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THE FIELD OF HEAVEN 第1回『BCガイド 沼野健輔』

2012.12.26 UP

インタビューされる人:沼野健輔 インタビューする人:林 拓郎

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ため息が出るほど美しい斜面。
しかも全長5km。パウダーヘブンはココだ!

photo:KUWAPHOTO.COM

「ふたつめのガイドがバックカントリースノーボーディングです」

冬の大潮の夜、なんだか心がざわついちゃったら、それは月に体がよばれた合図。そんな晩は熊手を片手に干潟へGO。 太古の昔から受け継がれた狩猟本能を再確認しに出かけましょう!

それそれ。僕らが滑りたいのは自然の雪山だ。整地されていないあるがままの地形を足の裏で感じ取りながら、コースではない斜面に自分の感覚でトラックを刻んでいく。降り積もった雪がスピードにつれて板を押し上げてくる浮遊感や、木立の間をリズミカルに抜ける爽快感。いっかいでもコレを経験したら、もう雪山のとりこだ。

ヌマケンさん、僕らはそういうところを滑りたいんです!と詰め寄ると。

「あ~、それだったらバッチリですね」

ホントっすか!?

「主に登るのは上州武尊(じょうしゅうほたか)。うちではハイク1時間でいけるレベル1から、ハイク4時間のレベル4まで4段階を設定してるんですが。ハイク3時間で行けるレベル3がそういう場所です」

おお!レベル3!! って聞いて、ハイ出た。バックカントリーの現実的な関門、ハイクだ。。要はバックカントリースノーボーディングの場合、滑り出しの場所までは歩いて上がることになる。これがけっこうツライ。まず歩く場所が深雪だ。だからたいていは慣れないスノーシュー、つまりかんじきを履いていくことになる。

さらにスノーボードや昼食、雪崩救助用のショベルを背負ってとなれば、体力的にかなりの負担であることも事実。だが苦しみが大きければ大きいほど、その先にある喜びは大きいのだ。ハイクの先には、歩いて上がった人にだけ与えられる特別なご褒美がある。それは、冬の澄んだ空気だけが見せてくれる、カリンとエッジの立った雪山の景色。冬山登山をする人でさえなかなか見れないような絶景を、バックカントリースノーボーダーたちは日常的に味わっているのだ。涙が出ることさえある感動的に美しい景色の中を滑る。それがどれほどの喜びに繋がるか!

「上州武尊の景色も素晴らしいですよ。レベル3の到着点は見渡す限りダケカンバがまばらに生えた扇形の斜面です。ため息が出るような風景ですよ。そこはかなり広い面なんでそうとう滑り応えはあります。斜面の下には沢が続いてるんで、しばらくは壁遊びの連続。最後は林道を滑って、クールダウンです。標高差1000m、距離にして5kmのパウダースノーを、足がパンパンになるまで滑れます。ホントに人がいない山なんで、ゆったり滑れますし。一日かかって滑った一本を、充実感を持って振り返れるコースなんです」

「もちろん、いきなりレベル3は難しいっていう人もいるでしょうから。レベル1でもじゅうぶんにバックカントリースノーボーディングの醍醐味を味わえるように、良いコースを用意してますから。レベル1に慣れたらレベル2。そうやってこのレベル3を目指して、少しずつ経験を積んでいって頂ければ、安全にいい雪を楽しめると思います」

雨の日が待ち遠しくなる!?
スノーボードの価値観をビッグバン

photo:KUWAPHOTO.COM

だからこそ。バックカントリーツアーに参加するにはお天気がカギだ。が、春先にはせっかく予約したその日に湿雪や、時には雨が降ることもある。

「あ、でも全然心配ないです。実はスノーパーク尾瀬戸倉で、GENTEMSTICKっていうスノーボードブランドのテストセンターもやってるんですけど。このテストセンターに関わることで、僕らガイドの遊び方も、だいぶ視点が変わってきましたね。昔は雨が降ったらスノーボードはお休み、って思ってたんですけど。GENTEMSTICKのターンが得意なモデルに乗ると、雨で雪の締まったゲレンデがめちゃくちゃ楽しいんですよ。もう、刺激的で官能的な深いターンが体験できます。お客さんにも喜んでもらってて、うわ~今日雨だね、ってニコニコしてる人もいますから」

こんなふうに、雨なら雨で遊び方はある。実はスノーボードでいちばん楽しいのは上手い人と滑ること。これまで思っても見なかったライン取りやスピード感、滑り方などに触れて自分の世界が一気にビッグバンをおこす。そのきっかけになるからだ。

「実際、ほとんどのスノーボーダーは滑れるようになると、普通にゲレンデを流すだけになっちゃってるんです。そこに僕らが、こんな遊び方しようよ、こんなところ滑ろうよ、って刺激していく。もちろんお客さんの技術や体力はちゃんと見てます。無理はしないで安全第一。滑りに自身がない人でも、今できることに合わせて提案していきますから大丈夫です」

そう、ガイドは僕らの世界を押し広げてくれる起爆剤だ。上手く、山をよく知っていて頼りになる。そんなスノーボード仲間がいたら、毎週だって山に誘っちゃうでしょ。それと同じコト。ガイドと滑るのは楽しいのだ。 「どんな状況でも任せてください。僕らがこの山で10年間かかって開拓してきたいいポイントを全部、出し惜しみナシに100%出します。それで喜んでもらえるのが一番嬉しいことなんで。絶対楽しませますよ!」

住所:群馬県利根郡片品村須賀川274‐1
電話:0278-20-7052(FAXも)
携帯:080-5032-3596
Eメール:info@highfive-mountainworks.com

ツアー一例:
■GPG
ゲレンデとサイドカントリーを中心に
楽しむワンデーコース。
参加費ひとりあたり:8,500円(リフト券、保険別)
ベストシーズン:1~2月

■BCツアー
広大な自然の山で、
本物の深雪を楽しむワンデーコース。
行き先やレベルに応じて料金が変わります。
参加費ひとりあたり:10,000円~(保険別)
ベストシーズン:3月~5月GW

Q&A ヌマケンさんに7つの質問!

Q1:雪以外の趣味は?─ A:波乗り。実家が茨城の太平洋岸
Q2:フィールドで食って一番美味いものは?─ A:テント泊の晩飯。中でも焼肉!
Q3:朝起きて最初にすることは?─ A:顔洗う。普通でスイマセン。
Q4:好きな本は?─ A:昭文社の「山と高原地図」 ヒマがあると見てます。
Q5:最近見た映画は?─ A:「メリダとおそろしの森」 子どもと見ました。ワクワクした。近所にレンタルビデオがないから、iPhoneでレンタル。
Q6:家でリラックス。その時のお供は?─ A:ハートランドビール、音楽、猫
Q7:フィールド外でシアワセを感じることは?─ A:家族が健康なこと。それと家族が増えたこと。三人目が産まれました。

インタビューされる人:沼野健輔 インタビューする人:林 拓郎

林 拓郎
はやし・たくろう。広島県うまれ。主にスノーボード専門誌で原稿を書くフリーランスライター。自称「雪もの書き」。取材と言い張って柔らかい雪を歩き、滑り、その果てに大笑いし、あとでちょっとだけ原稿を書くスプリットボード好き。夏山よりも冬山の方が圧倒的に好なのは、下りに時間がかからないから。そのぶん、気の済むまで山にいられる。冬の好きなエリアはかぐらスキー場。アフタースノーのメシとして、12-13シーズンのマイブームは「クンパッポンカリー」。もちろんかぐらスキー場の近く、街道の湯の中にあるお食事処「うらじろ」で!

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