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名は体をあらわす? 日本初上陸のラバーブーツ「エクストラタフ」。その性能を雪山で実験
2021.02.15 Mon
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
昨年の秋、某イベントで展示販売されていた「XTRATUF(エクストラタフ)」という日本初上陸のラバーブーツ。たまたまそこに居合わせた小雀陣二氏におすすめされて、購入しました。
その日も小雀氏はXTRATUFを履いていて、自身が履いている物はアラスカで購入しそれから長らく愛用されているものだとか。アラスカのカニ漁やサーモン漁の漁師さんたちがこぞって履いているらしく、アラスカンスニーカーとも呼ばれ、濡れず、滑らず、その名のとおり“超タフ”なのだそうです。
どれくらい超タフかというと、素材のラバーが100%ウォータープルーフなのはもちろん、エンジンオイルなどへの耐油性、魚介類の内臓から発生する酸性物質や腐食物質にも耐性があり、劣化もしにくいのだとか。まさに漁師仕様。
画像提供:フォアマン
同ブランドのウェブサイトには、「XTRATUF Anthem」という動画もありました。
荒れ狂うベーリング海の漁場で働く漁師さんたちの絵力(えぢから)もかなり強烈。「Alaska Proven(アラスカに証明された)」といキャッチコピーも説得力があります。
私自身はそこまでタフな使い方はしないまでも、キャンプや野外フェスの現場などで働く身としては、ぬかるんだ地面や水たまり、それに凸凹の山道、滑りやすい岩場も歩くことがあります。それに、ブーツ自体の色やフォルムもかっこいい。これは買いだなと即決したのです。
私が購入したのは、レガシーブーツというシリーズの6" Plain Toe Low Cutというショートブーツタイプ。このほかに12"、15"の長靴タイプがあります。
あいにく、当面フェスの現場も、雨のキャンプもなく、クルマのトランクで数ヶ月眠っていたのですが、「濡れず、滑らず、超タフ」というこのブーツの性能をどこで体感しようか……と思っていたら、ありました! スキー場です。
本来ならウェーダーとの組み合わせがベストかもしれませんが、デニムとのコーディネートも相性いいです
使用した日は前日の夜から降り始めた雪が朝までに30cmほど積雪。除雪されたスキー場の駐車場内でもくるぶしぐらいの新雪がさらに積もっていました。この日の気温は朝8:00で氷点下の−5℃。新雪の中は問題なく歩けます。滑る心配もまったくありません。
日中気温もややゆるみ、帰る頃には+1℃ぐらいになっていました。クルマのタイヤや人の足で踏み固められた駐車場はところどころがアイスバーン。しかも少し解けはじめて一番滑りやすい状況です。さぁ、実力のほどは……?
さすがに滑ります。が、ツルツル滑るというよりは少し粘りつく感じの滑り具合です。スノーボードブーツと比較しても滑りにくい印象です。アウトソールがいい仕事をしてくれているのでしょう。ちなみに本国にはさらに滑りにくいレガシー2というタイプもあるみたいです。
あとは寒さに対してですが、ラバー自体は硬化したような印象は受けませんでしたが、やはり冷たさを感じます。特殊なネオプレーン素材を使用しているとはいえ、インサレーション入りのスノーブーツと比べたら暖かくはありません。本国には−20℃ぐらいまで対応するというインサレーション付きのバージョンもあるらしいので、雪山で履くならそちらのタイプの発売を待ちたいですね。
内側にはナイロン系のライニングが施されていて、ソックスを履いていればスムーズに脱ぎ履きもできて、履き心地もまずまず。個人的にはインソールはサードパーティのものに入れ替えたいかなと感じました。
今後、このブーツを雪山に履いていくかどうかは別として、スタイリング的にも履き心地的にもかなり気に入りました。今年の雨の現場ではこいつが活躍してくれることは間違いありません。
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フォアマン https://www.foreman.co.jp/xtratuf/