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日本人として二人目の「トリプルクラウナー」誕生!

(2013.12.25)

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カナダ国境をスタートして、ゴールはメキシコとの国境。コンチネンタルディバイドトレイルの旅とは、山道を歩きつないでアメリカ合衆国を縦断する、に等しい。半年も歩き続ける、長大な旅なのだ

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背負っているのは80ℓもの容量を持つGregoryのPalisade。大きなバックパックを背負って歩く姿は、在りし日の加藤則芳さんを思わせる。そう投げかけると、帰ってきたのは驚きの言葉だった。「はい、このバックパックは加藤さんが実際に使っていらしたものなんです」

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2013年はコンチネンタルディバイドトレイルが悪天候に見舞われた年だった。特に後半の気温の冷え込みは体力を消耗させた。なんと9月だというのにコロラドでは雪が。「歩き始めた頃にも、予想に反して残雪が多かったんです。『雪』に悩まされた旅でした」

 広大なアメリカ合衆国。その国土を南北に貫くようにして連なる3本のロングトレイルがある。西の端にあるパシフィッククレストトレイル、東の端にあるアパラチアントレイル、そして中央から西寄りに大陸の分水嶺を結ぶコンチネンタルディバイドトレイル。いずれも距離は3,000km以上と、歩ききるには途方もない体力と精神力、そして半年にもおよぶ時間が必要になる。それだけに、この3本すべてを歩ききることはは「トリプルクラウン」として讃えられる。

 2013年11月8日、日本人としては二人目となるトリプルクラウナーが誕生した。達成したのは山形県に住む齊藤正史さん。2005年にアパラチアントレイルを、2012年にはパシフィッククレストトレイルを踏破。そして今年は6月からコンチネンタルディバイドトレイルの旅に挑み、見事に踏破を成し遂げたのだ。

 注目すべきは齊藤さんのスタイル。ウルトラライトなど軽い装備で歩くことがトレンドになっている昨今ではあるが、30kgを超える大きなバックパックを背負って歩くというクラシカルな形を貫いている。

「元々アメリカのロングトレイルを歩き始めたのは2005年のアパラチアントレイルなんですが。その頃にはまだライトウェイトというスタイルが確立していませんでした。ですから僕にとっては最初から、重い荷物を背負って歩くことが自然なことだったんです。あと、僕は旅には快適さを追求するタイプなので、荷物を軽くするために何かをガマンするという発想にはなりませんでした。自分が快適に眠ったり食事をしたりしながら長いトレイルを楽しみたい。そのために必要な道具はすべて背負いたいという気持ちもあります。自分にとっては、この形が自然なんです」

 トレンドはトレンドとして捉えながら、旅の形は変えない。そうして楽しむことを最優先にしながら、さまざまな苦難を乗り越え、自分と向き合う旅が、3本のロングトレイルで成し遂げられたのだ。

 今回のコンチネンタルディバイドトレイルを踏破する様子はBE-PALのウェブサイト上でも実況として報告されていた。
齋藤正史の「コンチネンタル・ディバイド・トレイル」実況中継!

 旅の路上からアップロードされたレポートはリアルなモノばかり。さらに動画も添えられており、厳しい自然や驚くような景色などを垣間見ることができる。齊藤さんの旅がどれほど厳しく楽しいものだったか、今読み返してもワクワクする連載となっている。

 Akimamaでは追って齊藤さんに詳しいお話しをうかがう予定。だが、まずはこの新たなトリプルクラウナー誕生をお知らせしつつ、大きな拍手を送りたい! 齊藤さん、おめでとうございます!!

 
 
ライター
林 拓郎

スノーボード、スキー、アウトドアの雑誌を中心に活動するフリーライター&フォトグラファー。滑ることが好きすぎて、2014年には北海道に移住。旭岳の麓で爽やかな夏と、深いパウダーの冬を堪能中。

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