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【新刊】オートキャンプからアラスカ原野の僻地まで。アウトドア料理のスペシャリスト渾身のレシピ本発売!

(2019.07.29)

ごはんのTOP

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 のっけからわたくし事で恐縮だが、ゆくゆくは自分の子どもを「料理男子」にしたいと思っている。
 
 息子はまだ1歳半なので、「何を気の早いことを……」と思われるかもしれないが、それが仕事にできるほどになれば手に職ということで海外でだって働けるだろうし、最低限の食いぶちには困らないように思う。そもそも人から感謝されることはあっても、非難されることはまずないだろう。

 さらにそれが「アウトドアの料理男子」とくれば、なおいい。 アウトドアでは人とごはんを食べる時間がとても多いが、経験上、キャンプや野外フェス、登山、シーカヤックキャンプなどで料理ができる人は間違いなく重宝され、調理スペースのまわりには必ず人が集まる。料理人を囲んで会話が生まれ、笑いが起こり、つまみ食いしてはみんなの顔がほころぶ。そういうシーンを見ていると「料理ができるってええよな」としみじみと思うのだ。

 現在その「アウトドアの料理男子」分野の先陣をゆくのが、雀家の小雀陣二さんだ。
 ヨイショするわけではないが、10年以上編集担当として料理の現場を見てきた立場として言えるのは、この方のスゴイところは“料理のフィールドを問わない”ことだ。

 自宅の台所のように道具を揃えたキャンプのキッチンはもちろんだが、山の長期縦走からシーカヤックツーリング、マイナス20度の雪中キャンプ、果てはアラスカ原野のような僻地に至るまで、限られた装備と食材で「うへ~~参りました!」と全員がひれ伏すようなごはんをチャっと作れてしまうのである。

 アウトドア料理を得意としている方々は何名もおられるが、「フィールドを問わず、しかも確実においしくて、完成ビジュアルまで文句なし」というのは、大げさじゃなく現在は小雀さんくらいじゃないかと思う。

 ってなことを本人にたまに伝えると、「ごはん食べ終わったらみんなさっさと自分のまわりからいなくなるんだよ」などとボヤく。照れ隠しだろうか。まぁときどきネガティブモードに入るとスープがしょっぱくなったり、手が止まって遠い目をすることもあるが、それらを差し引いても、間違いなくアウトドア料理のスペシャリストなのである。 いつかは息子を小雀さんの見習いに付け、小学校の高学年くらいでダッチオーブンを使いこなす「リアル・料理男子」にするのが私の密かな野望だ。メディアに引っ張りだこになったらご本家との間に軋轢を生むので、溝が深まらないようにうまくオカンが裏で調整せねばなるまい。

 で、本題(前置き長い)。

 7月25日に小雀陣二さんのキャンプ料理の書籍『キャンプ料理の王様』が発売となりました。
 これはエイ出版社のアウトドアフリーマガジン『フィールドライフ』で長きにわたって続いてきた小雀さんのキャンプ料理の連載をまとめたもの。誰でも作れるオートキャンプ向けのレシピを中心に、全85品。そこにこだわりの道具やノウハウ、旅の話などが加わって256ページに収めています。
 レシピは、3分でできる時短ものから、時間のあるキャンプだからこそじっくり作りたいもの、ダッチオーブンや炭火を使った豪快なもの、女子がよろこぶデザート系までさまざま。あと、スキレットや小型スモーカーなどを使った普段の生活でも作りたくなるレシピも多いです。

 これで1,500円(+税)は正直安い! と、編集を担当した私は思うわけです。

 掲載されているレシピは100%全部食べていますが、個人的なレシピのオススメは……
これは自分でも何回も作った。好きな野菜を大きめに切って炭火でグリル。同じ網の上でニンニクオイルを作り、最後は市販のバジルソースと合わせるだけ。自作バジルペーストだとさらにおいしいです。めっちゃオシャレに見えますが、牛肉を炙ってチーズをかけるだけ。ポイントは一にも二にも「いいお肉を使う」こと。レストランで食べるより遥かにリーズナブルなお値段で手が届く絶品レシピ。10分程度燻製するだけで別物に代わる調味料。オリーブオイルと味噌は絶対やった方がいい。またこれらで作るひと品は、とくに飲み助にはタマランです。お好みの魚介と歯ごたえのいい野菜を炒め、日本酒で仕上げたスキレットレシピ。魚介とキノコの出汁が出ておいしくないわけがないでしょう。自宅飲みでもテーブルが一気に華やぎます。

 などなど。他には技術や道具の解説や

 食材をたんまりシーカヤックに積み込んで、無人浜を目指した「若狭湾シーカヤックキャンプ」のルポなど。

 梅雨も明けたことですし、これからが本格的なキャンプシーズン。おいしいものを作ってひたすら食べる「食いしん坊キャンプ」をぜひ楽しんでください。
(写真はすべて書籍より抜粋)

キャンプ料理の王様』小雀陣二
¥1,620(税込)/全256ページ/エイ出版社
ISBNコード|978-4-7779-5673-9

 
 
ライター
ふくたきともこ

フリーランスの編集者/ライター。アウトドアやスノーボード関連の専門誌で活動する傍ら、フジロックや朝霧ジャムなど国内の野外フェスの制作にも携わる。最近の好きな山は飯豊連峰と伯耆大山。京都出身、一児の母。twitter「@happy_falls

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