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【んoonインタビュー】ルーキーから7年での帰還。唯一無二の世界観が苗場に響く。
2026.07.19 Sun
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
キーボード、ベース、ハープ、そしてボーカル。唯一無二の編成で注目を集めるバンド。2019年のルーキーから7年。ついにフジロックへの帰還を果たす。この時間に深く重なっていった音世界が苗場で放たれる。

–––– まずフーンをはじめたきっかけからお聞きしたいのですが。バンドの編成としては個性的ですよね。
積島 もともとフリージャズとか即興のフィールドで演奏していたんですね。普通に演奏するバンドをやってみようかってふと思い立って、即興界隈で知り合っていたウエスさんと江頭に声をかけたのが、そもそものスタートです。
–––– それが何年くらい前のことなのですか。
積島 2014年なんで12年前ですね。2年くらいドラムなどのリズムの人に協力してもらいながらやっていて、「ボーカルが見つかったかも」とウエスさんが言って、連れてきたのがJCだったんです。
–––– 即興シーンでハープはなかなかいないと思います。
ウエス 小さな頃から習いごと程度にやっていたんですね。15歳くらいの頃にビョークを聞いて衝撃を受けて。ビョークにハープで参加していたジーナ・パーキンスにめちゃくちゃ興味がいって。その後、エレクトロとハープの組み合わせに惹かれていた頃に積島さんとも出会って。
–––– 最初に4人で演奏したときの感覚ってどんなものでしたか。
積島 最初にスタジオに入って4人で合わせてみて、録っていたものを聞いたんですね。そしたら「ふーん」っていう感じがして。その「ふーん」がバンド名になって。やりたいことがあるようでないようで。はっきりとした手応えはないんだけど、逆にそれが良かったんだと思います。
ウエス 3人のときは小難しいことをやろうとしていた感じはありましたね。複雑なことをして、間違い探しをしているような。JCさんが入って、楽しい方向性を素直に探れるような感覚はありました。
–––– JCさんが入ったのは何年?
JC 知り合ったのは2016年。そして2018年に最初のEPをリリースしたんです。

–––– フーンは2019年にフジロックのルーキーアゴーゴーに出演なさっています。
積島 JCが入ったことで、だんだんとフーンの曲も増えていった。ごく自然に、ライブをしたりレコーディングしたくなっていったんです。それで2018年にEPを出したことで、いろんなリアクションをいただいたんです。「次も作ろうぜ」ってなって2019年にもEPをリリースして。それと同時にフジロックのルーキーにも応募して。
–––– バンドとしての目標のひとつとしてフジロックがあったのですか。
積島 ライブを重ねることで、自分たちへの自信が大きくなっていったんですね。周りか
らの評価も上がっていった。どんどん大きなステージに行きたいよねって話しているときに、その大きなステージとして一番に思いついたのがフジロックだったんです。
JC 私は音楽ファンとしてフェスに遊びに行ってたんですよね。メタモルフォーゼとフジロックが本当に好きで。環境がハードコアにも関わらず楽しい。野外で爆音で聞けるっていうのは本当に天国だなって思ってて。みんなで音楽を作っていたら、チャンスをいただいてルーキーに出た。ルーキーに出たら、やっぱり次はメインに行きたいよねって。
積島 翌年にはフジのメインに出るものと勝手に思ってましたから。
–––– 「目指すはメインステージ」ですね。けれど2020年はコロナによってフジロックが開催されなかった。そして今年、ルーキーから7年後に出演が決まりました。この時間って、フーンにとってどんな時間でした?
ウエス 本当にいろいろありました。
積島 しなやかさを試された気がしますね。
JC 自分たちにとってバンドは、「なんでも話す仲良しの延長」というよりは、趣味も価値観もバラバラな人たちが、音楽を介して集まってる場所で。 だからライブは、お互いに何かを確かめ合うための、すごく大事なコミュニケーションの場。その機会が失われたコロナ禍の期間は、正直きつい瞬間も多かったです。徐々にスタジオもライブもできるようになった。それって本当に恵まれていることなんだなって、改めて思ってます。
積島 バンドのなかでの関係性はどんどん前進していると思います。仲がいいとか悪いとかではなく、ある部分では尊重し、ある部分では否定する。そんな引き出しは増えているような気がします。次のフジへの出演にあたっては、ルーキー出演時の勢いというか熱さで出たかった気持ちも残ってますけど。その時点では生まれていなかったフーンの曲も多くなっているし、自分たちの進んでいく方向性は、よりはっきりしてきているし。その意味では、この7 年という時間は必要だったのかもしれないですね。
–––– ライブとスタジオで制作された音源は、どんな違いがあります?
積島 メンバーの認識のなかでは、ライブとスタジオ音源は別物なんですよ。スタジオ音源は、再現性を考えずにやばいことをしようっていう。
–––– ライブの音はかなり変わっていくということ?
積島 最初の頃は音源とライブをあまり変えずにやってたけど、ライブを続けていくと、どうしても飽きちゃうんですね。だから、ここをアレンジしちゃおうぜとか進んでいってしまう。それってある種の癖で。今のライブは「乗れる、叫べる、踊れる、楽しめる」ってことに振り切ってリアレンジする流れになってますね。
–––– 最後に今年のフジロックへの抱負を聞かせてください。
積島 いつも通りに演奏したいと思っています。そのいつも通りっていうのが、一番ヤバいはずですから。動かざるを得ない、叫ばざるを得ない演奏をシンプルにぶちかまします。
江頭 自分のなかで準備をしっかりして楽しみたいと思います。ステージからの景色だったり、自分たちの演奏だったりを覚えていられるように。いつの間にか終わってしまっていたではもったいないので。
ウエス 見てくれている人も、ステージの私たちも、全員が踊れるように頑張ります。
JC 「もう最高でした」って話しておきます。過去完了形で話しておくと、それが実現するって聞いたから。
〈photo by Daisuke Hayashi〉
2014年にウエスユウコ(ハープ)、江頭健作(キーボード)、江頭健作(ベース)のインストゥルメンタル編成でスタート。2016年にボーカリストJCの加入を境に、ノイズ、フリージャズ、ヒップホップ、ソウル、パンク、クワイア、エレクトロなど、あらゆる音楽のエッセンスを散りばめたサウンドを鳴らすバンドへと進化。2018年にファースト EP『FREEWAY』をリリース。2019年にルーキーアゴーゴーに出演。2026年4月にセカンドフルアルバム『Zoo』を発表。
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