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【連載】日本のロングトレイルを歩く vol.14 ぐんま県境稜線トレイル踏破録:第二章「未開の地グンマー? 新規開拓ルートに挑む」

2018.11.22 Thu

中島英摩 アウトドアライター

 ぐんま県境稜線トレイルを開通前にひと足お先に歩いた中島英摩さんの踏破録。谷川の馬蹄形を踏破し、いよいよ核心部に向かいます。開通前のトレイルはどんな状況だったのでしょうか?

▼前回のお話はこちら
【連載】日本のロングトレイルを歩く vol.13 ぐんま県境稜線トレイル踏破録:第一章「俺の馬蹄形を越えてゆけ」


 今夏、日本に新たなロングトレイルが開通した。群馬と新潟の県境のハシ『土合』から四阿山と浅間山の間である逆側のハシ『鳥居峠』までを繋ぐ全長約100kmのトレイル、群馬県境稜線トレイルだ。開通の数ヶ月前、ロングトレイルができていくまでの山をこの目で見ようと単独で飛び込んだ。

雲間を歩く、平標へ向かう花の稜線

ミシ、ミシ、ミシ

 床が鳴る音で目が覚めた。
 昨夜はずいぶんな天気だった。強風が吹き荒れ、避難小屋ごとぶっ飛ぶかと思ったほどだ。それでも疲れ切っていたわたしは十分眠ることができた。寝袋の中で行方不明になったiPhoneを探り出し、画面を見るとまだ5時前だった。

「お先に!」

 わたしがまだ寝袋でモソモソしているというのに、同じ小屋で泊まったおじさんは早々と出ていった。扉が開くとその向こうには綺麗な稜線が見えた。

 朝食は、粉末のほうじ茶ラテに自分で作ってきたアスリート団子を入れて温めたもの。アスリート団子とはなんぞ? って? 青汁のようなMAGMAという粉末にアップルハニーという普段トレイルランニングレースなどで使っているりんごの凝縮ジェルを練り込んだ自作団子。効果は不明。でも我ながら旨い。カップラーメンなどの濃い味のものやアルファ米が朝から喉を通らないときに良い。

ほんのり甘い抹茶団子のような味。表面を軽く焼いてあるので香ばしい

 大障子避難小屋は、谷川主脈稜線の避難小屋では大きい方で、わたしの感覚では中も比較的綺麗だ。もちろん電気はないし、床は湾曲していて、風も通るけれど結構快適だった。水場に関しては稜線から少し下りたところ(往復20分)にあるらしいが、この時は笹薮が凄くて15分探しても見つからなかったので諦めた。あまり期待しない方がいいかもしれない。

 荷物をまとめ、水の残量を確認。ここで水を汲めなかったのは誤算だった。ここまで足を伸ばしてきたのは水を汲む目的もあったからだ。今日は目的地は平標山の家まで丸一日水場がない。朝からもう一度水場を探しに行くか悩んだが、昨日に比べてかなり涼しく行程もゆっくりなので、水場探しはいいやと諦めた。汗をかかないペースで歩き、水分の多いゼリー飲料などを中心に補給を取る計画とした。

 避難小屋を出ると外には雲海が広がっていた。上空に雲はあるものの、あたり一面を見渡すことができて心が躍る。静かな奥深い山の中にひとり佇む、その瞬間が好きだ。ずっとずっと向こうから歩いてきた道と、これからずっとずっと向こうまで歩く道のどまんなかにぽつんと立っている、その瞬間が大好きだ。どこまでも道が続く光景はロングトレイルの魅力のひとつだと思う。

昨日歩いてきた道

これから歩く道

 まずは、万太郎山から取り付いた。
 大障子ノ頭を経て、1時間半の登り。万太郎山から仙ノ倉山までの稜線は、ちょっとした岩場やヤセ尾根もあり、朝からピリリと気持ちが引き締まる。足元にはかわいい花がたくさん咲いている。初日はハードな行程で、正直あまり余裕がなかったことに気付く。その点今日は気が楽だ。なんだか急にルンルンしてきた。ハードでヒリヒリする山行も好きだけど、ゆるふわハイクだって好き。

黄色い花。葉っぱが特徴的。検索すれば名前わかるかな

足元がカラフル!

