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ハンドルの造形が美しいフランス生まれのラギオールナイフ。薄型軽量ナイフがハイカーやクライマーに人気のBaladeo(バラデオ)社のフォールディングナイフのラインナップに、新たにラギオールナイフが加わりました。
ラギオール(またはライヨール)の名前をはじめて知ったのは、私がまだ学生だったバブル期の頃。当時、勝どきにあった某フレンチレストランでギャルソンのアルバイトをしていました。フレンチレストランですからもちろんソムリエさんがいます。そのソムリエさんが使っていたソムリエナイフ(コルクスクリューが付いたナイフ)がめちゃめちゃカッコよくて、どこのものか聞いてみると「ラギオールっていうんだよ」と誇らしげに見せてくれました。ナイフ部分で鉛のキャップシールをくるりと切り取り、スクリューをコルクにねじ込み、テコの原理でハンドルを持ち上げるその姿にも憧れましたし、ナイフそのものの形状、特にハンドルの形状がコルクを抜く時の手の形沿って曲線を描き、力をかけやすいようになっています。実に合理的且つ美しい形状なのです。しかし貧乏学生が買える代物ではなく「いつかは、オレもラギオールのソムリエナイフを……」と心に誓ったものでした。それから数年後、社会人になってようやくラギオールのソムリエナイフを手に入れ、15年近く愛用しています。
筆者の思い出話はさておき、ラギオールナイフは、19世紀にフランスの山岳地方にあるライヨール村で生まれ、羊飼いや農夫たちの間で使われるようになり、後にパリに出稼ぎにきた村人たちによって知られるようになり、カフェのギャルソンやレストランのソムリエが使うソムリエナイフなどが普及したそうです。ラギオールはライヨール村のパリ式の発音で、Laguioleと綴ります。ラギオールまたはライヨールと名の付くナイフはブランド名ではなくその形状のナイフを指すようです。ソムリエナイフの有名なブランドとしては「フォルジュ・ド・ライヨール」「シャトー・ラギオール」などがあります。
さて、今回バラデオ社がリリースしたラギオールナイフは、シンプルなフォールディングナイフの数種類です。
上がbaladeo社のラギオールナイフ11cmスーヤウッド。下はSCIP社のソムリエナイフ“シャトー・ラギオール”ブラックホーン。ハンドルの形状が美しいだけでなく、使用時のグリップ感やバランスなどが心地よい。いずれも筆者私物
アウトドア系野良ライター。デザイナー、Webディレクター、コーディネーターとしても活動中。波乗り、雪乗りで一年中真っ黒。 ホームページ「NORA」