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青森県・田舎館村の雪に覆われた田んぼに、足だけで描いたスノーアートがスゴすぎる!!

(2017.03.02)

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 青森の田んぼにミステリーサークル出現?! かと話題になった、青森県・田舎館村の2017年「冬の田んぼアート」。青空に映える白いスノーアートと、津軽富士と呼ばれる岩木山との風景がみごとです。このスノーアートを製作したのは、イギリス人のサイモン・ベック(Simon Beck)さん。世界でただひとりの「スノーアーティスト」として、世界中で美しい絵を雪原に刻んでいます。ふだんはフランスでアート活動を行なうサイモン氏は、これまでさまざまな幾何学模様のスノーアートを手がけてきました。

 そして今年、田舎館村は昨年に引き続き、サイモン氏を日本に呼びよせ、メイン会場ではサイモン氏によるスノーアートの制作が行なわれました。テーマは、「LOVERS EMBRACING(恋人たちの抱擁)」。
(Simon Beck's Snow Art Face book公式Facebookページより)
 1つの作品にかかる時間は約6~12時間。その間、黙々とサイモン氏は雪の上をひとり、歩いていきます。コンパスを持ち、スノーシューを履いて、トイレ以外の休憩をほとんどとらず歩き続けること11時間。ついに、スノーアートが完成です。村人によると、サイモン氏は栄養補給にバナナを食べるくらいで、ときには半そで姿になりながら、約40kmを歩いたそうです。トイレに行くときは、模様を壊さないように同じところを歩かなければいけないのが、辛いところだとか……。
(写真提供:田舎館村公式Facebookページ) 
 太陽の光によって陰影がつき、また夕焼けに照らされると鮮やかな色彩が生まれる。そして、雪が降るとあっという間に消えてしまう、「儚い」という言葉も似あう繊細な芸術が、「スノーアート」なのです。
(写真提供:田舎館村公式Facebookページ) 
いつもはひとりで、雪の上と孤軍奮闘するサイモン氏ですが、2016年に初めて来日したときは、冬の田んぼアート開催中に天候が悪くなり、降雪もあったためサイモン氏の描いたスノーアートが見えなくなりました。そこで立ち上がったのが、メンテナンス部隊として集まっていた地元有志たちでした。地元有志は事前にサイモン氏からビギナー講習を受けていたので、その技術を駆使して、一歩一歩雪を踏みしめ、スノーアートを作成しました。
(写真提供:田舎館村公式Facebookページ) 
 そして、この有志集団が、田舎館村の今後のスノーアートを支える「It's OK.」というチームになりました。チーム名は、代表の須藤貴子(SUTO・TAKAKO)さんらとサイモン氏が、「It's OK?」「It's OK!!」と、片言の英語で意思疎通をしながらアート制作を教わったことから、名づけられたといいます。今年の冬は、「It's OK.」とサイモン氏のデザインを融合したコラボアートを制作。サイモンさんが得意とする丸と、津軽伝統の刺子を融合させたデザインです。
  スノーアーティスト集団 「It's OK.」の皆さん・右から2番目が須藤貴子さん(写真提供:スノーアーティスト集団 It's OK.公式Facebook)
 サイモン氏は、スノーアートを地元有志が受け継ぎ、将来もアート制作を続けようと意気込んでくれていることが嬉しいと語ります。サイモン氏のスノーアートは、春が来たら溶けてしまうけれど、その心は青森の雪絵製作者たちによって、熱く引き継がれていくことでしょう。
 来年の冬は、地元有志の冬の田んぼアート展が見られる予定です。冬はスノーアート、夏は緑のグラデーションも美しい田んぼアート。青森県・田舎館村は四季を通じて「アートの村」です。(写真提供:田舎館村公式Facebookページ) 

●お問い合わせ
青森県田舎館村 企画観光課
〒038-1113 青森県南津軽郡田舎館村大字田舎舘字中辻123番地1
TEL:0172-58-2111(代表) FAX:0172-58-4751 
(2017年 夏の田んぼアートは6月初旬から10月中旬まで開催予定)

アクセスはこちら 
http://www.vill.inakadate.lg.jp/

 
 
ライター
Hochi Naomi

年間150日は野外で過ごす元祖・肉食系自然派ライター。シーカヤック歴は23年、世界一周ヨットに3年連続便乗取材中。狩猟免許と看護師免許を持ち、最近はトレイルランニングにもはまっている。著書に「タムタムアフリカ」(山と溪谷社)ほか。

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