適でした。
ただ、正直コレ一枚になるのはハズいです(笑)
温泉入らずに自宅帰って風呂入る前にリビングで脱いだら嫁にめちゃくちゃ笑われて
写真撮られそうになりました。笑い飯か!?ですって……。
知らない人からしたらそういう服にしか見えないかと思うと怖いッス(笑)
タイトな着心地も個人的には超好みでした。」

■神奈川在住Fさんの場合「これを着るという最初の躊躇はなかなかのものでした(笑)。

着た直後は締め付けが強いので苦しいと感じましたが
不思議とフィールドに出ると気にならないものですね。
とくに今回はBCツアーだったのでそっちの緊張感で忘れてしまった感はあります。

ハイク時は急登を登って休んで…のインターバルを繰り返し、しかも極寒という
思い切り汗冷えするシチュエーションでしたが
立ち止まって休んでも通常なら『う〜サム!』ってなるところ、
それを感じなかったことにあとで気づいたのと
つねにうすら暖かい感じがありました(いい意味ですよ)。
目が粗いので空気ため込むんでしょうかね。

シェルまで合わせると4枚着るというのはなかなか億劫な感じですが
着たら着ただけ効果は得られるので、汗冷えがとくに恐い雪山でまず使っていきたい。
体幹部分だけでいい気がするので、袖なしか半袖がいいかな」

 
 そして最後に……。

 このドライナミックメッシュは吸汗性を高めるために着用感もかなりタイト。引き締まったボディなら脱いでもまだ画になるが、肉々しい身体では鏡に写る自分の姿を直視できないこともしばしば……。堂々と温泉で脱げるよう、令和2年は身体をシェイプアップをしていきたいところである。

ミレー「ドライナミックメッシュ」詳細はコチラから

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