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山での“まさか”に備えて、新たな「お守り」を持とう - COCOHELI(ココヘリ)

(2018.12.12)

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 皆さんは、山岳での遭難に備えてどのような準備されているだろうか?
 私の場合は基本装備や登山届けの提出はもちろんだが、保険の一環として救助費用を330万円まで補填してくれるjRO(日本山岳救助機構)の会員制度を利用している。これで安心、そう思っていたのだが……。

 とあるイベントの会場で「ココヘリ」というサービスが紹介されていた。数年前から名前やロゴを目にするようになり気にはなっていたので、出展ブースにいらっしゃったスタッフの高原さんに詳しくお話を聞いてみた。

 ココヘリとは、その名の通り、ヘリコプターから遭難者の場所を見つけるためのサービスだ。仕組みとしてはココヘリに入会した会員には電波を発信する小さな会員証「ヒトココ」が貸与され、万が一遭難した場合は捜索窓口に連絡することで、提携ヘリが出動し遭難者の電波をキャッチ。場所を特定した後に救助組織に引き継ぐという仕組みだそうだ。

▲画像はココヘリオフィシャルサイトより

 ちなみに提携しているヘリ会社はほぼ全国の山域をカバーしていて、警察や消防のヘリにも専用受信機の導入が広がっているとのこと。

 バックカントリースノーボードで使用するアバランチビーコンでの捜索可能な距離が数十メートルに対し、ココヘリの受信機は最長16kmだそうだ。上空からピンポイントかつ短時間で遭難者の電波を捉えることができるらしい。遭難者の生存率を左右する時間が「72時間の壁」と言われるが、捜索時間を大幅に短縮できる可能性がある。

 しかし、遭難者本人がココヘリの捜索窓口や警察に連絡できないような状態(例えば遭難者が単独行で意識がない場合や、携帯電話が圏外または故障した場合)にどうするのだろうかと疑問になった。

「下山予定日時を過ぎても下山が確認されなかった場合に、ご家族やご友人からの捜索要請を受け付けて捜索ヘリが出動します。コールセンターは365日24時間体制で対応しています。万が一に備えて、ココヘリの会員IDや山行計画をご家族やご友人に事前にお伝えてください」

 さらにドキッとするお話を聞いた。

「実は、生命保険に加入されていても、もし遭難者が発見されない場合は『失踪者扱い』となります。その場合に死亡認定が下りるのに法律上7年かかってしまいます。その間、残されたご家族は生命保険金や、住宅ローンの債務弁済を受け取ることができないんです。またお勤め先も無断欠勤という理由で解雇されると退職金が支払われないケースもあるんです」

 自分に万が一のことがあっても残された家族に迷惑をかけたくないという想いで保険に入っているのに、遺体が発見されなければその保険金が7年間も支払われないケースがあるというのは正直想定していなかった。実際保険の約款には書いてあるのかもしれないが、全くのノーケアだった。私の心はこれでかなり動かされた。

 ところで会員証(発信機)の電池はどれくらい持つのだろう? 

「状況にはよりますがフル充電の状態から約3ヶ月は電池が持ちます」

 なるほど。それなら安心だ。
 ちなみに捜索の費用はどうなっているのだろう。

「1事案に対して3回までは捜索ヘリが無料で出動します。実際に捜索ヘリは救助ができないので、遭難者の場所を特定した後は、警察や消防、民間など救助隊へ引き継ぎます。警察・消防は無料ですが、民間救助隊が必要となった場合はそこで費用が発生します」

 これらの説明を聞いて、私はその場で入会を決めた。費用も入会金が3,000円で年会費が3,650円。1日あたり10円だ。私の場合は冬山がメインだが、一年を通して山に入るハイカーやクライマー、トレイルランナーなら携行する機会ももっと多いはず。年会費の3,650円は決して高くないと思う。

後日届いたココヘリ会員証の「ヒトココ」。充電は付属のUSBケーブルで行う

 他にも活動中の物品補償や、jRO会員の特別プランなど特典もあるようだがここでは割愛する。詳しくはココヘリのオフィシャルサイトで確認してみてほしい。

 発信機を兼ねた会員証「ヒトココ」はわずか20gでお守りぐらいのサイズ。必携したい山の装備であり、まさに我が身にとって、そして家族にとっての「お守り」となるかもしれない。

本体サイズは縦57×横39×厚さ13mmとまさにお守りサイズ

▼詳細はこちら
AUTHENTIC JAPAN「COCOHELI」オフィシャルサイト

 
 
ライター
渡辺信吾

アウトドア系野良ライター。デザイナー、Webディレクター、コーディネーターとしても活動中。波乗り、雪乗りで一年中真っ黒。 ホームページ「NORA」

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