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【山ヤの子育て】番外編・ベビーキャリアで安全快適な親子登山をはじめよう!

2019.10.01 Tue

まつだ しなこ 子連れハイカー

1歳児の自己主張が止まらない!

 娘が生まれてから、あっという間に1年がたった。

 二本の足で歩くことができるようになると、急に感情表現が豊かになり、自己主張が強くなってくるから不思議だ。気にいらないことがあると首を横に振って「イヤイヤ」をするし、ほしいものがあると指をさして要求する。そして、ついこの前までおっぱいを吸っていたくせに、いまや自分が行きたい方向があると、つないでいた母の手を力いっぱい振り払ってわが道を行こうとする成長ぶり。

「自分で道を切り拓いてほしい」なんて、いい親っぽいことを口にしてみるものの、心のどこかではいつまでもお母さんと手をつないでいてほしい気もしている。

 おとなしく背負われて山を登るのはもうあと数回かもしれない……。そう思うと、わが家の山道具部屋でいまかいまかと出動を待っているベビーキャリアが、なんとも愛しく感じてしまう。

父の英才教育の甲斐もあり(!?)、岩を見ると登りたがるようになった。「三点確保だ!」なんて声かけする、山バカ夫婦。

 酷暑を乗りこえたいまが、親子登山に挑戦しようと考えているパパママにとってもいい時期だ。今回は親子登山に興味があるパパママたちに、親子登山の必須アイテムであるベビーキャリアについて紹介したいと思う。


子どもの安全を考えるなら、絶対必要なベビーキャリア

 自分で長距離を歩ききれない2〜3歳くらいまでの親子登山に欠かせないのが、ベビーキャリア。抱っこ紐で登山している人もときには見かけるが、安全面からも利便性からもベビーキャリアの使用をオススメする。

 ベビーキャリアは腰が据わった生後9ヵ月前後から、3歳くらいまでの乳幼児を対象にしており、予期せぬ動きをする子どもを複数のハーネスでしっかり固定し、さらに多少の衝撃から直接のダメージを軽減できるようにクッション性も考慮されている。

モンベルのベビーキャリアは計6ヵ所のハーネスがあり、背負っている大人が左右に大きく揺れてもしっかり子どもを固定してくれる。

 このベビーキャリアのすばらしい点は男女共用ということだろう。背面長をかんたんに調整できるので、パパとママが交代で背負って登れる。私も体力的に一人で背負うことができないときは、夫に交代してもらいながら親子登山を楽しんでいる。

 また、自立式で子どもをベビーキャリアにのせたまま地面におろすことができるのも大変便利だ。サッとおろして小休止をとったり、アウターを脱いだりすることがスムーズにできる。

娘はいま、体重10㎏をこえているが、そんな娘が前傾姿勢でもたれかかってもしっかり自立して倒れない。

 難点は、しっかりしたフレームが入っているため重いことである。わが家で愛用しているモンベルベビーキャリアは、本体の重さが2.2㎏なので、1歳の子ども(体重10㎏)を背負うと荷物もあわせて13~15㎏になる。ちょっとしたテント泊装備並みだ。親子登山をきっかけに山デビューを目論んでいるビギナーのパパママには、ストックの携帯を強くおススメする。多少は体への負担が軽減されるだろう。


ベビーキャリア登山をもっと便利に快適に。おススメグッズ

①ドリンクホルダー
 私たちの使っているモンベルのベビーキャリアにはドリンク用のサイドポケットが付いていない。かといって、水分補給のたびに収納スペースからペットボトルを取り出すのも面倒だ。そこで、ショルダーハーネスにドリンクホルダーをつけている。

自立のためのフレームが左右にあるので、サイドポケットがつけられない。

サンシェード
 特に、夏場に子どもの快適さを追求する場合、サンシェードは欠かせない(モンベルのベビーキャリアは別売)。わが家の娘は、髪の毛がないせいでチクチクするのか帽子をとても嫌がる。隙あらば脱いで、しかも遠くに捨てようとする。サンシェードでしっかり日よけできれば、赤ちゃんの敏感なお肌も安心だ。

髪が薄い娘の頭をすっぽり守ってくれる心強い味方。後ろはメッシュになっていて、風通しがいいこともポイント。

③シールタイプの虫よけ
 ベビーキャリアの困った点は、子どもの様子が見えにくいことだ。特に、虫が止まっていても背負っている親は気がつけないので、虫よけ対策はとても重要になってくる。しかし、小さい子どもには効果の強い虫よけは使えない。ここで活躍するのがシールタイプの虫よけである。通常は洋服に貼るのだが、画像のようにベビーキャリアに貼っても効果がある。しかもスプレータイプより圧倒的に効果が長持ちすることも魅力的だ。

洋服に貼ってももちろんいいのだが、上着を着たり、洋服を変えたりすることもあるので、ベビーキャリアに貼っておくと便利。


百聞は一見にしかず……。まずは背負ってみよう

 最近、友だちから「子どもが生まれたのでアウトドアをはじめてみようと思うのだけど、何からはじめたらいいかな……」という相談を受けることが増えてきた。

 私は、まずは低山から親子登山を、とすすめている。キャンプも魅力的だが、じつは料理の手間やキャンプサイトの予約のことを考えると登山のほうがずっとお手軽なのだ。

 そして「もう少し子どもが大きくなったらでもいいかな」と思っていたら、それはもったいない。なぜなら、親子登山は子どもが成長するにつれ、子どもの重量増加や自己主張、トイレ問題など、難易度がぐんと上がってくるからだ。

 親子登山をこの秋からはじめるポイントは、思い切ってなにか一つ道具を買ってみることであると思う。わが家のギアマニア(夫)は、ベビーカーより先にベビーキャリアを買って家に飾り、モチベーションをあげていたくらいだ。道具があれば、少なくとも一回は山に行こうと思うし、一回行けば親子登山の魅力に取りつかれること間違いなしだ。

 ぜひこの秋に、涼しく登りやすい低山で親子登山の魅力にふれてみてほしい。


 

しなこさんの、パパママへの登山アドバイス
子どもは汗っかきなので、あっという間に汗だくになりますが、山ではそんなに頻繁に着替えさせることができません。わが家では、Tシャツと肌の間に薄手のガーゼを挟んで、汗をかいたらガーゼをすぐ取り換える方法をとっています。ガーゼはなんにでも使えるので多めに持っていくとよいですよ。


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