 花の名前っていうのはなかなか覚えられない。家に帰って調べようと思って写真を撮るけど、結局はカメラロールの肥やしになる。仕事でご一緒したベテランガイドさんで、何を聞いても必ず答えてくれるお山辞典みたいな人がいて、どうやって覚えるのかと聞いたら「ガイドを始めた若い頃はなかなか覚えられなくてね、大変だったんだけど、歳を重ねるうちになんだか花を愛でるのが好きになって、そうすると覚えるのも苦でなくなり、どんどん詳しくなったんですよ」と言っていた。

これは・・・イワカガミの一種?

お花畑のように咲き乱れる、ハクサンイチゲ?

 頭上には雲が広がり、眼下にも雲海が広がっていた。雲と雲のあいだを歩く、そんな感じ。鞍部には左から右へサラサラと雲が白糸のように流れている。時折その滝雲の中に潜り込んでは抜け出す。雲のなかは暴風で、髪がびしょ濡れになった。

万太郎山から平標方面

滝雲。中は風ビュービュー

 今日は余裕のある行程で良かった。足元は緑に覆われているけれど案外細いトレイルもあり、風も強く、こんなところを焦って歩くなどしたくない。くるりとターンして見回してもどの角度からも眺望の良いコース。じっくり楽しむのがちょうどいい。いままで足を踏み入れずに来たけれど、こんなに良いところだったんだ。

結構ほそい

風が強く、帽子を被っていられない

じっくり楽しむのが良い。マナーを守って安全最優先で

 仙ノ倉、平標と辿ると徐々に人が増えてきた。平日だけど、平標登山口からピストンするハイカーで賑わっている。熱心にお花畑にカメラを向ける人達の横を声をかけつつスタスタ歩く。

「まだかしらね」
「長いわね」

 平標山山頂から山ノ家までは、コースタイム40分だが、その多くが木段だった。延々続く木段に疲弊した女性。5mほど前に男性の姿。

「待ってくれてもいいのにねぇ、どんどん行っちゃうのよね」

 よく見る光景だ。登山は性格が出る。まだあと20分くらいあると思います、天気が崩れるのでお気をつけて、と座り込んだ女性に声をかけた。

木段の両側には小さな花がたくさん咲いていた

 かなりゆっくり歩いたつもりだったけれど、12時半頃には平標山の家に着いた。今日は満員らしい。小さな小屋だけれど、避難小屋が隣接していて安価で利用できる。 休日には小屋はもちろん、避難小屋もテント場もギュウギュウになるらしい。避難小屋という名前が似合わないほど立派な小屋で、床板はピカピカに磨かれ、自炊用のテーブルやイス、更衣用のカーテンもある。トイレが直結していて、外に出なくても良い。わたしのバックパックが小さいからか、「避難小屋、寒いよ?大丈夫?」とご主人が心配してくれたが、わたしはその綺麗さに感動しっぱなしだ。

ピカピカの避難小屋でゴロゴロする最高のひととき

 外にはドバドバと水が出ている。しかもすごく美味しい。昨夜から今まで、少ない水で乗り切ったからグビグビ飲んで喉を潤した。ラッキーなことに、避難小屋泊はわたしひとり。2日間の疲れを癒すべく、ストレッチをしたり、念願のビールを飲みながら読書をしたりして過ごした。

 17時半にはもうウトウトしていたけれど、夜には天気が荒れ始めて気温が下がり、次第に床の冷たさも相まってどうも寒くなり、やせ我慢しなくたっていいかと思って結局マットと寝袋をレンタルした。「ほら~」と笑って貸してくださって、ぬくぬくしながら眠りについた。小屋の方の言うことは間違いない。

いよいよ、核心部へ。歩き通すことができるのか? 新規整備ルートへ突入!

