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野外フェスを快適に乗り切るための十箇条
2025.07.22 Tue
01.野外フェスは過酷であると心得よ
野外で開催される音楽フェスはとてもピースフルな雰囲気が漂い、だれもが楽しめる場所。ではあるものの、それは、天候の安定しているときの話。そもそも一日のすべてを野外で過ごすこと自体が、現代に生きるわれわれにはめずらしきこと。それだけでもかなり体力を使うのに、雨が降り、風が吹けば、より一層の準備と心構えが必要となる。ステージの端から端まで歩けば、たとえばフジロックなどでは片道4kmほど。たとえ雨風が激しくなろうとも、自分のテントは遥か彼方なんてこともよくあること。野外フェスは過酷である。これを前提としておけば、少しは気持ちも楽になる!?
02.足元の装備を怠るべからず
とにかく歩く。歩いて歩いて歩いてを、覚悟しておく。そのため、足回りの装備にはとくに気を使っておきたいところ。やはり、長距離を歩いても疲れない靴を1足は持っていくべきで、それも防水、できれば透湿機能の兼ね備えたものがいい。山登り用のトレッキングシューズなどは、いい選択肢となるだろう。また、とんでもない大雨の場合には、トレッキングシューズよりも長靴が役に立つ。さらには、長い時間を過ごすことになるテント周りでは、サンダルなどがあればとても快適。歩きやすいトレッキングシューズに長靴、サンダルをセットにして準備をしてみてはどうだろう?
03.雨具は必携品なり
多くの場合、たとえ土砂降りの中でも、大好きなライブが止まることはない。全身びしょ濡れ。もちろん気分はそれで大いに盛り上がっていくかもしれないが、本当にそれで大丈夫!? 長丁場の野外フェスのこと、そのときのノリだけでは切り抜けられぬ。テントからライブに出陣するときは、バックパックの中に必ず雨具を忍ばせておこう。こちらも足回りと同じく、山登りで使える性能のいいものを選びたい。たとえば、ゴアテックスなどの防水透湿素材を使ったレインウェアであれば、雨の中でもより快適に過ごせるようになる。もちろん、価格はお高いけれど、持っていて損はない。
04.飲料水を確保せよ
昨今の温暖化の影響か、標高900m超えの苗場でも暑いときはある。過去にも運よく天候が安定し、期間中に雨も降らなかった年もあったが、そのときは暑さにやられて大変だった。もっと標高の低い場所で開催されるフェスも数多く、そこでは暑さとの戦いとなること必至。熱中症予防には、つねに水分・塩分補給ができる体制を整えておくことが大事。そこで登場するのがマイボトル。サーモスやスタンレー、クリーンカンティーンなど、いまや街の生活でもおなじみのボトルも数多くある。好みのボトルを見つけて、装備に付け加えておくことをお勧めしたい。ビールばっかり飲んでいてはダメ!!
05.寝床は完璧に整うべし
入場ゲートをくぐったら、まっさきに向かうべきはどこ? お目当てのライブの最前線!? 食べたかったフェス飯を買いに走る? いや、まずは乾杯か。どれも正解ではあるけれど、まずは、自分の寝床をしっかりと整えておきたい。キャンプインフェスの場合は、もちろんテントを張ることになるが、このときには“ていねい”に張ることを心掛けて欲しい。必要な本数のペグをしっかりと大地に打ち込む。張り綱はすべてを解いてピンッと張っておく。1本くらい大丈夫だろうではなく、すべてのペグ、張り綱を余すことなく使うこと。もし、これを怠るとどうなってしまうのか……写真のような崩壊の憂き目に遭う。
06.睡眠時間大事
野外フェスが長丁場であることはすでに述べた。長い距離を歩き、ステージで踊りまくり、お腹が空いたらご飯を食べて、仲間たちをビールを掲げる日々。こんな最高の時間はあっという間に過ぎていくもの。もっと楽しんでいたいと思うなら、夜はしっかりと眠ることだ。もちろん人にもよるものの、人間、3日3晩を不眠不休で遊び続けることはできないはず。明日も楽しみたいなら、逸る心を抑えつつ、快適な寝袋に潜り込むべし。風の音を聴きながら、地面のぬくもりを感じつつ、テントで眠るのも楽しいひとときとなる。なんていいつつ、テント内での酒盛りにならないように要注意だよ!
07.体力の回復に備えよ
十分な睡眠がとれているなら心配ご無用かもしれないが、“体力の回復”というキーワードをつねに頭の片隅に置いておいて欲しい。たとえば、ライブの合間には休養の時間をつくるとか(マイチェアに座ってお昼寝)、朝のコンテンツがあるなら進んで参加(ライブヨガでもラジオ体操でも)してみよう。アクティブに動くことで心も体も整えることができる場合もあるでしょう。シャワーを浴びる、湯船に浸かる(オフピークの時間帯が狙い目!!)のも体力回復の一環につながるはず。また、復活アイテムを忍ばせておくという手も。アミノバイタルなどのサプリは便利なもので、栄養のチャージにはもってこい。
08.事前の下調べはOK?
下調べには時間を掛けて欲しいと思う。野外フェスが開催される環境はどんなところなのか。山の上なのか、海の前なのか。標高の高低は? これにより、事前に準備すべきものも変わってくるだろう。また、開催される季節はいつ? 写真は朝霧Jamでのひとコマであるが、雲間から覗く富士山頂にはもう雪が!! 朝霧高原は1,000m近い標高でもあり、朝晩の冷え込みはただならぬものがある。また、ライブのタイムテーブルが発表されたなら、自分だけの時間割をつくっておくのもいい。そのときに遊ぶ時間と休みの時間、お風呂の時間などを考えておけば、敢えて大混みの現場に突入せずにすむ可能性も!?
09.ナニゴトモホドホドニ
ライブの醍醐味はモッシュにダイブ。そう言いたいときもあるものの、何事もホドホドニ。あまりに盛り上がり過ぎてしまって後先考えずに群衆に飛び込めば、そのまま病院送りになってしまうことだってある。ステージスタッフがサポートしてくれていると思うべからず。あれはサポートではなく、ケガ防止のために止むを得ず布陣された戦士たちなのだから。もうひとつのホドホドニは、やはり飲み過ぎ。自分の許容を超えてしまっての大酒は体のためにはならないし、揉めごとの一因に。また、山の上の会場でもしも寝込んでしまったら大変。眠るな〜死ぬぞ。パンパンッ!! と、漫画のひとコマになってしまう。
10.全力で楽しめ!!
野外フェスを快適に乗り切るための十箇条、最後の一条はこちら。ここまでの九つをクリアできたなら、あとは“全力で楽しむ”だけ。開催期間中だけ、夢か幻のように生まれては消えていく野外フェス会場。あの巨大な音楽の桃源郷は、ここに参加した人にしか味わえないいくつもの楽しみに満ちている。せっかくの夢の世界に居るのなら、気力も体力もしっかりと整えて過酷で楽しい野外フェスの現場を乗り切ってしまいたい。この現場を快適に過ごせるかどうかのポイントは、心の準備と装備の充実。ビッグフェスが次々と開催されるこの夏から秋のシーズンをいかにして遊ぶか。Are you ready, OK?
〈Photo by 宇宙大使⭐︎スター, 伊藤 郁, sumi⭐︎photo〉
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