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フジロック24はこれを見なきゃ、最終日(7月28日)編 アメリカの伝統継承に酔う。
2024.07.24 Wed
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
24日(水曜)夕方での苗場の天気予報は、金曜が晴れ時々曇りで土曜日曜は曇り。いずれの日も最高気温は29度くらいで最低気温は18度。雨は降るだろう。夏の日差しが降り注いで暑くなり過ぎるわけでもなく、雨が振り続くわけでもない。フジロックを楽しむには、絶好の天候と言えるかもしれない。もちろん山の天気は変わりやすいので、どんな天候になっても問題ないように準備は万全にしなければならないけど。
徐々に体力が減っていくなかで、それでも遊び倒したいと思ってしまう最終日。レッドマーキー、クリスタルパレス、岩盤スクエアでは月曜の朝5時まで音楽が紡がれていく。「終わらない」こと、最後まで遊びつくせることもフジロックの大きな魅力だ。
THE ALLMAN BETTS BAND
July 28 (Sun) 21:00-22:30 FIELD OF HEAVEN
今年のフジロックで、個人的に一番体験したいバンドがオールマン・ベッツ・バンドだ。フロントのギター&ボーカルのふたりはデヴォン・オールマンとデュアン・ベッツ。その名前を見たら、ロックファンは「懐かしい名前」と受け取ると同時に「もしかしたら?」と期待してしまうだろう。そう、オールマン・ブラザーズ・バンド(オールマンズ)のグレッグ・オールマンとディッキー・ベッツの息子たちだ。父親のふたりは60年代後半のオールマンズ結成時からバンドの音楽性を築き、アメリカを代表するサザン・ロックバンドとして君臨していった。ディッキーは2000年に脱退。以降、仲たがいがあって、同じステージに立つことはなかった。多くのファンが望んでいた再集結が、息子たち世代によって蘇る。
ライブではそれぞれのメンバーのソロ活動での楽曲のほか、オールマンズの人気ナンバーも演奏されるはずだ。アメリカの正統的なロックを浴びる時間になるだろうし、それが奏でられる場所として、やっぱりヘブンがうってつけだ。
CELEBRATION OF THE METERS
July 28 (Sun) 19:00-20:10 FIELD OF HEAVEN
オールマン・ベッツ・バンドのひとつ前に登場するのセレブレーション・オブ・ミーターズ。ニューオーリンズ・ファンクの代表的なバンドであるミーターズのオリジナル・ベーシストのジョージ・ポーター・ジュニアを中心に、ダンプスタファンクのメンバーであるアイヴァン・ネヴィル、トニー・ホール、イアン・ネヴィル、デヴィン・トラスクレアをフィーチャーした特別なセッションになるという。
ミーターズのメンバーが中心になってのちにネヴィル・ブラザース(ネヴィルズ)が結成されるのだが、アイヴァン・ネヴィルとイアン・ネヴィルはネヴィルズのメンバーの息子たち。アメリカ音楽の継承がここでもステージで表現される。
ESNE BELTZA
July 28 (Sun) 12:40-13:30 WHITE STAGE
ヨーロッパの民族性をロックとして展開するバンド。伝統的であり革新的であり熱狂的なバンド。そんなフジロックならではのアーティストと言えるのが、バスク出身のエスネベルサだ。
2009年に初来日してフジロックにも出演。その時はオレンジコート、カフェドパリ、木道亭でパフォーマンスを行った。どんな状況でも、どんな空間でも、自分たちの演奏で熱い渦を生み出していく。世界中をツアーしてきたこのバスクのバンドは、今回のツアーの終了後に解散することが発表されている。土曜深夜にクリスタルパレスでのライブも発表されているが、ホワイトでのライブで多くのファンとともに彼らの音楽で騒ぎたい。
250
July 28 (Sun) 25:00-26:00 RED MARQUEE
250と書いてイオゴンと読む。韓国のポンチャック(日本の歌謡曲と演歌のミックスのようなもの)のルーツを探求しながら、それをダンスミュージックとして昇華させてきた。自身の音楽だけではなく、世界の音楽シーンを席巻しているガールズグループ、NewJeansの楽曲プロデュースを手がけたことで、世界から注目を集める存在になった。
日曜の未明。グリーンなどのライブが終わった後のサンディセッションで、多くのファンがイオゴンから放たれる音を楽しんでいる光景が目に浮かぶ。
FUJI ROCK FESTIVAL ’24
開催日:2024年 7月26日(金)27日(土)28日(日)
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
https://fujirockfestival.com/
フジロックコンシェルジュ、今年も木金土の深夜に開催!
木曜・金曜・土曜の三夜。キャンプサイトのよろず相談所前で、ひそかに行なっているのが「フジロックコンシェルジュ」。「明日のフジロックはこう歩け!」をテーマに、音楽に精通する専門家やフジロックに出演しているアーティストを招いたトークライブです。翌日のタイムテーブルをモニターに映しながら音源やPVを聴き、それぞれがどのステージに行くかをクイズ形式で解説。当たると豪華アウトドアグッズなどが当たるという隠れた深夜のコンテンツです。
ゲスト:津田昌太朗、奥浜レイラ、佐藤タイジ、古川琢也(NME Japan編集長)、菅野結以、bobin&kotang、早坂英貴