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よっ、現場主義道具考 其の壱 ~ハンマーの巻~

2013.04.08 Mon

こちらがボンゴシ、スレッジハンマー。

こちらがボンゴシ、スレッジハンマー。本物は、けっこう迫力があります

1989年のベルリンの壁の崩壊の紙面

1989年のベルリンの壁の崩壊は、世界中の紙面にて報道されました。写真には、ベルリンの市民が壁をハンマーで壊す様子も写し出されています。1989年11月10日付けの読売新聞夕刊とLondon Heraldの11日付けの紙面

本気の鉄塊。
ボンゴシの実力

 では次に、よろず現場で大活躍するハンマーを紹介したいと思います。

 そのハンマーとは“ボンゴシ”です。またの名をスレッジハンマーといいます。スレッジハンマーという名称はウォッカベースのカクテルにつけられたり、プロレスの技名になったりとかなり人気者なのですが、それもそのはず、人間が扱う鉄塊ハンマーのなかではいちばん大きなタイプのハンマーなのです。鉄塊の重量は2.5~5kg前後、柄の部分は約1mもあります。とにかく大きくて重たく、女性や子どもには扱いづらいハンマーかもしれません。玄翁のように片方が曲面にはなっているという繊細なところはありませんが、同じ両口タイプのハンマーです。少し前にドイツを西と東で分断する”ベルリンの壁”というものがありました。1989年に民衆のパワーで壊されていますが(一部現存)、当時ニュース映像などで民衆が大きく振りかぶり、壁を壊そうとしていたときに使っていたハンマーがボンゴシです。まぁ、ドイツ人がボンゴシと呼んでいたとは思えませんが。

 ボンゴシの由来は諸説ありますが、有力なのは“棒杭打ち”からの訛りだといわれています。また、下手に使って腰を痛め、完治した時には“盆を越していた”からボンゴシなどがあります。よろず現場ではおもに“賃上げ闘争”に参加する場合に持っていきます。というのは冗談ですが、そのくらいの迫力はありますよね。

フェス会場の装飾。

フェス会場のこんなステキな装飾も、実はボンゴシがなければできないかもしれません。ボンゴシは会場づくりには、欠かせない重要なアイテムなのです

 このハンマーがよろずでいちばん活躍するのはフェスの現場です。おもに鉄杭やピン杭を動線上に打ちつけ、その上にローピングをしたり、鉄杭などは対象物と結びつけアンカーの代わりにしたりします。このボンゴシがないと、お客さんが溝に落ちたり、突風で飛んではいけないものが飛んでいったりするわけです。

 ボンゴシに感謝、と言いたいところですが、重すぎてたまに捨てて帰ろうかと思うときもあります。あっ、これは言い過ぎました。ごめんね、ボンゴシ。大好きだよ。

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