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トランギア使いなら欲しくなることまちがいなし!? テンマクデザインのサイレントツーバーナー

(2017.04.03)

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 実際、これが使いやすいのかどうかは、使う人次第なのだと思う。好きか嫌いかというのも、その人次第。でも、個人的にはかなり“好き”の部類に入るギアである。

 こんなものがあったらいいな、を常に考え、痒い所に手が届くアイデア商品を世に生み出してきたテンマクデザインが昨秋、またオモシロいものを発表した。どんなものかといえば、既存のアルコールバーナーを使ったツーバーナーである。その名は「サイレントツーバーナー」。
見よ、このシンプルなフォームを!! 推奨されているバーナーは、トランギアのTR-B25。アルコールバーナーといえばコレ、といえるほどの定番モデルだ。ツーバーナーの本体にはピッタリサイズの穴が空けられているだけなので、サイズ径が合えば他のモデルも使用可能だ……ということは! もしや日本では手に入らないあのガ○バーナーも使えるのでは!? なんて、イカンイカン。日本では手に入りませんので。あしからず
 構造はいかにも単純明快。トランギアのあのアルコールバーナーふたつを嵌め込むためだけの超シンプルなバーナー土台である。ただ、これが侮れない。効率よく炎をカバーしてくれる風防の形状といい、操作がしやすいように工夫された観音開きになる五徳といい、コッヘルをふたつ置いても十分に調理ができる絶妙なサイズ感といい、シンプルさのなかに“使い勝手”というフィルターを上手に埋め込んでいる。

 全体のデザインも拍子抜けするほどスッキリとしているが、これがまた意外な存在感を放ってくれている。いわゆるツーバーナーとしては、サイズもかなり小さい。素材はステンレス、重さは約2kgなので山の上に担ぎ上げるわけにはいかないが、キャンプサイトでなら大いにアリな商品だ。
サイレントツーバーナーは山形のアウトドアショップ“DECEMBER”のアイデアをもとに、テンマクデザインとのコラボ企画として生まれた商品。シンプルななかにも、現場に根付いた工夫満載のギアに仕上がっている。しかも、Made in Japan!
 ただし、どちらかといえば、用具使いに慣れた上級者向けのギアだと思う。

 なぜかといえば、火元がアルコールバーナーだから。アルコールバーナーというだけに、燃料はもちろんアルコール(エタノールなど)。専用のOD缶などとちがって薬局などでも簡単に入手できるので、もしものときのバーナーとしてはとても役に立つ。また、燃料そのものに火を点けるので、低温下でも十分な火力が得られるという利点もある(実際に氷点下10度でこのサイレントツーバーナーを使ってみたら、鍋も余裕でできました!)。

 そしてバーナー自体がシンプルな構造だけに、壊れることがほぼないのである。いろいろなサイトにも紹介されているが、アルコールバーナーは空き缶から自作することもできてしまう……と、こう書き連ねて行くといいコトづくめにも思えるが、点火や消火、火力の調節などにはある程度の慣れが必要で、ともすると火傷もしかねない。
アルコールバーナーは使い方をまちがえると大火傷のもと。着火直後にはボワっと炎が立ち上るので、ご注意を。本体が十分にあたためられれば、じきに炎も安定する。ちょっと焚き火チックで、この炎を眺めているのが楽しくもあるのだけれど
 なにせ“音”がまったくしないものだから。たとえば明るい場所だったりすると、火が点いているのかいないのかが分からないことも。そこで燃料切れかと思い込み、新たなアルコールを注ぎ込んでしまったりするともう大変。前髪がチリチリになってしまうこと請け合いである。

 だから、アルコールバーナーは使用途中での給油はしないという基本ルールがある。長い時間、調理をするような場合は、燃料切れがないように事前に多めに入れておくようにするのがコツだ。ちなみにトランギアの場合、目安としてはタンクの半分くらいの給油でだいたい25分ほどの燃焼が可能となる(外気温などの状況にもよるけどね)。また、火を消すときは専用のふたを被せればOKなのだけど、そのときにはなるべく革の手袋を用意したほうがいい。ま、こちらも火傷防止のために。
サイレントツーバーナーの機能をまとめてみると、こんな具合に。ポットでお湯をわかしつつ、ソーセージに目玉焼きなんてのもお手のモノ。このサイズ感がちょうどいい。五徳は操作性の高い観音開きで、取り外しも可能。風防もいたってシンプル。専用の収納袋もある
 要は好きでなければ、なかなか使いにくいものなのだ。でも、不便を楽しむのがアウトドアの醍醐味のひとつでもある! と考えられるなら、アルコールバーナーは大いに使うべきギアなのである。火を自分が操っている気分にもなれるし、なによりも音がしないんだもん。コーとかゴーとかいうメカニカルな音が好きな人もいるだろうけれど、それとは真逆に無音もまたよしのはず。
 
 より身近に自然を感じ、ケトルから湯気が立ち上がることで湯加減を知る、なんて時間はとっても貴重なもの。サイレントツーバーナーの名前の由来ももちろん、ここから来ている。好きこそものの上手なれ、という俚諺もこのバーナーにピッタリの言葉だと思う。

 

 
 

■テンマクデザイン ×OUTDOOR SHOP DECEMBER「サイレントツーバーナー」
価格:7,980円+税
サイズ:幅400×奥行250×高さ82mm(収納時も同サイズ)
材質:ステンレス
重量(約):2kg
推奨アルコールバーナー:トランギアTR-B25(※アルコールバーナーは別売り)

  


 
【ギアレビュー取材協力:WILD-1】

 
 
ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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