縦・横断サイクリングならこの回り道── Route 5 「讃岐の国でうどん巡礼サイクリング」

2025.12.09 Tue

大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー

「その地域ならでは」を体感し、ロングサイクリングに達成感以上をもたらす「回り道」をご紹介。四国ぐるり自転車旅なら外せない、うどんづくしの周り道はこれだ!

■讃岐の田園の道に、うどんの名店がつらなる(香川県観音寺市)


とあるぶっかけうどん。レモンつきは珍しいかも。
 四国のロングサイクリングで見逃せないのが香川県の讃岐うどん。日本最小面積の県に479軒(令和3年6月1日時点)もあるから「走ればうどん屋に当たる」のだが、名店をハシゴするならルートは限られる。そのなかでも、店構えやロケーション等うどんの味以外も楽しめる店をつなぎ、しかも讃岐らしい田園を満喫できる道を選んでみた。
山内うどん周辺。

西のあたりがよい

 それがこの「香川県の西の端から高松空港」間の約70キロメートル。おおむね香川県の西半分を走破することになる。このあたりは昔からうどんが身近な食で、ゆえに老舗や人気店も多い。ルート沿いのうどん屋は、県境そばの「鳥越製麺所」から高松空港に近い「岡製麺所」まで18店舗(道をそれたらもっとある)。そのなかでもキャラの濃い店を挙げておこう。
うどんの看板がなければ、店なのか農機具倉庫なのか……。



やな川うどん本店/地元観音寺市の名産の「いりこ」がしっかり効いた出汁。
本場かなくま餅福田/店名に「餅」なのにうどんの名店。讃岐の伝統料理「餡餅入りの雑煮」にヒントを得た餡餅入りうどんがある。
SIRAKAWA/揚げたてのちくわ天が人気。
山内うどん/里山にある「ポツンと一軒うどん」の超有名店。
山越うどん/〈うどんのカルボナーラ〉と称される「かま玉」発祥の店だとか。



お結び型の山が点在する風景は、香川県中西部ならでは。 このうどん巡りルートでは「満濃池」にも寄り道できる。日本最大のため池で弘法大師(空海)造営と伝わる。
 ところで、このルートを走るときに気をつけたいのが店の休業日と、「午後早くまでにケリをつける」こと。香川県で名店とされるうどん屋の営業時間は、朝または早朝~昼過ぎが多い。そして、日曜休業という商売っ気がない店も少なくないのだ。
うどん屋ではサイドメニューも要チェック!
 そしてもうひとつ憶えておきたいのが、讃岐うどんの「小・中・大」。他の都道府県ではおおむね「中が普通の量」らしいが、香川県では「小」が標準で、うどん1玉入り。「中」を頼むと、うどん屋のハシゴは厳しくなりますぞ。

大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー

四国の瀬戸内海暮らし。仕事は自然・旅系ライター&フォトグラファーで、生きかたはバックパッカーでリバーランナー。著書はラフティングガイドたちの1年を追った『彼らの激流』(築地書館)。

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