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宮古島ロックフェスティバル 2025──島人の情熱が生んだ南の島のロックフェス

2025.08.16 Sat

宮川 哲 編集者


 この写真を見て欲しい。中心に写っているのは、ステージを終えたばかりのBEGINのみなさん。その周りにはイベントのスタッフたちが、ステージの向こう側には未だ興奮冷めやらぬオーディエンスが大歓声をあげている。この一体感たるや、感歎のひと言に尽きる。果たしての他のフェスでも、同じような瞬間を見ることができるだろうか。この場にいる全員がひとつになる“熱”こそが、宮古島ロックフェスの最大の魅力である。

 宮古島ロックフェス。地元の人たちは、愛着を抱きつつ“宮ロック”と呼ぶ。このフェスが生まれてから20年が経つ。誕生当初は、音楽好きの青年有志たちが手弁当で集まってできた小さなイベントだった。「島のこどもたちに本物の音楽を聴かせてあげたい」というピュアな想いから生まれたもので、そんな心根はアーティストたちにも伝播していく。いつしか、宮古島のロックフェスに出たい、と言ってくれるアーティストたちが数多く集まるようになった。
島内のほか、石垣や本島からも大勢のウチナンチュが訪れる。もちろん、県外からの来場者も膨らみ続け、宮ロックファンは年々増加中
 過去の出演ラインナップを見ると、細美武士のELLEGARDENをはじめ、ザ・クロマニョンズや東京スカパラダイスオーケストラ、ONE OK ROCKにDragon Ashのほか、THE ROOSTERSまで名だたる日本のロッカーたちが集っている。もちろん地元・沖縄勢も多く、冒頭のBEGINのほか、MONGOL800、HY、ORANGE RANGEなど、この20年の間に数多くの暑く熱いステージが宮古島で繰り広げられている。昨年はなんと、あの郷ひろみまで出演している。

 この宮ロック、じつは順風満帆でもなかった。離島ゆえの開催のむずかしさがある。宮古島といえば、日本を代表するリゾート地。ふだんから多くの観光客で飛行機はあっという間に満席になる。そこにロックフェスの開催である。島外からの足の確保のむずかしさ。さらには、船に頼るしかない機材運搬のむずかしさ。そして、台風銀座でもある南西諸島の地勢的なむずかしさ。もちろん、他のフェス同様にコロナ禍での開催中止もあった。このさまざまな困難を乗り越えつつも、いまなお、地元のメンバーとその仲間たちのみでのイベント制作を続けている。20年も過ぎれば、音楽好きの青年有志もイベントづくりのプロフェッショナルとはなっているのだけれど。
こちらのMIRFの文字オブジェももちろん、スタッフの手づくり。そのクオリティの高さといえば! 会場へのゲートには“Save the Sea Save the Sky”のメッセージが。宮ロックはそのスタート直後から、環境への啓蒙活動も続けている
 継続は力なりで、宮ロックもいまでは、全国的にも認知度はかなり高く、憧れのロックフェスとなった。今年の開催は10月18日。チケットは絶賛販売中である。








MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2025
日程:2025年10月18日(土・本祭)、19日(日・後夜祭)
場所:宮古島コースタルリゾートヒララ トゥリバー地区ヘッドランド特設会場
主催:MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL実行委員会
チケット(予定):前売り9,000円/当日10,000円/学生チケット4,000円(宮古島内限定飯場)
オフィシャルサイト:http://mirf.jp/




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