翌朝、4時前、三角山

 まだ暗いうちに、そっと静かに小屋を出てきた。朝食は、歩きながら。昨晩に温めておいたチャイを保温ボトルからすすりながら、菓子パンをむしゃむしゃ。

朝焼けが美しく、今日もまたいい1日になりそうだ

 いよいよだ。いよいよ、核心部に突入する。
 ぐんま県境稜線トレイル公式マップの「三国・四万エリア」だ。ぐんま県境稜線トレイルに興味を持っている人の多くがここをどう乗り切るかということに頭を悩ませているはずだ。群馬出身の仲間、グンマーズ(第一章参照)も、「藪がすげぇんだよなぁ」「どうなってるか行ってみないとわかんねぇよなぁ」「1日で抜けないと寝るとこないでしょ」などと、この区間を話題に挙げていた。

最新のぐんま県境稜線トレイルのMAPは公式サイトからダウンロードできる

 わたしがまず初めにやったことは、Google先生に聞いてみるっていうイマドキの方法だ。過去の山行計画・記録を片っ端から読み漁った。それでわかったことは、稲包山から先は藪漕ぎのメッカだということだった。大学の山岳部などが重装備で挑み、時には撤退したりもしている。前日に平標山の家で小屋の方と話したら、「笹藪が男の胸くらいまであって、ほんの2kmくらいに何時間もかかってね」と言っていた。しかもここは水場がない。周辺の沢まもかなり遠い。それどころか、そもそも、すでにトレイルとして歩かれている平標山の家から稲包山の区間さえも水場がない。

 トレイル開通まであと1ヶ月強。ぐんま県境稜線トレイルというロングトレイルを作るにあたり、新たに開拓する必要があった場所が、まさにこの区間だ。ここさえ繋がれば・・・とはいえ、最も整備が大変だったに違いない。エスケープルートがなく、整備に入るにも何時間もかけて山を登らなければならないからだ。刈払いがかなり進んでいて、藪はもうないのでは?という情報だった。距離、高低、地形を地図で見ながら計画を立てた。これまで破線や岩場でないバリエーションを歩いたことはあったが、藪が深ければすぐに引き返すことを心に決めて、可能ならば一日で野反湖まで行く。破線の初っ端から厳しければ(入り口さえも見つからなければ)、三坂峠から三国スキー場跡経由で苗場まで下山、あるいは途中で時間がかかりすぎるならばムジナ平という場所で幕営しようと考えていた。

三国峠の分岐。特になにもない

 三国峠から稲包山までは実線だ。破線で苦戦することを想定して、このあたりはさくさく歩こうと考えていたわたしの額には、まだ朝早くだというのに汗がダラダラ流れていた。

「まじかぁ、そうかぁ」

 ひとりごとが漏れる。三国峠には駐車場があるけれど、そこからハイキングに出掛けるなら間違いなく平標だろう。稲包山に登る人はそうとうマニアックらしい。初夏ということもあり、わたしの印象ではほとんど歩かれていないな、という感じだ。踏まれているのはおそらく整備の方の足跡で、足元の青い笹は整備したばかりであることがわかる。

毎年雪解け後に刈るのだろう。今後も初夏はこんな感じかもしれない

送電線巡視路がたくさんあるので迷い込まないようにしたい

たぶん直されたと思う

これも

実線だけど、注意して歩きたい

 笹の下りで何度かすっころびながらも調子よく歩いていたら、なんだか足跡が薄いことに気付いてハッとする。GPSを見るといつのまにか300mも三坂峠を通り過ぎていた。三坂峠に何か標識があると思っていたら、全く以て何もなかったのだ。GPS片手に30分ほど行ったり来たり、トレイルの入口を探してウロウロ。あともう少し探して見つからなかったらやめようと思っていた時、ふと目をやった先に不自然に潰れた笹薮を見つけた。これだ! と思ってかき分けると、綺麗に刈払いされたトレイルを見つけた。整備後の今はきっと何かしらの目印があり、入口も判りやすくなっているはずだが、迷いやすい場所であることには違いない。

