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【おとぼけビ〜バ〜 INTERVIEW】世界のビッグフェスを経てのフジロックのステージ

2025.07.17 Thu

イギリスのグラストンベリーやアメリカのコーチェラなど、海外の大型フェスを湧かせ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやグリーン・デイといったビッグアクトとも共演を重ねてきた日本屈指のライブバンド、おとぼけビ~バ~。昨年キャリア最大規模のジャパンツアーも成功させ、さらに存在感の大きくなるおとぼけビ~バ~にとってのライブとは。

––– まず今回のフジロックへの出演が決まったときの心境を教えてください。
よよよしえ 出たい出たいとは思っていてもなかなかフジロックって出られるものではないですし、なんとなく私たちは出られないものだと思っていたので、驚きと喜びが半々でしたね。
あっこりんりん 日本のフェスに呼んでいただいても深夜帯の出演が多かったんです。今回は本当に出られると思ってなかった。

––– おとぼけビ〜バ〜はフジロックだとROOKIE A GO GO に前体制で出演(2017年)、前夜祭と苗場食堂でも出演(2022年)しています。フジロックはどのような存在ですか?
よよよしえ 出演したいっていう強い思いはほとんどのフェスに対して持ったことがないんですけど、フジロックは「出たい!」と思うフェスです。海外のなかなか観れないアクトが、一気に出演しているようなイメージで。「わー!こんな人も出てる!」って毎年ラインナップをドキドキしながら見ています。あっこりんりん あと音楽がめちゃくちゃ好きな人じゃなくても知っているフェスですよね。フジロックに出たらそういう人たちからも「すごいね!」って言われる(笑)。

––– おとぼけビ〜バ〜のみなさんにとって良いライブの基準のようなものはありますか?
よよよしえ 私は終わった後に「全力出せたな」と思えることで。だから終わらないとわからないんですよね。いつも全力のつもりなんですけど、終わった後にちょっと余力あるなってときがたまにあると「何が良くなかったんだろう?」って心配になってしまう。ウワーってライブして、ステージを降りてちょっと吐きそうになるくらいのことができたときはどんなにぐちゃぐちゃであれ「良かったかも」と思える。
ひろちゃん よしえちゃんと同じで、やっている側としてはお客さんのノリどうこうより、自分がいかにやりきっているかというのが基準のひとつで。それだけがすべてではないかなって思います。それと「今日はカッチリ噛み合ったな」と感じる日が演奏していてあったりする。そういうときはやりきったなと思います。これでお客さんがノレないんだったら別の問題だなって思うくらいできあがっている日も自分の中にはあります。
あっこりんりん ほぼふたりといっしょです(笑)。どれだけ集中してライブに没頭できているか、やり切れるか。だから「今日良いライブやったな」と思える日って自分のなかでは少なくて。本当に数えられるくらい。でもそれは手を抜いているとかではまったくないんです。だからこれだけやっているんやと思います。ライブって楽しくて、「今日全然あかんかったな」っていう日にめちゃくちゃ褒められたり、良いと思っていてもあんまり響いていなかったり、毎回全然違う。それが面白いなって。人間っぽいですよね。
かほキッス 最近大きい会場でやらせてもらうことが多くなってきて。もちろん普段やっている小さなライブハウスだとお客さんとの距離が近いから息遣いもわかるぶんコミュニケーションが取りやすいんですけど、4階席とかになってくるとこっちを観ているかどうかもわからなくなる。でもそれでも、こっち観てろよって気持ちをこう、クゥ!と出す。それが最近、難しいけど気持ちいいんです。遠いけど、観てるよな!って気持ちを送るというか。広い会場でやる楽しさのようなものを見つけ始めていますね。


––– 現在のバンドの状況についても伺えたらと思います。前作『SUPER CHAMPON』が2022年のリリースだったので、そろそろ新作が聴けたりするのでしょうか?
よよよしえ (笑)。新曲のタイトルなんだっけ?
あっこりんりん  「ニューアルバムはまだですか」(笑)。それを聞かれるのがダルいなって曲です(笑)。

––– (笑)。失礼しました。
あっこりんりん いえいえ。新曲はライブの合間に頑張って作っています。私たちの曲は1〜2分しかないので、アルバムのために曲数が死ぬほど必要なんです。だから「ちょっと待ってください」っていう曲を今作っています。めっちゃコメントが来るんです。フェス出演の発表をする度に「ニューア
ルバムいつなんだ」って。

––– リスナーの心理的には期待してしまいますからね。
あっこりんりん そうですよね、わかります。でも私たちは曲を作るのが大変で、全部私の口で作っていて、アナログで古典的な作り方なので、申し訳ないです。
よよよしえ でもそのおかげで1曲増えたからね(笑)。

––– ということは、そういったリスナーの意見があった方がいいですか?
あっこりんりん 私はまったくいらないです(笑)。私はこのメンバーで作るのが好きで、曲を作るときもみんなで「これおもろいな」とか言いながら作っているのが一番楽しいんです。もちろん反応が良かったら嬉しいんですけど、気にしてないですね。

––– それはキャリアの中での固まった考えなんですか?
あっこりんりん 最初からですね。というか、もともとが受け入れられない前提で始めていて。小さいライブハウスでやっているときから、今日来ている5〜6 人の中の1人でも好いてくれたらいいなという気持ちでやってきて、今もそう。お客さんが増えてきても変わりません。好きでも嫌いでもどっちでもいいし、好いてくれたら嬉しい、嫌やったら「ああ、そうか」と思うだけだから。海外で大合唱してくれたときはちょっとびっくりして涙が出たことは1回あります。下積みというか、お客さんが少ない時期が長かったから。

––– 変わらないってすごいことだと思います
あっこりんりん どう変わると思います?逆にどう変わるかがわからないです。


〈Text & Interview by Daiki Takaku  Photo by Gyo Terauchi〉





おとぼけビ〜バ〜
July 25 (Fri) 12:10-13:00 WHITE STAGE

2009年に京都府で結成。2016年にイギリスのインディレーベル「Damnably」に所属して以降、積極的に海外に活動を広げていった。2017年にアメリカの「サウスバイサウスウェスト」、2018年に「コーチェラ」、2024年には「グラストンベリー」に出演。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの北米ツアーにも参加するなど、海外での評価が高い。現在のメンバーはあっこりんりん(Vo)、よよよしえ(G)、ひろちゃん(B)、かほキッス(Ds)の4人。


インタビュー全文は富士祭電子瓦版で掲載中



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