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もう映像酔いしない! スマホでもスムーズで美しい映像が撮れるジンバル「DJI Osmo Mobile 2」を使ってみた!

2018.05.02 Wed

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

 スマートフォンのカメラ性能がどんどん進化し、動画もスマートフォンでというユーザーもかなり増えているが、実は私、どうもスマートフォンで撮った映像が苦手だ。アウトドアのアクティビティの動画は特に。

 動画撮影の場合にどうしても気になるのが手ぶれや揺れ。私は三半規管が弱いのか、揺れ揺れの映像を見ていると映像酔いしてしまう。動画編集作業などしていると途中で気分が悪くなったりするのだ。

 しかし、そんな撮影時の揺れを軽減してくれる魔法のようなガジェットがある。ジンバル(Gimbal)と呼ばれる水平安定器だ。

 元来は船舶や航空機のジャイロスコープや羅針盤に使われていた技術で、現代では映画やテレビの撮影などプロの現場でハンディーカメラを安定させるための器具に応用、カメラスタビライザーとも呼ばれる。現在主流のジンバルは、電動の3軸ブラシレスモーターによりバランス補正している。

 そんなジンバルが、アクションカメラやスマートフォン用に普及し始めたのが数年前。価格は4、5万円台と個人で所有するにはかなり高価だった。昨年ぐらいから1万円台の安価なものも出回り始めたが、コントロール用のアプリが不評だったりBluetoothが安定しないなどの問題があった。しかし、ここに来てドローンで有名なDJIから1万円台のスマートフォン用ジンバル「Osmo Mobile 2」が発売された。価格はなんと16,800円(税込)! 以前のモデル「Osmo Mobile」が定価で37,800円(税込)だったので、なんと半額以下だ。

 他のブランドの1万円台のジンバルを買おうか悩んでいたところに、このOsmo Mobile 2が発売となったと聞き、秒で決断。即ポチ。私はDJIのオフィシャルサイトから購入した。

 初期設定としては、スマートフォン側に専用アプリをインストールして、Bluetoothオンの状態でジンバルと接続するだけ。起動すると実に気持ちよく水平を保ってくれる。まるで生き物みたい! ちなみにコントロール用のアプリは、DJIのドローンでも定評のある「DJI GO」。自動的に被写体を追尾するアクティブトラック機能もこのジンバルで使えるのだ。

 ジンバル側のハンドルには電源/モード切り替えのボタン、カメラの向きを変えるジョイスティックボタン、シャッター/RECボタン、それとズーム制御のスライドレバーが付いている。モード切り替えとは、2回押しでスマートフォンのセンタリング固定、3回押しでスマートフォンの前面カメラと背面カメラの切り替えなどを行うことができる機能。

 さて、早速使用してみての感想だが、かなりいい! 撮影した映像を見てもらえば一目瞭然だが、かなりスムーズ。歩きながらの追い撮りはまるでドローンが追尾しているようにも見える。アクティブトラックも効いてある程度大雑把にカメラを向けても、被写体を追ってくれている。とてもスマートフォンで撮影したと思えない映像だ。これなら映像酔いしない!

 バッテリーの駆動時間もカタログ値で15時間とのこと。実際にフル充電で1日に何回も撮影したが、バッテリーのインジケーターは1目盛減っただけだった。またモバイルバッテリーとしても使えるので、USBポートからスマートフォン側に電源を供給できる点は便利。ジンバル自体よりスマートフォンの電源の方が気になるから、嬉しい機能だ。

 今回試していないが、タイムラプス撮影などにも対応しているので、三脚固定しておいてタイムラプスで長時間撮影するといったこともバッテリー的に問題なさそう。

 いいことばかり書いても仕方ないので、現時点で気になる点を少々述べておこう。

 私はAndroidのスマートフォンを使用しているのだが、スーパースロー録画にアプリが対応していない。iPhoneには対応しているので、iPhoneに乗り換えるか、今後Android用も対応してくれるようアプリがアップデートされるのを待つしかない。

 これも仕方ないことだが、一般的なスマートフォンには光学ズームの機能は付いていない。基本的にズーム機能はデジタルズームなので、ズームさせると画質が落ちてしまう。解決するにはクリップ式の望遠レンズを取り付けるしかないだろう。それとズームのスライドレバーの動きが急なので、じわーっとズームさせるような撮り方もできない。これもやや不満だが、スマートフォンで撮影する上でそこまで求めるのは欲しがりすぎかもしれない。

 とはいえ、現時点でも十分満足できるガジェットなのは間違いない。

 雪のシーズンが終わってしまったので、雪上での追い撮りなどがまだ試せていないが、夏のアクティビティやフェスなどにも積極的に活用してみたいと思う。

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