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長距離ハイカー”GNU”さんがレビュー!エスビット「750mlチタニウムポット」&「チタニウムストーブ」

(2017.05.31)

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知ってる人は大注目してるのに、
知らない人にはまるで知られていない
ハイキング界の最終兵器・
「長沼”GNU”商史」さんがAkimamaに登場!

ストイックなUL装備で、
これまでに歩いた徒歩行の総延長は8,500km以上。
道中で釣った魚は500匹。
道中で口説いた女は数知れず(成功率はヒミツ)。

軽薄の両極端をいく男がレビューするのは、
エスビットのULなクッカーシステムです!


 どうもヌーです。

 誰だよっ、って話? 
 つーことでまずは自己紹介。長いトレイルを歩く人達はトレイルネームと呼ばれるニックネームで呼び合いますが、俺は「GNU(ヌー)」と呼ばれてます。

 アメリカのPCT、JMT、CDTのセクション、CT、ニュージーランドのTe Araroa、日本だと信越トレイルなど……計8,500km以上歩いているロングディスタンスハイカーで、釣り、サーフィン、ハイキングをたしなみます。

 はてさて、こんな私がこの度Akimamaからエスビットのチタニウムポット&ストーブのレビューを仰せつかったので、UL寄りロングディスタンスハイカー目線でレビュってみましょう!


長距離ハイクのクッカーシステム

 最初に俺が考えている「ULハイカー」と「ULを取り入れているロングディスタンスハイカー」の違いを整理しよう。ULハイクは「いかに道具と荷物を軽くするか?」がその遊びのなかで重要視されている。それに対して、ULを取り入れているロングディスタンスハイカーの目的は長距離を歩くことだ。

 ロングディスタンスハイカーは、長く歩くうちに余計な重さを担ぐことに我慢できなくなる。そのため無駄な道具を省き、必要なものはできるだけ軽いものを選ぶようになっていく。軽い道具を使うのは「歩く」という目的のための手段だ。持ってるモノが同じでも過程が違うんだな(まぁ、どっちでもいいけど。笑)。

 ULハイキングでクッカーといえば、 材質はチタンで直接火にかけられてそれが食器でありカップでもあり、持って行くのはそのカップだけ、というのが一般的。ストーブはアルコールもしくは固形燃料、風防はただのアルミホイル。全体一式ではじめてクッカーとして機能する、ってのが俺のイメージ。

 こんなシステムが主流なのは、持ち運ぶ燃料をきっちり計算できて軽量化できるから、というのが理由だけど、慎重さと雑さの混じる俺は、燃料も食料も多めに持って歩く。

「補給地で食料がまるっきり無くなってたらそのハイクは失敗だ」って考えと、焚き火OKな所だったら燃料を焚き付けにして火も起こせる(エスビットもアルコールも焚き付けに使うと焚火が簡単)からね。

 数千kmを歩いた結果、俺はとあるメーカーの600mlのチタンクッカーを使い、「袋ラーメン」を主食にして行動するようになった。袋ラーメンは持ち運びのしやすさとクッカーの径の都合で、基本的に袋ごと揉んで砕いて持ち運んでいる。

 俺の愛好する袋ラーメンでは、600mlという容量だと、調理中は麺に押されて蓋が浮き上がってくるし、飲める汁はほぼふた口。そしてその味は、超濃いめ。ロングハイクでは食事をただの補給としか考えていないし、ハイク中は舌のレベルが劇的に下がる俺は、そんな濃味汁無しのラーメンで平気ですごしてきた。


長距離ハイカー流クッカー活用術

 さて、今回お預かりしたのは、エスビットの「750ml チタニウムポット」&「チタニウムストーブ」。

 エスビットといえば、「アウトドア」なんていう言葉が使われ始める前からあるんじゃない? 俺がガキの頃にはもうあった。「ドイツ軍のなんちゃら」ってセリフにやられて、この固形燃料を小遣いで買った記憶がある。

 触った瞬間、普通の人は軽量なストーブのほうに目がいくだろうが、俺の心をキュンとさせたのは「750ml チタニウムポット」のほうだ。

 今まで俺が使っていた600mlのクッカーは重量103g。これに対して、チタニウムポットがなんと! 106g!!!!! ひと回り大きくなっても重量増はわずか3g。収納サイズは大きくなるけど、これならラーメンのルーシーたっぷり飲めるじゃーない! まともなラーメン食えるじゃーない!! もうこれだけで俺の心は華やいでいる。