敷地境界の杭を発見

 三坂峠からセバトノ頭までは、すでにしっかり整備されていたものの、道は険しく、急登が続く。ほとんど四つん這いで手足を使って登ような場所もあった。こりゃ、たまらない。たまらなく楽しい。三坂峠を8時、セバトノ頭に着いたのは10時頃だ。公式マップでは、3時間20分かかるらしい。まだ登るか、まだ登るか、よっしゃこい、どんとこい。

これが胸まである笹薮だったところだろう。これを刈るのは相当苦労しただろう

葉っぱに隠れたギンリョウソウ

歩きやすいふかふかトレイルは束の間

ジャングル

ジャングル!

 セバトノ頭付近まで来ると、一気に視界が広がった。

「あの稜線、サイコォォオ!」

 美しい稜線を見ると興奮する。あの姿! あの雰囲気! などと騒いでいるとだいたい友人が隣でドン引きしているが、単独ならば小躍りし放題だ。

こんな素敵な場所が未開の地だったなんて!

ロングトレイル開通の裏側、過酷すぎる整備作業を目の当たりに

 ムジナ平にはテントが4張にタープが1張。どうやら整備の方々が泊まり込みで作業してくれているらしい。台地のそばに細いトレイルが付いていて、水場への道らしかったが、こんなにも乾いた山に水が出ているとは思えなかった。その後改定されたマップにはやはり水場マークがあったが、「枯れることあり」と記載されていた。また、マップで紹介されているこの区間の最難縦走コースは、ムジナ平[テント泊]と書いてあり、幕営想定のようだ。ここまで2日分の水と食料を担いで登ること自体が相当体力を使うだろう。
 整備の人達は、登山の荷物だけでなく重い機械を担いで何時間も歩いていて、山に閉じ込められたようなエスケープルートも水場もないこの場所で、ひたすらに草を刈っていると思うと、本当に頭が下がる。こんなに“通勤”がハードな仕事場、なかなかない。ツワモノすぎる。

おそらく自力で担いでここまで来たと思われる

刈っては伸びる、刈っては伸びる。おそらく何度目かの草刈りだろう
 
 ムジナ平から先がまた、なかなかだった。
 大黒ノ頭までの登りはせいぜい500~600m程度ながらひっくり返りそうな急坂。笹は広く刈られているが、まだトレイルが切ってない状態で、つるんとした斜面に笹が敷き詰められた感じと言えば伝わるだろうか。ステップがないので、笹の滑り台状態だ。なるほど、登山道を作るには、藪を刈るだけで終わりではない。幅を広げ、土を固め、斜面は歩きやすいように九十九折れにしたり、段差を作ったりしてできていくのだろう。土砂袋や木段、石段を運んで埋め込んであるトレイルだってある。

公式MAPではわたしの行程とは逆方向、野反湖から四万温泉まで歩くコースが紹介されている。1日目が9時間強、ムジナ平でテント泊、2日目は7時間強。日の長い季節に幕営装備+たっぷりの水を担いで10時間を2日間歩ける体力が必要じゃないだろうか。

 登山道ができる途中を体感したのは初めてだ。荒れたトレイルの整備や草刈りを手伝ったことはあるが、「作る」過程を目前にして、これまで登ってきた山を歩けるようにしてくれた人達に心から感謝した。

