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カスケードデザインを支える2人のアメリカ人がやって来た!!! その②

(2016.11.07)

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ネバダ州のリノに新しい工場が完成

A……新しい工場ができたと聞きました。
C……リノの工場のことだよね。16年だから、今年の1月に完成。倉庫だけは、その前の年にできていたんだけどね。

A……そこではなにをつくっているのですか?
T……いまは、プラティパス、シールライン、サーマレストの簡単なやつだけ。
A……簡単というと?

T……自動膨張じゃなくって、クローズドセルのほう。Zライトとか。あと、来年の話になるけど、MSRのスノーシューを持っていくように考えている。規模が大きくなってきたので、その対応の意味があるよね。工場の新設は。

C……このほか、他の自社工場内には低温測定ラボなんかもある。浄水器と同じで、マットやスリーピングバッグのほうも、ちゃんと数値化して開発とチェックを繰り返している。R値なんかも、ここで測った値が表示の根拠となっている。

※R値とは、マットレスやスリーピングバッグのあたたかさを示す数値のこと
カスケードデザインにあるコールドチェンバー(低温測定ラボ)。マットレスやスリーピングバッグなど、ひとつひとつの製品のテストが繰り返される。信頼のおけるギアが生まれる背景には、なくてはならない施設だ
A……マットレスの数値という考えは、いつごろ生まれたもの? 72年当初にはなかったですよね。
T……う~ん、わからん。

C……でも、さっきの13年前のパフォーマンスモデルのときには、ちゃんと測定されていたみたいだよ。たぶん、コールドチェンバーができたのが15年くらい前だったと思う。

A……では、それ以降はすべてのモデルでチェックされているんですね。
C……そうだね、全モデル。本国ではスリーピングバッグも展開しているから、ラボは大忙しだよ(笑)。

 

続々と生まれる期待のニューモデル

 クリスとトーマスは、来春の新モデルを持参して来てくれていた。スピードバルブのついたマットレスのほか、ウルトラライトのコットにフェス向きのテント、サーマレストの新作チェアにMSRテントの最新モデル。いよいよ発表されたMSRのオールシーズンおよびアタックテントは注目の的となることまちがいなし。そして、18年にはあの人気モデル(!?)もリモデルされるとか、されないとか……。と、せっかくなので、テントのニューモデルに関する話も少し。

C……来春の話だけれど、MSRから山岳用とオールシーズンが出るよ。
T……アドバンスプロ。究極の山岳用で、スペースが限られていたり、風が強いときでも簡単に立てられる。スピードクライミングなんかにいいよね。

A……日本の場合は雪山ですね。
C……じつはデザインをしたのは、あのウーリー・シュテックなんだよね。
T……デザインというか、共同開発だよね。

A……ウーリー・シュテックといえば、スイスのスピードマシーンですよね。世界に名高いクライマーの。
C……そうそう、スピードクライミングの彼。

※ウーリー・シュテックはスイスの登山家で、アイガー、マッターホルン、グランド・ジョラスのアルプス3大北壁の最速登頂の記録を持つ。

T……イーストンの新しいポールで、サイクロンポールを使っている。飛行機にも使われているコンポジット素材で、アルミのように折れることもないし、カーボンのように爆ぜてしまうこともない。

C……ポールの構造が、上から雪が積もっても潰れない構造になっていて、押されても跳ね返る仕組み。
T……あと、特徴的なのはテントの側面に直接取り付けられたガイラインのポイント。
C……まったく新しい技術で、MSRのオリジナル。

A……単純構造な上に、風にも雪にも強い。まさにプロ仕様のテントですね。
T……だって、ウーリーが関わってくれているからね。フィールドテストもシアトルの地元、レーニア山でやったんだ。ちゃんと雪のある場所でね。

T……アドバンスプロは究極のクライマー用だけど、一般向けにもいいテントが発表されるんだ。
C……アクセスは、誰でも使えるテントだね。これもサイクロンポールを使っていて、風に強くてかつ軽くて、丈夫なテントができたと思う。

T……強風の吹き荒れる山の稜線とかでなければ、オールシーズン使えるモデル。ポールが側面にも入っているから、雪の重みにも十分に耐えられる。
A……オールシーズンなんですね。サイズ展開も3つあるし、これはかなり注目されそうですね。

C&T……Yes!! そう願っているよ。
来春、2017年のSPRING & SUMMER WORKBOOKには、すでに新モデルの情報が掲載されている。いいテント、出ますねー!!!(嬉)
T……最後に少し付け加えていいかな? 
A……もちろんです。カスケードデザインの大切な部分、教えてください。
T……どんなに大きくなってもカスケードデザインのコアな軸足は、アウトドアに置いておきたいと思う。だって、アウトドアの時間をひとりでも多くの人が体験できれば、そのぶん、幸せが増えるということでしょ。
C……それこそが、大切な仕事。だから、使いやすい信頼の置けるギアをつくり続けますよ、ぼくらは。
A……ありがとうございました! これからも、たくさんワクワクする商品をつくり出してくださいネ。

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ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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