- フェス
なぜ野外フェスだったのか。初開催されるSOUND VACATION(静岡)とRural Act(熊本)のそれぞれの理由。
2025.10.03 Fri
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
今年、「フェス」と呼ばれるものは、いったいどのくらい開催されるのだろう。500? あるいは1000? コロナ以前よりも、確実に増えているように感じている。酷暑だった夏でも、日本のいたるところでフェスは開催されていた。フェスと呼ばれていないマルシェやマーケットなどでもライブやDJなどの音楽コンテンツがプラスされ、「これってフェスじゃん」って思えるものも数多く存在している。フェスの多種多様化。
いっぽうで、キャンプインフェスの人気がやや下降線に入っているという実感もある。長く開催されてきたものの、継続を見送ったキャンプインフェスもある。個人的には、キャンプインフェスこそフェスの本質なのだと思っているが、いろんなアーティストがラインナップされたショーケース的なフェスが人気を集めている。
今年、「フェス」と呼ばれるものは、いったいどのくらい開催されるのだろう。500? あるいは1000? コロナ以前よりも、確実に増えているように感じている。酷暑だった夏でも、日本のいたるところでフェスは開催されていた。フェスと呼ばれていないマルシェやマーケットなどでもライブやDJなどの音楽コンテンツがプラスされ、「これってフェスじゃん」って思えるものも数多く存在している。フェスの多種多様化。
いっぽうで、キャンプインフェスの人気がやや下降線に入っているという実感もある。長く開催されてきたものの、継続を見送ったキャンプインフェスもある。個人的には、キャンプインフェスこそフェスの本質なのだと思っているが、いろんなアーティストがラインナップされたショーケース的なフェスが人気を集めている。
そんな状況にあって、今年秋に初開催される野外フェスもある。静岡県裾野市のキャンプ場が会場の「SOUND VACATION」と熊本県人吉市の公園で開催される「Rural Act」。なぜフェスを開催しようと思ったのか。ふたつのフェスのそれぞれの理由とは?
SOUND VACATIONの場合。

「ラジオという音楽コンテンツに興味があったんです。ご縁があってShibuya Cross-FMに出演させていただいて、あらためてラジオっていいなって思ったんです。そんなことを思っていたときに、『枠が空いた』という噂を聞きつけて。自分たちでラジオ番組を持つことになったんです」とSOUND VACATIONオーガナイザーの岩熊俊介さん。
ラジオ番組をスタートさせるにあたって、番組の柱として出てきた案が「番組でフェスを作ること」。そして番組のゲストとして、フェスに携わる人を呼んで、そこからフェスのアイデアや人脈を広げていったという。
このラジオ番組「めざせ!キャンプフェスRADIO」がスタートしたのが2023年4月。2年半という時間をかけて、SOUND VACATIONが初開催される。
このフェスの特徴は、キャンプインフェスでありながら初日と2日目のテーマを別にしているところ。1日目は「フィール・フリーデイ」で2日目が「スマイル・マジックデイ」。ライブをフィーチャーしている1日目に対して、2日目は家族で楽しめるコンテンツが多い。フェスの楽しみ方はひとつではない。そんなことを味わえる週末になるはずだ。

SOUND VACATION ’25
開催日:10月4日(土)〜10月5日(日)
会場:大野路ファミリーキャンプ場(静岡県裾野市)
出演:
10/4 FEEL FREE DAY
RAMPO、鎮座DOPENESS、スチャダラパー、韻シストBAND、ASOUND、NOVEL VINTAGE 、眞名子新、さらさ(Solo Set)、Swagcky、荒谷翔大(Solo Set)、arigatoMMY
10/5 SMILE MAGIC DAY
SMILE JAM SESSION(フルヤトモヒロ、たなかみどり、地元ダンスチーム)、 FUJIBASE、nobodyknows+ 、高橋洋子、LOWBORN SOUNDSYSTEM、HELLO KITTY、おかもとえみ、HAPPY VIBES YOGA、TheWorthless
Rural Actの場合

熊本県南部に位置する人吉球磨。5年前の令和2年豪雨で、甚大な被害を受けた地域だ。全線が運転運休となったくま川鉄道は、翌2021年に一部が運転再開されたものの、今も人吉駅〜 肥後西村駅間では代替バスが運行されている。
「被災直後の街を見たときに、『このままでは本当にまずい』と強く感じ、復興に向けて活動する町づくり会社を設立しました。活動のキーワードは『持続可能』です。まずは『人吉という地域がある』という認知度を全国に広げることに注力することにしました。その手段として選んだのが『観光』です。私たちが大切にしているのは『何を伝えるか』ではなく『誰が伝えるか』という視点です」と実行委員会メンバーの北貴之さん。
人吉球磨の復興と、町の名前を広げるためのフェス。人吉に遊びに来てもらいたいという思いと人吉球磨の地域への人たちにライブを楽しんでもらいたいという思いが、このフェスに込められている。
「テレビ露出や知名度は度外視して、純粋に『本当にカッコよくて素敵な音楽』を奏でてくれる方々にオファーしました」と北さん。
ワンデイのフェスではあるものの、会場から徒歩で5分の中川原公園でキャンプすることも可能だ。市街地にある河原の公園でのキャンプは、かなり貴重な体験になるはずだ。

Rural Act ‘25
開催日時:10月11日(土)11時〜19時
会場:人吉城跡ふるさと歴史の広場(熊本県人吉市)
出演:イシイモモコ、思い出野郎Aチーム、奇妙礼太郎、TENDRE、チャラン・ポ・ランタン、YOGEE NEW WAVES、DJダイノジ、DJやついいちろう、KiLa、ニシダ(ラランド)、福留光帆
※Rural act’25に合わせ、中川原公園にてキャンプサイトを実証的に限定開放。Rural act’25参加者のみがキャンプ可能。大自然に囲まれた球磨川沿いの公園で、音楽とともに特別な一日を過ごすことができる。
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