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【短期集中連載 FUTURELIGHT】第3回 無雪期登山で「フューチャーライト」のジャケットをインプレッションしてきたぞ!

(2019.10.21)

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 <インプレッション2>は、白馬岳「蓮華温泉ロッジ」周辺のエリアで実施した。ここでの目的は1,500mより標高を上げ、さらに気温が低い場所でフューチャーライトを体験してみることだ。どんなレイヤリングが有効か? 本当に着用したままで、過度に蒸れずに行動は続けられるのか? などの疑問を実際に行動して試してみたかった。

蓮華温泉ロッジ」は、白馬岳の最北位に位置し、標高1,475m。新潟県側からの北アルプスへの玄関口の山小屋だ。もともと上杉謙信が鉱山を掘っていた時に、偶然見つけたという天然温泉。4つの野天風呂とロッジ内に内湯がある。

 天気予報では明け方から天気は崩れ気味。気温は12度と期待通りの肌寒さだ。ベースレイヤーにはメリノウール100%のロングスリーブを選び、その上に直接「FL L5 LTジャケット」を着て、無理をしない程度に稜線近くまで登ってみることにした。

天気が崩れる気配のなか、ロッジからは五輪岳や雪倉岳が見えた。ときおり猛スピードで吹き流される雲の隙間から光がさし、紅葉が進む山肌を照らす。

 ロッジの裏手にある樹林帯の登山道から、野天温泉のある岩場のカール地形に向かって進む。前日に比べると紅葉も進んでおり、標高が上がっていることを実感する。小雨と強めの風に見舞われたが、これもインプレッションには最適。まさに望んでいた気候だ。前日の日差しを浴びた蒸し暑さとはまるで状況が変わったせいか着心地はいっそうよく、蒸れも感じなかった。

(上左)小雨の中、標高を上げていく。(上右)硫黄の匂いと湯気が、辺り一面に漂う。(下左)地面から、ボコボコと温泉が湧き出してくる。(下右)雨の中でも、快適に行動できた。

 樹林帯をぬけると、一気に風雨が強くなる。カール状の地形の中でも風が強く、稜線に出るのは危険として、登山はここで終了。そこで、カール状地形の中をしばらく歩いて「撥水性、防水性」のテストをしてみることにした。

 雨や風の中で行ったのだが、「浸透性、通気性」と「撥水性、防水性」は、どちらも良好だった。ただし、今回はザックも軽量で、行動時間は1時間程度と短かった。これがもっと重い荷物を背負って、長時間の移動となると同じ結果になるかは気になるところだ。

(上左)フードの調整は後頭部のコードで。片手で行なえる。(上右)フードはパターンもよく、形が調整できるワイヤー入りの大きなツバが好印象。視界を広くとることができ、雨の中でも快適だった。(下左)パンチ穴加工で口元の処理も抜かりなし。(下右)手首のストラップは大きく、グローブをしたままでも使いやすそう。

 インプレッションを実施してわかったことは、「非常にしなやかで、着心地がよい」「行動中の蒸れ感も少なく、快適に着続けられた」ということ。そして、更に実感したのは、「行動に合ったレイヤリング」が必要ということだ。

 どんなウェアにも言えることだが、ウェア選びは行動との相性が大切になる。開発の目的であった「行動中に脱ぎ着をしないで、そのまま気続けられる」ことができるジャケット。それを実現させた最大のポイントは「通気性」だ。であるなら、このジャケットの通気性を理解し、行動中の体温がどう変化するかを予測したレイヤリングを採り入れることで、このジャケットの長所を最大限に活かすことができる。

筆者のレイヤリング。(左)ザ・ノース・フェイス「FL L5 LTジャケット」メンズ:サイズS。(右上)撮影時のレイヤリング例。メリノウール100%のロングTee, ザ・ノース・フェイスのベントリクス(ストレッチ性のある化学繊維にスリットを入れた中綿)を使用した軽量ダウン。(右下)蓮華温泉で、雨の中、稜線をめざしつつ状況を確かめる。

(左)山岳ガイドの松本省二さん。(右上)今回のレイヤリング。防寒用に、ザ・ノース・フェイスの「ベントリクスベスト」をチョイス(右下)全部のインプレ終了に、更に寒くなった時のレイヤリング提案をしてもらっているところ。ここでは、ベースレイヤーにザ・ノース・フェイスの赤のフーディーを提案。

 たとえ素材に目覚ましい進化があったとしても、その機能を最大限に引き出すためには、素材に合った使い方が求められる。フューチャーライトだから、何もしなくても快適、ということではない。

 フューチャーライトの特性を理解した上で、自分の体温や行動、気候を考慮し、レイヤリングを組み立てる。そうすればこの素材は汗冷えを抑え、シェルでありながら一日じゅう着たままで過ごす、という理想のシェルを現実のものにしてくれるのだ。

 今回は、サミットシリーズのジャケットでのインプレッションだったが、スティープシリーズやフライトシリーズにも興味深い製品が用意されている。また、今後発売予定だという「シングルウォールのテント」や、アスリートたちから製作希望に上がっていた「シュラフカバー」など、素材の特徴を生かした製品の登場にも期待してしまう。フューチャーライトは可能性のかたまりだ。その可能性がどういった姿になって現れてくるのか。これからの展開が楽しみだ!

(文=北村哲 写真=古瀬美穂)

「フューチャーライト」の広告ビジュアルで登場している「ヒラリー・ネルソン」が、ドリームラインを滑走した時のドキュメント映像作品。着用しているのは、今回のインプレッションで着用したものと同じ、登山やクライミング向けハイエンドモデル、サミットシリーズ「FL L5 LTジャケット」。行動中のレイヤリングも気になるところだ

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ライター
北村 哲

登山、スノーボード、キャンプ、フェス、旅好きのフリーライター。プランナー/ディレクターとして、アウトドアやスポーツ関連のカタログ、映像、イベント、アーティストコラボ商品などの企画制作も行う。富士山好きで、吉田口の歴史や登山道に詳しい。

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