日本のアウトドアシーンに浸透する北欧デザインのウェア

　家具などの生活用品では北欧デザインのものが以前から日本で人気ですが、ここ数年急速にフィールドでも北欧からやってきたアウトドアウェアが人気を集めています。

　北欧ブランドのアウトドアウェアの特徴は、フィールドでの実践に裏打ちされた機能性や、美しいシルエットといったデザインも去ることながら、忘れてはならないのが印象的な色使いです。ハっとするほど鮮やかで、ときに斬新な組み合わせを持つカラーリングは、実際に遠くで歩いている人を見ても“それ”と分かるほど。一説によると、北欧特有の明るくポップな色使いは、自然環境も一因しているのだそう。冬の間厳しい寒さや雪によって閉ざされた環境こそが、温かみがあり、あるいは気持ちが明るくなるようなデザインをもたらすとも言われています。

　その分、ゴテゴテとかざりを施し重い味付けにするのではなく、デザイン自体はあくまでシンプル。ギリギリ必要とされるわずかな意匠を、よいバランスで凝らすことが北欧デザインのなせる技でもあります。主張するところは主張しながらも、控えめであることを美とする日本だからこそ、より受け入れられたのかもしれませんね。

　さて、昨年の冬、大阪・梅田に新しくオープンしたアウトドアセレクトショップ「FM UPLAND（フルマークス・アップランド）」は、北欧のアウトドアウェアブランドが勢ぞろいする店舗。スウェーデン発のPeakPerformance（ピークパフォーマンス）やHOUDINI（フーディニ）、SAILRACING（セイルレーシング）、ノルウェー発のNORRONA（ノローナ）といった北欧ブランドの製品が、ところ狭しとディスプレイされています。

　本格的な登山シーズンを目前に、店内はいよいよ充実のラインナップ。洗練された北欧デザインに“着られる”のではなく、しっかりと“着こなせる”よう、よいシーズンを送りたいものですね。