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【山ヤの子育て】親子登山4座目・どうする!? 山の幼児食 <後編>

2020.01.24 Fri

まつだ しなこ 子連れハイカー

山頂でゆっくり山メシコース・景信山

 前編にて紹介した「スープジャー」を持って出かけたのは、前回の天城山の反省をいかし、山頂でおもいっきり遊ぶ時間がとれるように、高尾山から景信山までのショートコースに設定した。


ケーブルカーで高尾山山頂へショートカット、のんびり景信山へ

 スタートはケーブルカー高尾山駅(標高472m)。ケーブルカーの駅、高尾山山頂のトイレ、そしてビジターセンター脇のトイレにそれぞれおむつ替えシートがあり、子どももすっきりしたお尻でスタートをきることができる。

薬王院で山行の無事をお祈りしてからスタート。父の背中から、娘も50円玉を賽銭箱にチャリン!

 ケーブルカーの高尾山駅から高尾山山頂までコースタイム50分ほど。ほぼアスファルトの舗装路なので、冬の時期であれば汗をかくこともなく登っていける。道中、時々現れる像や、看板のイラストに楽しそうに反応しながら、飽きることなく進んで行った。

この日は高曇りで富士山がしっかり見えた。

 高尾山山頂から城山までは、70分ほどである。舗装された階段を一気にくだり、山道へ。ところどころ、まき道があるので、上り坂を避けてのんびり行くこともできる。

 道がキレイに整備されている場所では娘を歩かせたりして、親子登山を楽しみながら進んでいく。道中のトイレは台風の影響か使用不可になっていたものもあるので注意が必要。

歩くことが楽しくてたまらない時期。たくさん歩かせたいけれど、すぐに座り込んで枝や葉っぱの収集に夢中になってしまうので、なかなか進まない。

 城山から景信山までは60分ほど。この区間にトイレはない。小仏峠までは一気に下るので、ベビーキャリアを背負っての登山としては、この下りが一番の難所となるだろう。

 小仏峠からと、景信山から、それぞれ小仏バス停に降りるルートがあるが、現在、小仏峠から降りるルートは通行禁止になっているのでルート選びには注意が必要である(12月15日取材時)。

 小仏峠で待っている狸にご挨拶をし、あとは景信山山頂をめざして一気に登りきる。このあたりから、娘は大名登山に変更で、ベビーキャリアでぐうぐうお昼寝タイムに突入。

今回は、私の体調の理由から、登りはずっとお父さんにお願いした。合計15㎏以上を担いでも安定感のある歩行に、娘も安心してお昼寝タイム。


スープジャーが大活躍!冬山で食べるあたたかい山メシの贅沢

 景信山の山頂には2軒の茶屋があり、たくさんのベンチやテーブルが提供されている。高尾山から景信山まで歩いてきたルートや、富士山も見える景色のいい休憩スポットなので、山メシにはもってこいの場所である。

 本日の娘のメニューは、スープジャーで保温したクリームスープ、おにぎり、フルーツ(途中で食べられてしまった……)。冬山では水分の多いおにぎりは固くなってしまうので、残ったスープに入れてリゾット風にして食べるのがオススメ。

 ザックを開けた途端、「まんま!」と自らザックに手を突っ込む腹ペコの娘に、調理の手間なくあたたかいスープを提供できるのはとても楽チン! ショートコースだったので、山頂での時間もたっぷりとれ、山メシをリラックスして楽しむことができた。

 難点は、景信山にもトレイはあるが、おむつ替えシートはないので、ここでのおむつ替えは至難の業であることだ。小仏バス停にはおむつ替えシートのあるトイレがあるので、そこまで下りてから変えるのも手だ。コースタイムはひたすら下って、60分ほど。

スープジャーに入っているのは、前編で紹介したコーンとツナを使ったクリームスープ。

本日歩いてきたルートを眺めながら、ベンチでゆっくりランチできる贅沢な休憩スポット。


山ヤ夫婦の子育てポリシー

 子どもの成長は驚くほどはやい。私がぼんやりした毎日を過ごしているうちに、娘はある日突然立ち上がり、歩けるようになり、いつの間にかドアを開けて自分で部屋の外に出ていくようになっていた。

 あっという間に貴重な幼児期が終わってしまう! と、無性に焦ることがある。

 早期教育について、世に氾濫する情報で迷走したときは、冷静になるために思い出すことにしているのが「自然に勝る先生はいない」というわが家の子育てポリシーである。

 あれもこれも “教える” より、とにかく自然の中を自分の足で歩いて、触って、転んで、泣いて、そして笑うこと。

 8か月で登山デビューした娘には、これからもこの山ヤ流子育てを貫いていこうと思う。


 

しなこさんの、パパママへの登山アドバイス
スープジャーでおいしいお弁当をつくるコツは、中身を入れる前に熱湯で容器をあたためておくことです。先にあたためておくことで、スープの温度が長い時間保たれます。寒い山頂で冷たいごはんは悲しいですよね。熱湯を注いで、ふたを開けたまま1~3分程度しっかりあたためましょう。


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