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ノルウェー版キットカットの実力がスゴい!
(その1)

(2012.12.21)

ごはんのTOP

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ノルウェーには至る所に魅力的なハイキングルートが整備されている。比較的に街の近くでも圧倒的な景観に出会えるところがフィヨルドの国、ノルウェーらしさ。ロフトフースの裏山Hovdenへの途上でハダンゲルフィヨルドを見下ろす

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赤と黄と緑の3色パッケージは、1937年の発売当時のデザインから変わっていないという。裏面のハイキングルートの案内は、年によって登山家の紹介などに変わることもある。ちなみにクヴィック・ルンシュ(KVIKK LUNSJ)とは、英語で言えばクイック・ランチ(quick lunch)となる

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ロアール・アムンセンは、ノルウェーを代表する探検家。1911年12月14日、世界で初めて南極点に到達した人物である。トロムソのポーラー博物館入口に立つアムンセンの銅像

 “Have a brake, have a Kit Kat”のフレーズは、だれでも一度は耳にしたことがあるだろう。そう、あの赤いパッケージのサクサクウェハースチョコレートのキットカットの合い言葉だ。イギリスでキットカットが誕生したのは1935年のこと。いまから遡ること77年も前になる。パキッと折れば、手軽に口に運べるキットカットは、山の行動食にもピッタリである。エネルギー補給もできるし、個包装になっているので持ち運びにも便利だ。最近はキットカットのミニ版なんてのもあるしね。山でお世話になっている人も多いのでは? 

 ところで、このキットカット。本国イギリスに継ぐ一大消費国は、なんとここ日本であるというから驚きだ。たしかに、どこのスーパーにも売っているし、コンビニでも手に入る。さらには、人気の地域限定ご当地モデルもたくさんある。幼少からの記憶に刷り込まれている分、なるほど、まぎれもなき世界ブランドではあると素直に思う。……ところが、そう思うのはキットカット大国の日本にいるからかもしれない。この世界ブランド力が、あまり通用しない国がある。それは北欧の国、ノルウェーである。

 ノルウェーとイギリスは、北海を挟んでの隣国だ。なのになぜと思っていたら、キットカットにそっくりなチョコレートがあるではないか。その名は、クヴィック・ルンシュ(KVIKK LUNSJ)。ウェハースをミルクチョコレートでコーティング、パキパキっと割れば、4本に小さく分けて食べられる……オイッ! これって、キットカットそのままか!? と思ってしまうほどそっくりなチョコレートなのだ。ノルウェーに行くと、どこのスーパーでも手に入る点まで似ている。これは何かある、と調べてみると。

 なんと、こちらもキットカットに負けず劣らず、歴史の深い正統派だった。ノルウェーのチョコレートメーカー、フレイア社の主力商品であり、その誕生は1937年のこと。すでにこの世に生まれて75年もの月日が経っている。ちなみにクヴィック・ルンシュ以前の話であるが、フレイア社のチョコレートは、かの著名な探検家アムンセンが南極点に立ったときにも行動食として持参されていたという。

 さて、そんなノルウェー版キットカットだが、フレイア社はノルウェーを代表するチョコレートメーカに成長し、主力商品であるクヴィック・ルンシュはノルウェーの人々に深く浸透している。なぜかと言えば、まさにノルウェー人の「山の行動食」そのものなのである。発売の当初から「卵1個とバター付きパン2枚と同じくらい栄養のある食料」として宣伝され、“Have a break”のごとくノルウェーの人々の記憶に刻まれてきたのだろう。とにかく自然遊びが大好きなノルウェー人にとっては、クヴィック・ルンシュはなくてはならないフィールド食として存在している。

 短い夏はあちこちの山に登り、湖沼にカヌーを浮かべて、雄大なフィヨルドでハイキングをする。長い冬はスキーを履いて野山を巡り、あちらこちらでバカンスを楽しむ。そのポケットには、いつもこのチョコレートが入っている。

 
 
ライター
Akimama編集部
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