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台湾に日本の自然美を見た。遠藤周作原作、映画「沈黙-サイレンス-」のココに注目!

(2017.02.01)

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遠藤周作『沈黙』(新潮文庫)。出版されたのは50年も前のことになる。映画とあわせて原作もぜひ。『沈黙』の他にもキリスト教を主題にした作品を多く執筆している。

 先日、映画『沈黙-サイレンス-』が公開になった。キリスト教が禁じられ、厳しいキリシタン弾圧がおこなわれていた江戸時代初期の長崎が舞台だ。日本にやってきた若きポルトガル人神父と、禁じられながらも強い信仰心を持ち続ける“隠れキリシタン”と呼ばれた日本人たちの苦悩が、日本の原風景とともに描き出されている。

 最初に言っておきたい。すばらしい映画だった。

 遠藤周作原作の『沈黙』が、マーティン・スコセッシ監督の手によって映画化されると知ったのは何年も前のことだ。メディアでも話題になったが、いつ公開されるのか、なかなか情報がもたらされることはなく、もしや立ち消えてしまったのではないか…と思ったほど。原作に感銘を受けていたわたしにとっては待ちに待った公開だった。

主役のロドリゴ神父役には『アメージング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールド。ロドリゴとともに日本に渡るガルペ神父役には『スターウォーズ/フォースの覚醒』のカイロ・レンでブレイクしたアダム・ドライバー。そして、ふたりが師と仰ぐ宣教師のフェレイラ役は、『スターウォーズ/ファントムメナス』でクワイ=ガン・ジンを演じたリーアム・ニーソン。映画ファンはこの辺りにも注目だ。

 レビューは映画専門サイトにお任せするとして、Akimama的には劇中に登場する美しい風景に注目したい。海を臨む尾根、みずみずしい緑、海岸線、渓谷…。多様性に満ちた日本の自然美が表現されている。ところが、すべて台湾ロケで制作されたのだという。

 こちらの記事【登ってみた1】台湾の低山事情。台北市の最高峰、七星山主峰は1120mでも紹介した陽明山も映画に登場する。

 撮影するにあたり、日本もふくめてニュージーランドやカナダなども候補にあがり、最終的に台湾に決まったようだ。ロケ地選定については撮影許可といった制約ももちろんあるだろうが、台湾の豊かな自然が監督や制作サイドの求めていた景色に合致したのは言うまでもない。

台北から日帰りで訪れることができる陽明山は、国家公園に指定されている。日本でいう国立公園だ。主峰は七星山で台北市の最高峰であり、いまも水蒸気をモクモクとあげる噴気孔がある火山。劇中、ここは日本のとある場所として設定されている。

 上映時間は2時間42分。拷問のシーンも多くPG-12(12歳未満は保護者の助言・指導が必要)の指定を受け、決して明るく単純なハッピー映画ではない。しかし、映像美に加えて、この映画の投げかける問いは意味深く、いまだからこそ見たい作品でもある。そして、台湾の多様性に満ちた自然が映画の完成には欠かせなかったという点もオススメしたいポイントだ。

映画『沈黙-サイレンス-』(2016年・アメリカ)
上映時間:162分
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、浅野忠信、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ他

(文=須藤ナオミ)

 
 
ライター
Akimama編集部
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