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【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰!

2021.01.18 Mon

マリコ トレイルランナー

 読者のみなさん、「大会」って好きですか?

 私は好きです。目標ができて日々走るモチベーションになりますし、独特の緊張感が非日常の心地よさを感じさせます。毎週レースに参加するまでではありませんでしたが、ほかのアクティビティや金銭面との兼ね合いを考え、半年に1〜2回、無理のない程度に参加するのが私流でした。

 とくに、以前出場した「ハセツネ」は私の最長記録であり、とても楽しかった思い入れの強い大会です。出産後の2019年、そのハセツネにエントリーをしていたのですが、台風19号の猛威のせいで大会自体が中止となってしまいました。フルマラソン後(記事④)のハセツネへの出走は、私のモチベーションでした。

 実際にハセツネを走りきれるほどの練習量はこなせていませんでしたが、フルパワーで楽しく走れた大会へ産後に参加することで、自分の現状を知りたかったという思いもありました。

 産後から1年以上経過し、子どもも徐々に “赤ちゃん” ではなくなり、自分自身もだいぶ動けるようになってきたなかでの大会中止はショッキングなものでした。

【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰! ハセツネこれは完走した2017年のハセツネのゴール写真。タイムは13時間台。楽しかった思いしかない大会です。

 そこでめげる私ではありません。

 中止が決まった直後に、いますぐエントリーできて、家から行きやすい大会を探してみると、ひとついいレースがありました。

「武田の杜トレイルランニングレース」です!

 以前に出場した経験があるので、コースに多少の変更はあるものの概要がわかっていて、しかもトレイルレースにしては短めな30㎞という、ほどよい距離の大会です。即、夫に許可を取り、エントリーを完了しました(夫も私の勢いに圧倒されて「YES」と言わざるを得なかったのでしょう……)。

大会概要
大会名 :第11回 武田の杜トレイルランニングレース
開催日 :2019年12月8日(日)
開催場所:山梨県甲府 武田の杜(武田神社~湯村温泉郷)
距離  :30㎞
URL  :https://y-zouen.jp/takeda/takedatrail/

 この大会への参加は出産後約1年3ヶ月後のできごとです。フルマラソンのときと同様に、私の練習内容を公開していきたいと思いますが、その前にこちらの画像をご覧ください。

【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰!2018年10月から2019年10月までの走った記録です。中間部に隙間ができていて、走っていない時期があったことが一目瞭然です。

 “フルマラソンの完走” に満足したこともあり、フルマラソンに参加した3月以降、走る回数が格段に減りました。理由のひとつは、子どもがますますかわいくなってきて、いっしょにいると楽しいという気持ち。あっという間に、ハイハイや離乳食を卒業していくわが子は、想像以上にいとおしく、いまの彼をもっと見ていたくなったのです。もうひとつは、予防接種など毎日のタスクが諸々あり、時間をつくろうと思わないとつくれなかった気持ちの部分です。走った回数だけで比較すれば、4月2回、5月3回(トレイルラン2回)、6月3回。週末は、休みの夫に「走りたい」と言い出せなかった(言うモチベーションもなかった)気持ちの弱さも原因です。

 そんな走ることへ意欲が欠けていた私に、ランニング仲間が「グループランをして、そのあと飲み会をするんだけど参加しない?」と声をかけてくれました。夜間外出なんて久しぶり! 走るのも、ゆっくりなら付いていけるかな? という気持ちで参加させてもらいました。

 ランニングや飲んでいる最中に、仲間たちのランニングに対するモチベーションや意識を聞いていると、働いていて忙しくても早朝に時間をつくって走っている人もいたりと、速い人には「速さを保てる」理由があることに気付きました。すると、自分のなかのランニング欲がむくむく湧き出てきて、週に1回、産前に通っていたパーソナルトレーニングへ子どもと通いはじめることを決心しました。

 ただの「母ちゃん」になろうとしていた私は、ふたたび「走れる母ちゃん」をめざす決心をしました。

「走れる母ちゃん」をめざし、練習を開始した7月以降の記録を公開します。

練習】7月から12月の大会当日までの約5ヶ月
▶︎10~20㎞のジョグ/週に1、2回程度(時間がある限り、2時間走り続けることを意識しました)
▶︎パーソナルトレーニング/週1回(30分トレーニング・30分トレッドミル)
▶︎整体/月1回(歩き方・走り方もみてもらえます)

 8月に子どもとふたりで白馬の八方池や栂池へハイキング(子どもは記事⑤のようにベビーキャリア)、その翌週に1泊2日の母休みをもらってひとりで八ヶ岳全山縦走(母乳は卒業済なので大きな問題なし)へ行きました。

 山を走る練習をしていなかったので、週1回のパーソナルトレーニングでは30分間トレッドミルで走りました。とくに意識したのは、傾斜をつけることと、股関節の可動域を意識してダッシュすること。トレッドミルでのメニュー例はこんな感じです。

UPHILL(10%)1000mインターバル×3 7'30"(R2min)
10%の登り傾斜で、2分休憩を挟む1000mインターバル走(目標7分30秒)を3本

 練習不足でも歩く姿勢だけはつねに意識をし、可能な限りテンポよく早歩きを心掛けました。6月までのだらけた自分とは見ちがえる練習内容、なはず。このような練習で大会にのぞみました。

【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰! トレーニング 親子子連れ週1トレーニング 。毎週通うことで、先生と子どもが仲よしになりました。先生の言うことを聞いて、動いているトレッドミルには近づかないルールも習得。有能(親バカです)!