ブーーーーーン、ブーーーーーーン、ブーーーーーーーン

 朝から遠くで聞こえていた飛行機かへリだと思っていた音が、草刈り機だとわかったのは、上ノ倉山で人に出会った時だった。

「こんにちは!」
「わ! びっくりした!」
「すみません、整備ありがとうございます!」
「1人で歩いているの?気を付けてね!」

 しばらく歩くとまた、草刈り機を持った人に出会う。

「こんにちは!」
「あぁ、こんにちは!」
「何人で整備されているんですか?」
「5人だよ、今回は明日までだね。佳境だからね~!」

こんなに整ったトレイルができていた

 委託で整備を請け負っているそうで、毎週のように数名で山に入り、テントで泊まり込みで少しずつ草刈りをしているのだそう。明日は天気が崩れそうだけど、いまは佳境だから今日は下山できないという。来週もまた来るのだと言っていた。午後からまだ先へ行こうというわたしを心配してくれたが、ここまでの行程と時間、装備を話したら、そうかそうか、と送り出してくれた。

「前にも数人いるから、声かけてやってね。気をつけてね!」

 こうやって、登山道はできていく。必ずだれかが汗を流して作ってくれているのだ。美しい景色を楽しめるのは彼らのおかげだ。山が好き、なんて言っているが、山は自然そのもの。それを人間が歩くように整えているのは人間だ。誰も手をつけなければたちまちまた山は動植物だけのものに戻っていく。自然への気持ちはもちろんのこと、山を守ってくれている人達にももっと感謝しなければ。

ただの破線だった場所は、エスケープがない山深い場所だからこそ静かで、派手さはないものの遥か遠くまで見渡せる眺望の良い場所だった。いくら地図を見ても、山の様子や景色はやっぱりその場に行かなければわからない。ここを人々が歩けるようにしよう!と、考えた人の想いに納得した。整備途中の片足ほどの幅しかないトラバースは、伸びかけの笹に足を取られ、横からの木々に遮られながら、逆側の崖に落ちないかと冷や冷やしたけれど、これがきっとさらに良いトレイルとなっていくのだと思う。

これが稜線トレイルができていくところ

核心部の険しく長い道のりを制覇! 野反湖へ

 上ノ倉山、中次郎山、上ノ間山の山頂には手作りのプレートが控えめに置いてあり、いずれも山岳部や山岳会の名前が記されていた。完全未整備の状態で、ここを一体どうやって歩いたのだろう。凄い人達がいるもんだ。

これをバックパックに入れて、藪を漕いできたのだろう

トレイルがあるように見えるけれど、まだまだこれから作られていくところ

 白砂山に着いたのは14時だった。この区間のコースタイムは9時間半。60%で歩いた計算だ。普段はせいぜい80%、そんな速く歩かないものだから、緊張しっぱなしで身体は固くなり、脚もガクガクだった。

“登山道”に出た! なんて安心感があるんだろう!

「無事に登山道に出ました! これから下山します!」

 Akimamaスタッフにメッセージを送った。できることならまだ歩かれていないこのロングトレイルを誰よりも早く一発踏破したかったけれど、なんど天気予報とにらめっこしても、明日も明後日も雨だ。それにこの疲れ切った身体であと2~3日歩くことが良いと思えなかった。楽しめなければ意味がない。故障をしては意味がない。そんなわけで、野反湖をゴール地点として前半を終える決断をした。

 故障が少ないね、膝壊さないの? などとよく聞かれるが、無理しないからだと思う。冒険冒険と言っているわりには、結構保守的なのだ。白砂山ですっかり旅を終えた気分のわたしに、ぐんま県境は優しくはしてくれない。「甘いんだよ」とでも言うように、幾度も繰り返すツンデレな登り返しに苦笑いしながら、のんびり下山した。

白砂山から野反湖が・・・見えない

 野反湖は売店も食堂もシャッターが閉まっていたが、トイレと自販機がわたしを迎えてくれた。温かい便座とミルクティーが身体に沁みる。人間の発明ってすごいな。文明の利器ってすごいな。山から帰ると、恵まれた生活に感謝するんだよな。そういうところも好きなのかもな。車を待つ間、泥だらけになった全身を拭きながらそんなことを考えていた。

3日目、平標山の家から野反湖までのギザギザ

* * *

第三章につづく

(文・写真=中島英摩)

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