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【連載】日本のロングトレイルを歩く vol.8 金沢トレイルができるまで〜インタビュー編

(2018.08.28)

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モデルは「信越トレイル」

 「トレイルづくりは、信越トレイルを真似せてもらっている。」と、河崎さんが公言しています。金沢トレイルをつくる際に、信越トレイルの木村 宏理事(当時)を金沢に招き、公演していただいているとのこと。その際に「信越トレイルを真似せていただきます」と伝え、パンフレットなども同様のものをつくっているそうだ。

日本ロングトレイル協会」が発足すると、金沢トレイルも加盟することになります。河崎さんは、ここでも理事として名を連ねています。2016年10月には「全国ロングトレイルフォーラム」が金沢で行なわれました。2017年の「日本ロングトレイルシンポジウム」では、中村 達理事長から「JAPAN TRAIL」の構想も発表されたそうです。協会としては、北海道から九州まで、ロングトレイルをつなげたいという目標があるそうです。その際に、北陸の金沢トレイルもその一部になるようです。

2016年に金沢で行われた「全国ロングトレイルフォーラム」のフライヤー。

「活動資金」と「人材」

 このトレイルの整備活動を続けていくうえで必要なのが「活動資金」と「人材」です。「活動資金」に関しては、先の団体から独立して行なった経緯を見るとおり、公的な活動資金もかつてはあったそうですが、今年からは100%独自で活動資金を捻出しているそうで、現状の活動費は、微々たるものだそうです。先日のセクションハイクイベントの参加費もその一部になっているそうです。関係者が森林組合の所属ということで、チェンソーの免許保持者など山に精通したメンバーが多いのも、整備費用を抑えられる強みだといいます。

 金沢トレイルの「人材」は、今回のイベントにも参加していた有志の方々の存在が非常に大きいといいます。有志のみなさんは、山好きと里山保全をしている方々。スタート時は10名程度でしたが、仲間が仲間を誘うと行った感じで、40〜70代のメンバーで活動しているそうです。

イベント時の有志のみなさん。イベント中も終始笑顔で、サポートしていただきました。

ルート設定

金沢トレイルを作る際に、ルート設定をどのようにするか話し合った結果、いくつかのキーワードをもとにルートを決めたそうです。そのキーワードとは、「金沢らしい場所」「里山保全」「過疎地域の活性化」だったといいます。スタート地点が「金沢城」であったり、「主計町」や「ひがし茶屋街」がルートに入っているのは、そうゆうことだったのです。

 里山に入ると元々登山道の整備をしてる方がいる場所や、森林組合の地の利を生かし「鉄塔路(てっとうみち)」と呼ばれる、山間部の高圧電線の鉄塔をつなぐ道なども組み込んでいきました。また、竹久夢二も歩いたという湯涌温泉の古道も。この湯涌の古道は、荒廃していた古道を地域の方が整備して復活させたものだそうです。3〜4区間に設定されているエリアは里山保全区域が点在しています。湯涌温泉の先にある「玉家の森」、寺津町の「米沢の森」、荒廃した竹林を千本を超える桜を植樹している「千本さくらの里」など。これらの地域もルート設定する際の重要なポイントとなっています。

 また、ハイカーのための宿泊地の問題もあります。現在のマップでは、それぞれの区間に宿泊可能な場所を設けるような設定となっています。3区間の熊走町と4区間の新保町では、現在テント泊予定地の準備を進めているそうです。寒さが厳しい北陸。歩ける期間は、5〜11月。2区間の横谷峠など、降雪の際に危険が及ぶ地域もあるので、ハイクする際は事前に状況を調べて計画をたてるようにしたいですね。

金沢城からスタートし、ひがし茶屋街も歩く。金沢ならではのルート設定だ。

今後の展開

 河崎さんに、今後の展開を伺うと面白い答えが返ってきました。 「完成に向けて、常にメンテナンスをしていく為、完成しないトレイルなんです。」とはいえ、各セクションも繋げていきたく、今回のようなハイクイベントも続けていくとのことでした。今年は、5つのセクションをそれぞれ日帰りで歩くセクションハイク。来年は、全区間をスルーハイクするイベントもできたらいいなとのことでした。こういったイベントに参加してもらうことによってファンを増やし「みんなが、愛着を持つトレイル」にしていきたいといいます。

 またルートの看板について聞くと、「プラスチックでつくったものや道標を立てるのではなく、木の看板がそっとかけてるようなものにしていきたい。それが朽ちても土に帰るし、なくなったら気がついた人が、またかけてもらえるようなトレイルだといいなと思うんです。」とのこと。

 金沢トレイルは、ファンが集まり「市民がつくるトレイル」をめざしている。これからも、応援したい! 活動に参加したい! トレイルでした。
 
金沢トレイルは、今後もファンが集まり「市民がつくるトレイル」をめざします!

 

【文=北村 哲 写真=古瀬美穂, 金沢トレイル】

 
 

【連載】日本のロングトレイルを歩く vol.7 金沢トレイルができるまで〜整備が進む第1区間をセクションハイク!

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ライター
北村 哲

登山、スノーボード、キャンプ、フェス、旅好きのフリーライター。プランナー/ディレクターとして、アウトドアやスポーツ関連のカタログ、映像、イベント、アーティストコラボ商品などの企画制作も行う。富士山好きで、吉田口の歴史や登山道に詳しい。

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