 さて、大会当日編にうつります。天気は快晴。子どもの体調も万全。

大会当日
 当日、ストレスなく参加するために押さえておくべきポイントは4点。

・車での移動
 渋滞を避け、子どもの睡眠時間に狙いを定めることでストレスを最小限に抑える。
・子どもの食事は持ち歩く
 まだ1歳3ヶ月、大人と同じ味付けの食べ物は塩分が多く食べられないので、おにぎりや食パン、蒸かしたさつまいもやみかんなどを持ってきました。あたたかいものは保温バックに入れるといいです。ゴール地点で、ほうとうが振舞われたので、大人はそれを、子どもは持っていったおにぎりなどを食べました。日差しがあり、あたたかかったので、レジャーシートをひいて快適な昼食でした。
・子どものレイヤリングに注意
 早朝の甲府は、霜も降りる平均一桁のしびれる寒さです。子どもには上下ダウン&耳付きの帽子で防寒しました。日中、日が出るとあたたかいので、脱がせやすい服装がオススメです。
・おむつ替えの場所
 スタート・ゴール地点にはおむつ交換台がなかったため、車の荷台でおむつを交換しました。朝は寒いので、手早く交換するためにも、あらかじめスペースを確保しておきましょう。

【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰! 第11回 武田の杜トレイルランニングレース子どもはこんなにモコモコに着込ませました。スタート地点の武田神社にいたニワトリが気になる様子。

当日のおおよその行程
5時00分:自宅を車で出発(子どもと私は二度寝)。
7時00分:会場到着。子どもは車内で着替えをし、つくってきたおにぎりで朝食。私は大会の受付へ。
8時00分:スタート。直前に防寒着を脱ぎ、夫へ手渡す。夫と子どもは応援場所へ移動。
8時10分:スタート地点の武田神社正門で応援を受ける(子どもは母に気づいていないという悲劇)。
9時00分:夫と子どもは武田神社や、スタート地点から車で10分ほどにある愛岩山少年自然の家で遊ぶ。
10時30分:夫と子どもはゴール地点へ移動。子どもは30分ほど午前寝。
11時50分:ゴール! 子どもを抱っこしながらゴールできたことは、この上ない幸せでした。
12時10分:ゴール地点でふるまわれる山梨名物ほうとうなどで昼食。
13時30分:昇仙峡を散策。
15時00分:昼寝の時間に合わせて帰路へ。

【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑥産後1年3ヶ月、ついにトレイルレースに復帰! 第11回 武田の杜トレイルランニングレースゴールした直後の2ショット。子どもにも感謝の意を伝えました。

 さて、レース内容はというと、トレッドミルで練習していた効果があり、登りもずっと走り続けることができました。ふだんのジョグでは坂を走り続けることがないので、トレッドミルで傾斜をつけて練習できたことは大きな成果でした。これはパーソナルトレーニングの「TREAT」(記事③)さんのおかげです。

 武田の杜は “走れる” コースです。走り続ける練習をしてきたつもりでしたが、思ったよりもスタミナが続かなかった、これは反省点です。以前のように目標タイムをめざして走るのではなく「完走できればいいね」なんて話していた割に、なんとか20位以内に入れたのは嬉しい誤算でした。家族の協力のおかげで「完走」です。

 ママでも諦めなければ、トレイルレースも完走できる。そう思わせてくれたレースでした。

 ママランナーのみなさん、走っていますか? 走るモチベーションを保てていますか? 子育てとランニングの両立は想像以上に大変だと思いますが、家族を優先しつつ細々とでも、私といっしょに走り続けてみませんか?

【マリコ’s MEMO】
子どもといっしょに車で移動するとき、なにをして遊んでいますか?
わが家の定番は、

①音の鳴る絵本
この絵本はわが家の必須アイテム! 渋滞やトンネルなどで車内が暗くなっても「音」で遊べます。童謡が流れるメロディ付絵本であれば2歳ごろからいっしょに歌えますよ。

②プラレールの電車やトミカ
電車や車のおもちゃが子どものお気に入り。タイヤを眺めてはうっとりしています。ご機嫌斜めになりそうな気配を感じたときにすばやく手渡しています。

③缶入りマグネット
缶入りで、木製パーツの裏にマグネットがついている、持ち運びできるおもちゃです。マグネットが白板にピタッとつく感触が心地よく集中して遊びます。

これらのおもちゃはふだん使っておらず、車に乗ったときでしか遊べないおもちゃという位置づけなので、夢中になって遊んでいます。予期せぬ渋滞など、困ったときのお助けアイテムの参考にしてみてくださいね。


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