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コールマンの「ファイアーディスク」から「いい焚き火台」を考える

2020.02.06 Thu

藤原祥弘

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

 最近(といってもこの数年に)登場した焚き火台のなかでの、個人的なヒット作がコールマンのファイアーディスクだ。このファイアーディスクを見本に「いい焚き火台」について考えてみたい。


いい焚き火台って、何だ?

 焚き火台の使用目的は大きく分けて4つある。ひとつ目は火の鑑賞用、2つ目は調理のための台として、3つ目が地面を焼かないためのスペーサーとして。多くの焚き火台がこの3つの機能を兼ね備えるが、軽量級ほど観賞用としての要素が強くなり、重量級は調理台としての機能が充実してくる。焚き火台の自重そのものには意味がないから、もしも両立できるのなら、軽量で安定感が高く、地面を焼かない焚き火台ほど、いい焚き火台といえるだろう。

 そして、残る4つ目の目的が「方便要員」としての機能だ。要は直火禁止の場所で焚き火をするための言い訳である。そんな形ばかりの方便焚き火台には、キャンプサイトへの配慮はない。地面をガンガン焼いていく。キャンプ場は地面への負荷を軽減したくて焚き火台の使用を求めている。芝を焼くような状況では、こんな焚き火台は使用を慎みたい(というか、地面を焼くストロングスタイル系が迷惑をかけない状況は、直火OKの場所しかない。そもそも存在する意味のない道具だ)。

 上記の使用目的に加えて、展開と収納のしやすさ、掃除のしやすさなどが選ぶ際の指針になるだろう。組み立てが複雑だったり、使用後の処理が煩雑なものはストレスフルだ。

 これらを整理すると、軽量かつ堅牢で、調理しやすく地面を焼かず、展開&収納&掃除が楽。というのがいい焚き火台の条件となる。


ファイアーディスクをチェック!

 それではファイアーディスクを「いい焚き火台」の観点から見てみよう。収納時の厚みは8.5cm。板状のプレートを折りたたんで収納するタイプよりは嵩があるが、どうせ焚き火をするなら手袋やトング、斧なども携行するのだ。これらの道具を凹部に収納すると思えば、デッドスペースの大きさは気にならない。付属するケースはゆとりがあり、出し入れもしやすい。

 メーカーが公表する重量は約1.6㎏で耐荷重は約30㎏。耐荷重に対して自重は十分軽い。聖火台(?)っぽい形で、火の鑑賞もばっちりだ。焚き火台を中心に全方向へ熱を放つので、暖もとりやすい。ひとつ難を言えば、展開時の最低地上高が約15cmと若干高さが足りない。芝生のサイトで長時間火を燃やす場合は、脚の下になんらかのスペーサーを入れたほうがいいだろう。

 調理面では専用の金網が活躍する。上面の4/5程度を覆える網は焼き台として十分な広さがあり、火床に近いので少ない炭でも調理ができる。

 炭を使う際には、ファイアーディスクの構造も有利に働く。底面が通気口のない1枚のプレートなので、薪を密に組んで燃焼させると簡単に熾を作れるのだ(酸素の流入が少ない状態で燃やすと、炭ができやすい)。炭を買わずに、薪を現地調達して調理をするスタイルの人は、最初に薪を積んで火を焚き、できた熾をならして使うとよいだろう。

 脚の展開方法も至極簡便。脚を握ってカチャカチャカチャっと開くだけだ。メーカーのサイトには「3秒設営」とあり挑戦してみたが、3秒の壁は厚かった。常人なら作業時間はおよそ15秒。3タッチで展開・収納できる。それでも、ほかの焚き火台と比べれば格段に簡単だ。

 展開後の脚はしっかりロックされるので、焚き火を移動したい時は脚を持って移動できる(ただし、脚を強く握りすぎるとロックが外れるので要注意)。細いフレームを使った焚き火台や、地面に脚が接触していることで形が保持されるタイプではこうはいかない。底面は1枚のプレートなので、燃え残った灰が地面に落ちず、始末の際に炭や灰も捨てやすい。


ファイアーディスク、いい焚き火台じゃないか

 上記のとおり、ファイアーディスクはとてもよくできている。軽く、丈夫で、設営しやすく、掃除も簡単。本体の形状もスマートで、直火のような感覚で焚き火を使える。しかも定価は7,000円以下。安い店なら5,000円ちょっとで入手できる。担いでいくにはちょっとかさばるけれど、オートキャンプ用だと考えれば軽さと扱いやすさが際立ってくる。また、構造がシンプルで軽いということは、製作に必要な資源や加工が少ないことの表れでもある。焚き火台としてバランスのとれた1台だと思う。

コールマンファイアーディスク
●使用時サイズ:約φ45×23(h)㎝
●収納時サイズ:約φ46×8.5(h)㎝
●重量:約1.6㎏
●材質:ステンレス
●価格:6,980円(税込)

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