 それでは、これらのアイテムを組み合わせてロングディスタンス的なシステムを組んでみよう。

 チタンのクッカーの使い方として、昔からよくやってて、今もよくやるのが「渓流釣りバージョン」。燃料とクッカーしかもっていかないで、ゴトクは石で組む。コンパクトだし風情がある。しかし、沸騰までちょっと(かなり?)時間はかかる。

 これをもう少し進化させるのが、チタニウムストーブを使うパターン。3つの足を広げて固形燃料を置けば準備完了。ハイキングでは、必要なタイミングで必ず石があるわけではないし、石があっても、それを焼くのをためらわれる場所のほうが多いだろう。チタニウムストーブの重さは13g(これほど軽いと、収納袋の重さが本体の半分位になる。笑)。美観や重量のことを考えたら、トレイル上では石を使うよりも現実的だ。

 そしてさらに、長距離ハイクに耐えるシステムにするなら、アルミホイルの風防を加えた「ゴージャスバージョン」がおすすめ。エスビットやアルコールストーブを旅で使う場合、俺は必ず風防を併用する。風を遮断し、熱効率を高めないと沸騰させるのにかなり燃料を使うからだ。


それではいざ実験

 新しいクッカーが来たときには、実験が必要だ。使うクッカーによって固形燃料ひとつで沸く湯の量はだいぶ変わる。ということで近所の河原へ。

 持ち出したのは、5gのタブレットと14gのタブレット。チタニウムポット&チタニウムクッカー、これに風防をつけた「ゴージャスバージョン」で実験する。

 最初に試したのは14gの「ミリタリー」と呼ばれるサイズの燃料。これひとつで0.5 lの水を沸かせる、と書いてあるけど、現場は風もある自然の中だから、そう簡単には沸かない。

 若干強めのそよ風が吹く中ミリタリーに点火すると、300ml弱の水が90℃くらいになったときに燃え尽きた。沸騰こそしなかったが、俺の場合はラーメン、アルファ米ならミリタリー1つで十分、という感触。

 ラーメンは柔らかいより少し固め芯残りの方が「食った感」があるし、気になる人は2つ使う、あるいは5gタブレットを追加すればいいと思う。

 そして、5gのタブレットも実験。こちらは小さいコーヒーカップ一杯分くらいの水が、自動販売機のコーヒー位、または「君に初めて会った時の僕の体温くらい」の熱さにはなった。こちらも、俺には十分な火力と持続時間。

 ゴージャスバージョンの布陣で使うなら、お茶一回で5gひとつ、食事では14gひとつ。という感触。これを目安に燃料計算して、プラスα持って行く感じになるだろうか。

チタニウムポット×ガスストーブ

 海外のトレイルには、カリフォルニアのシエラネバダみたいにガスが推奨されている場所、もしくはガスしかダメな場所もある。日本でも、固形燃料を使いづらいシーンもある。そんなときはガスストーブの併用もできる。750mlチタニウムポットは、ちょうど110gガスカートリッジが収まる直径。ガスカートリッジ2つと小さなバーナーヘッドが収納できる。チタニウムポットは、なにかと汎用性の高い直径、大きさだ。

総評

 今まで某社の600mlのクッカーを使ってきてなにも不自由を感じなかったけれど、「750ml チタニウムポット」ヌー的にはオススメ。というか、クッカーはこのモデルに鞍替えしようと思う。「チタニウムストーブ」も持っているのを忘れるような重量だし、石を探す手間もないので、エスビットを燃料に旅するときはこれを使うだろう。そして何よりエスビットを使う喜び! 海産物のようなスメルを嗅いでほっこりするのは、ハイカーの特権です!

<製品情報>
750ml チタニウムポット
¥6,500+税
●サイズ:収納時H110×∅99mm
●重量:106g
●容量:750ml
●メッシュバッグ、ポットの蓋付属

チタニウムストーブ
¥1,800+税
●サイズ:∅110×高さ47mm 収納時84×29×50mm
●重量:13g

チタニウムスポーク
¥1,700+税
●サイズ:収納時L104×W39mm
●重量:17g

固形燃料5g×16
¥600+税
● 1 箱(5gx 16タブレット入り)
●燃焼時間:1タブレット 約6分
● 4 タブレットづつブリスターパック入り
●ドイツ製

固形燃料ミリタリー
¥600+税
● 1 箱(14g x 6 タブレット入り)
●燃焼時間:1タブレット 約12 分
● 3 タブレットづつブリスターパック入り
●ドイツ製

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【ギアレビュー取材協力:飯塚カンパニー】

 
 
ライター
Akimama編集部
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