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山に行きにくい今日このごろ、意外と身近な自然「川と河原」でガス抜きはいかがでしょう?

2020.05.18 Mon

大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー

 世界が変わりつつあるいま、われら山好きの気がかりは今年の夏山とそれ以降。「登山を自粛して」が終わっても、山小屋の営業もテン場の利用もこれまで通りにいかないだろうとの声は多いようです。

 そこで、登山一筋の人に提案したいのが野遊びのフィールドを広げること。たとえば「川と河原」などはいかがでしょう。
 

■川と河原のいいところ
1.川面や砂利の河原は、過密な日本における無人地帯。それが里の近くでも、奥地の山並みと変わらぬ荒野を感じられる。

2.砂利の河原であれば焚き火が楽しめる(もちろん「立つ鳥跡を濁さず」をお忘れなく!)。

3.きれいな川なら泳げてすっきり。

4.ボルダ―もあったりする。
 

■いい川と河原の探し方
1.グーグルアースを使う。キャンプできそうな河原や、そこへ下りていく道すじ、周辺環境、場合によっては川の清流度もチェックできる。国土地理院のサイトの「地理院地図」も役に立つ。

2.めぼしい川を見つけたら、「川の名前 カヌー」で検索。キャンプ向きの清流であればたいていカヌー(カヤック)のフィールドになっているので、トイレと水場の有無や川の透明度などの情報を得られる。

 

■おすすめの川遊び
1.釣り
 雑魚釣りで腕を磨いておけば、「登山中に沢で晩飯のイワナを調達」なんてときに力を発揮できる。注意しておきたいのはおいしそうな魚(アユやヤマメなど)の捕獲。たいていの川では入漁料や禁漁期間が決められている。釣り上げたウグイは愛犬がよろこんで食べた。
2.テナガエビとりテナガエビ。
 本州以南で、海まで流れを分断されない(ダムや堰がない)川にはテナガエビがいるかも。潜って玉網でとれば狩猟本能を満たされるし、食べてもうまい(素揚げまたは塩ゆで)。テナガエビの捕獲については、ごく一部の河川(例・神奈川県の相模川)では入漁料(遊漁証)を求められたり禁漁期間があったりする。各河川の漁協のホームページをチェックしておこう。石のあいだに潜むテナガエビを小さな玉網でつかまえる。
3.パックラフト
 河原でキャンプするだけでもいいが、アクティブにいきたい人は川面へ。山の人にはパックラフトがおすすめだ。急流下りのスキルを身につければ冒険の幅は広がる。「バックパックにパックラフト装備をしのばせて山に登り、いい感じのクリーク(沢)を川下りして下山」なんて未来も描ける。必要なギアは、まずパックラフト+パドル+ライフジャケット。そのほかは、夏の清流(中・下流域)であれば、速乾性ウエアと短パン、足元は脱げにくいサンダルなどバックパッキングのものが流用できる。

 

■気をつけたいこと
1.川ガキじゃないと溺れます
 川で泳いだ経験が少ない人はライフジャケットを着用。
2.天気予報は要確認。
 上流域での豪雨、もしくはダムの急な放水によって河原は水没する。ダムの貯水率や放水状況についてはネットでチェックできることも。

3.轍に注意。
 砂利の河原にテントを張るときは地面をよく見よう。二筋の轍があれば、そこは地元民の軽トラの通り道。これからアユの火振り漁に出発する人々。地元民の通行路でテントを張らないように。

 ガイドブック・マップがないので自分で穴場を見つけるしかない、ゆえにキャンプする人は集中しない「川と河原」。ソーシャルディスタンスについては約束の地であります。登山とは異なる世界だけど、自然の癒しは変わらずそこに。

(文・写真=大村嘉正)

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