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このバンドってどんな音楽? ジャンル&相関図で探すフジロック25の音楽地図
2025.07.21 Mon
FUJI ROCK FESTIVAL 25 Genre Diagram
今の時代にアップデートされた世界の音楽が苗場に集う。ロック、ソウル、HIP HOP、R&B、ELECTRO、POP、JAZZ、WORLD MUSIC…。音楽のジャンルなんて不要ではあるけれど、あえて今年のラインナップの音楽性をダイアグラムで表現してみた。日本に限らず、世界でもここでしか実現しない音楽の多様性と今日性が、フジロックの大きな魅力にほかならない。

今年の3日間のフェスを俯瞰すると、単なる人気アーティストの集合体ではなく、ジャンル横断的なキュレーションと、国内外の音楽シーンの「今」が交差する場としての奥深さが際立つ。3日間フルで参加する場合、日ごとに異なる音楽的重心をどこに置き、「個々の素晴らしい体験」を遂行できるかが「フェス・オタクの腕」の見せどころである。
初日はFRED AGAIN..やKIASMOS、TYCHOといったエレクトロ~アンビエント勢が圧倒的に強いが、SuchmosやVaundy、KIRINJI、HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTERなどグルーヴィで都会的なバンド、BRAHMANやおとぼけビ~バ~などパンク~ハードコアまで、ジャンル縛りでの選択肢も多い。MDOU MOCTARのサハラ砂漠のトゥアレグ・ロックも刺激的だし、この日の括りでは異色なUSインディの重要人物PERFUME GENIUSも追加された。サウンドを横断しながら、ジェットコースター的な音楽体験ができる。
2日目は、より広義な意味で“ファンク”を堪能できる1日。VULFPECKやEGO-WRAPPIN’、山下達郎らソウル/ファンク~シティポップの重鎮、FOUR TETやBARRY CAN'T SWIM の先鋭エレクトロ、STUTSやdownyの実験性、THE SKA FLAMESやAFRICAN HEAD CHARGEなどの多様なルーツ音楽リズムまで、カテゴライズ以上に密接な「横のつながり」が際立つ。音楽的な深掘りをしたいなら、各ステージの移動で意図的にジャンルを飛び越え、未知の体験を積極的に拾いにいくと、特別な体験や出会いに巡り会えそうだ。
3日目は「これぞフジロック」というフェスのクライマックス=“祝祭感”を実感できる。VAMPIRE WEEKEND、HAIM 、THE HIVES 、ENGLISH TEACHERなどインディ/ロックの強力な布陣が軸となりつつ、羊文学やShe Her Her Hers、DYGLら日本のオルタナ/ロック勢、GALACTICやROBERT RANDOLPHら米南部のファンク、ヒップホップの広大さを改めて実感するCreepy NutsとNujabes Metaphorical Ensemble の2組など、フェスの総決算的な多様性が楽しめる。
〈Text by Hideki Hayasaka〉
〈Construction by Hideki Hayasaka、Fes Echo Editorial Staff〉
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