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最大のプレッシャーの中で選んだ一曲目とは!?

(2016.08.10)

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東京スカパラダイスオーケストラが奥田民生をヴォーカルにフィーチャーした「美しく燃える森」をFPM田中知之がラテン・ハウス・リミックスした12インチシングル!スカ・ディスコ・ハウスのFPM Bootleg House Mixの視聴はhttp://meguru-records.com/shopdetail/000000000708/

野外選曲家・河合桂馬の実戦主義選曲録 其の五
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA 美しく燃える森(FPM Bootleg House Mix)

 一曲目に何をかけるか?

 DJにとって非常に重要な問題です。以前の本連載でも少し書きましたが、自分がDJをする時の選曲は、プレイする環境、状況によって大きく変わります。

 野外なのか屋内なのか。屋内であればその大きさはどうか。どんな時間帯なのか。どんなお客さんが来ているのか。バンドのライブの次なのか、DJの次なのか、はたまた一番手なのか。プレイ時間はどれぐらいなのか…とまあ大まかにはこんなことを選曲の判断基準としていつも考えています。

 この、一曲目に何をかけるか?という判断をDJ人生の中で一番悩んだイベントがあります。

「キャンプしようよ in 猪苗代」

 このイベント名だとあまりピンとこないかもしれませんが、開催2回目からは「GO OUT CAMP 猪苗代」と名称を変更しました。そう、Akimama読者のほとんどの方がご存知であろう、アウトドアファッション雑誌『GO  OUT』が主催するキャンプフェスです。現在では静岡県のふもとっぱらキャンプ場で開催される「GO OUT CAMP/JAMBOREE」、京都のスチールの森で開催される「GO OUT CAMP 関西」、福島県の天神浜オートキャンプ場で開催される「GO OUT CAMP 猪苗代」と、3カ所で行われていますが、猪苗代の第一回目は「キャンプしようよ in 猪苗代」という名称で開催されました。

 このイベントの出演アーティストは、泉谷しげるさん、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さん、birdさん、micro’n'roleという豪華メンバーに、プラス河合桂馬というラインナップで、なんと僕のDJの出番が、泉谷しげるさんの次だったのです!!しかも泉谷さんはライブステージの大トリで、泉谷さんのライブ後、ライブステージから離れることおよそ50メートルのDJブースで河合桂馬がイベントのラストを任されるというめちゃくちゃ嬉しいけど、責任重大でプレッシャーもありつつなタイムテーブルでした。

 イベント当日、天神浜の最高のロケーションでお客さんは思い思いに楽しんでいて、とても素敵な時間が流れていました。海のように大きい猪苗代湖に真っ赤な夕陽が沈み、いよいよ泉谷さんのライブが始まりました。パワフルなパフォーマンスと毒舌を交えながらもあたたかいトークで、観客で埋め尽くされたステージは、イベント最高潮の盛り上がりを見せていました。そんなステージを横目に自分はDJブースに向かいました。一曲目に何をかけようかと悩みながら選曲しようとしたのですが、なんと、DJ機材が配線されてない!(笑)。これじゃあ音が出ないので、スタッフさんに音響さんを呼んでもらおうとしたのですが、

「泉谷さんのライブに音響さん総動員なので、ライブ終了後すぐにセッティングします!」だって。

 いやいやいや〜〜!!ライブ終了直後にすぐDJ始めないと、絶対お客さんテントサイトに帰っちゃうでしょ〜!

 そう思った僕は、自分で機材を配線して、一曲目をどうするか考えました。福島でDJするのは初めてだったので、お客さんはほとんど河合桂馬のことなんか知らないはず。なので、一曲目からある程度キャッチーな曲でお客さんをDJブースに引き寄せたい。でもミーハーすぎる曲だと、このDJだせぇなと思われてみんな帰っちゃうから、みんな知ってるけどおしゃれな曲で、なおかつ一気にテンションを上げられる曲。そんなイメージでレコードバッグの中を探していると…。

 あった!!今日のトップバッターはおまえだぁ〜〜!!

「美しく燃える森(FPM Bootleg House Mix)」

 泉谷さんのライブが終わり、即座に曲をかけた。

 結果…大成功!!

 泉谷さんのステージで興奮冷めやらぬ観客のみんなが、DJブースをめがけて押し寄せて来た!!

 一時間のDJ中、みんなの足が止まることはありませんでした。

 それ以来、毎回「GO OUT CAMP猪苗代」でDJさせていただいてますが、声をかけてくれるお客さんが徐々に増えてきて、なかには、「桂馬さんだけ目当てでいつもこのイベント来てます!」なんて若者もあらわれて、「それは絶対嘘だろ〜!!(笑)」とか言ってツッコミいれたけど、お世辞とわかっていながらも嬉しさがこみ上げる、単純な河合桂馬です。

 来年も楽しみだなぁ。

文=河合桂馬 http://keimakawai.com

 
 
ライター
Akimama編集部
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