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【やってみた】立った瞬間が超快感! 石積みアートしてみた

2015.07.31 Fri

渡辺信吾

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

 ロックバランシングアートをご存知でしょうか? バランスを取りながら石を積み上げるという、実に単純明快にして誰でもできるアートです。しかも、すぐにはじめられて、お金もかからず、精神的な満足度や達成感を得られる、今オススメのアウトドア遊びです。こちらの写真は私がつくったものですのでたいしたことはありませんが、「ロックバランシング」でググってみるとすんごい作品が多数表示されます。日本では石花(いしはな)とも呼ばれているようです。言われてみると確かに生け花のよう。

 先日のフジロックの最終日はド快晴で、日差しの下にいるとクラクラするほどの暑さでした。会場に沿って流れる浅貝川の河原には、音楽と日差しでアツくなったココロとカラダをクールダウンしようと大勢の人たちが集まっていました。かくいう私もその一人。こどもたちが賑やかに水遊びしているエリアから離れ、少し遡上して静かな木陰の川っぺりに陣取りました。両足を川に浸しモヒート片手にホワイトステージから流れるトッド・ラングレンを聴きながら、ぼーっと浅貝川の清流を眺めていました。そんな時ふと思い出したのが、いつぞやテレビで見たロックバランシング。無性に川の石を拾って積んでみたくなったのです。

 ロックバランシングは、安定感のいい石を選んで積むのではなく、むしろ不安定な角度や大きさの組み合わせでバランスを取って積むのです。そうすることで積み上がったときに「アート」が生まれます。例えば一番上に大きな石をもってきて、その下には小さな石を噛ませたり、縦に積んだり、自然には生まれることのない造形美を生み出すのです。

 能書きはともかく、3、4個の石を両手で持って、ぐらぐらさせながら倒れそうになる方向と逆方向に石をコンマ数ミリずつずらして行きます。5、6分そんなことをしていると……、なんということでしょう! ある1点で石がピタリと動かなくなるではないですか。「キタ」とつぶやき、そーっと手を離します。見事にバランスの取れた石が、揺らぐことなくピタッと収まっています。その刹那、脳内でエンドルフィンだかドーパミンだか快感とか幸福感とかを司る物質が分泌されたのをはっきりと自覚しました。

 もうこうなると、2つめ、3つめとチャレンジしたくなります。あとは、できるだけ立ち姿が美しくなるような組み合わせとか、写真を撮るにも一番美しく見えるアングルとか、どんどんこだわりたくなってきます。川の水は5分も足を浸していると痛くなるくらい冷たいのに、そんなことも忘れるほどの集中モード。「あ、そろそろシナロケがはじまっちゃう」と気づいてやめましたが、予定がなければ延々やってたんじゃないかと思うくらいです。私の積んだ石はアートと呼べるほどの出来映えではありませんが、それでも愛おしい作品です。壊すのは忍びなくてそのまま置いて来ました。自然に対してはノーインパクトですからね。

 もし夏の遊びベストテンがあったら、間違いなくトップ3にランクインするであろう川遊び。「きゃーきゃー」いいながら水をかけあったり、「押すなよ、押すなよ」とかフリを入れながら服を着たまま水に落とされるのも楽しいですが、心静かに川石と向き合うのもまた一興です。この夏、川辺に石の花を生けてみませんか?

(文・写真/渡辺信吾)

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