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誰も見たことのないアマゾン。 山口大志写真展「AMAZON − 密林の時間」

(2017.09.28)

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「ひとりの写真家がこれほど網羅的にアマゾンを撮ったことはないと思います」
 
 撮影者自らそう胸を張る写真展が、東京ミッドタウンの「FUJIFILM SQUARE」で開催されている。写真展の名前は「AMAZON − 密林の時間」

 塩場へと向かうアカホエザル、花に集うハチドリ、極彩色のヤドクガエル……。アマゾンの風景と動植物など、未発表の作品を約50点展示する。




 撮影したのは山口大志さん。2010年以来、1年のうち数ヶ月をアマゾンで過ごしている。
 山口さんの撮影スタイルは昔気質。雑誌や書籍の撮影で稼いだお金が貯まると単身アマゾンの奥地へと入り込み、目的の撮影ができるまで滞在し続ける。撮影中の山口さん。現地の木の実の汁で顔を青く塗ったのは、最近噂のナスDよりもずっと前!

「私の強みは、普通のカメラマンなら音をあげてしまうような環境が苦にならないこと(笑)。動物たちが集まる水場や塩場の近くにシェルターを構えたら、蚊や毒を持つ蟻にたかられても、物音を立てずに待つことができます」

 そんな山口さんをつくったのは日本での修行時代。生まれ育った佐賀県唐津では昆虫採集と素潜りを覚え、青年期を過ごした西表島では、密林での行動の仕方を身につけた。

「アマゾン川での水中写真の撮影や、動物の撮影は西表島での7年間の経験が生きています。イノシシ猟を手伝って山を歩いていたおかげで、動物の足跡から行き先や何をしようとしているのかを判断できるようになりました。素潜りも得意なので、スキューバダイビングの機材が調達できない場所でも水中撮影ができるんです」

 自然を撮るカメラマンは大きく2つのグループに分けられる。写真表現のモチーフとして自然を選んだカメラマンと、自然を表現するために写真を選んだカメラマンだ。山口さんはもちろん後者。過剰な演出や現像をせず、科学写真としても通じる作画が特徴的だ。

「SNS全盛の現代、写真を見る機会は増えています。しかし、今回アマゾンで撮った写真を引き伸ばしてみて、大きなプリントのもつ力を改めて感じました。写真展ではアマゾンの森の空気感や熱、動植物の生命感を感じ取っていただけると思います」

 今回の写真展と並行して、山口さんは写真展と同名の写真集『AMAZON − 密林の時間』も上梓した。未発表作品を中心に構成される写真展に対して、こちらは7年間にわたる撮影行から厳選した約280点を収録。アマゾンの自然、風景、人々の生活が幅広く写し込まれている。

 山口さんは10月5日の閉会まで在廊。9月29日〜10月1日には、山口さんによるギャラリートークも行なわれる。

山口大志写真展「AMAZON − 密林の時間」
2017年 9月22日〜10月5日
開館:10〜19:00
(最終日は16:00まで。ギャラリートークは金、土、日の14:00〜、16:00〜)
会場:FUJIFILM SQUARE富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2
入場無料

 
 
ライター
Akimama編集部
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