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【福瀧智子のALL TIME BEST】一生あなたと生きていく! 真空二重構造のチタン製タンブラー

2019.12.09 Mon

ふくたきともこ

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

海、山、川、原野……。
それぞれのフィールドを遊ぶ達人たちに
長年連れ添った相棒を聞く新連載【ALL TIME BEST】
第六弾は、春夏秋冬フィールドにめぐまれた日本を余さず遊び尽くす
アウトドアライター福瀧智子のお気に入りです!


 初回を9月に、これまで5名のALL TIME BESTが紹介されてきましたが、6番手のバトンを受け取った私・福瀧智子の「ALL TIME BEST」がこれ。 日々の食卓、いやそればかりか、旅先でも登場しない日はない。「SUSgallery」の真空二重構造のチタン製タンブラー「TITANESS Tumbler」です。

 さて、これからとくとその魅力を綴るわけですが、あとになって心臓発作を起こさないよう先にお伝えしておきますと、このタンブラー、税別で1万6000円します。

 !!!!!!!!!! は!? 何それ? いちまんろくせんえん? ちょっとそれはいくらなんでも高すぎるんじゃない……。

 と、所有者の私ですらそう思います。いいお値段ですよね。

 しかーーーーし!!!! いいですか、よく聞いてください。この10年でこの高額すぎるアイテムに私は3つも手を出してしまいました。

 これが我が家の「SUSgallery」のラインナップ。初代はすでに使い続けて10年以上経とうとしています。左からBeer、Wine、Rockと商品名を名付けられたSUSgalleryのTITANESS Tumbler。

 日々の生活費を切り詰めながら暮らしている我が家にとって、この買い物はまさに“清水の舞台から飛び降りる”覚悟のシロモノ……。ですが、後悔のかけらもないばかりか、形の違うタイプがほかにも欲しいとさえ思うほど。

 このタンブラーを作るのは、株式会社SUS(サス)という新潟県燕市のメーカー。

 金属加工の街として江戸時代から栄えてきた新潟県燕市は、その技術力の高さから「世界の燕」として海を渡って名をとどろかせていますが、その卓越した技術がひしめく燕市においても一目置かれているのが株式会社SUS。昭和40年の創業以来、金属加工業で国内一貫製造を現在も続けるなど、メイドインジャパンにこだわったもの作りを行っています。

 ではこのタンブラーの何がそんなにいいのか、具体的に4つのポイントで解説してみましょう。

■ALL TIME BESTな理由 01
翌朝まで氷が残っているほど! 保冷力・保温効果がスゴイ

 巷にはたくさんの「二重構造」をうたうカップやマグがありますが、「断熱構造」とパッケージに書かれていても「真空」というワードが記載されていない場合、外壁と内壁との間に空気が入っている「中空断熱構造」の商品ということになります。中空構造はその空気を通じて外気の熱が飲み物に伝わるため、“一重構造と比べれば保冷保温に優れる”製品と言えます。「SUSgallery」のタンブラーが好き過ぎて、製作元である株式会社SUSを取材したことがある。そのときこの断面図を撮影させてもらった。

 一方、真空構造はタンブラーの外壁と内壁の間の空気を限りなく減らした状態。真空の部分が強力な断熱材となってドリンクの熱を外へ伝わりにくくするため、飲み物の温度変化がとても緩やかなのが特徴です。夏のキャンプで放置したビールもかなり冷たいまま。それどころか、前夜の氷が翌朝タンブラーの底に残っていることに驚くこともしばしば。

 また、真空であることによって結露もなく表面がつねにドライでテーブルが濡れることもない。熱湯を注いでも持つ手に熱さを感じない点も使い勝手がよいと言えます。

 
■ALL TIME BESTな理由02
軽く硬く錆びにくいチタン製だから雑に扱えてありがたい!

「でも、真空二重構造のカップはSUS以外にも多数流通していると思うけど」。

 そういう意見もあると思います。確かにそうですね。

 そこで、チタン製であることがALL TIME BESTの第2のポイントとなるわけです。SUSが長年培ってきた魔法瓶やステンレスボトルの製法を応用し完成したのが、世界初の「チタンによる真空二重構造」。割れやすく、加工の難しさはステンレスの比でないチタンを素材に、熟練の職人たちの技術を結集させ2枚の薄いチタンを生み出すことで“真空の壁”が実現されました。

 チタンは軽さ・硬さ・錆びにくさなどの優れた特性から、シェラカップや、テントのポール、ペグなどにも使われるアウトドアと親和性の高い素材。このタンブラーがチタン製であることによって、使用シーンが室内に留まらないことがアウトドア好きとしての大きな魅力なんですね。
 飲食の比重が高いキャンプや野外フェスには必ず持参。

 夏の縦走では体重をかけてバックパックに押し込んでもビクともせず、食器を海水で洗うようなシーカヤックキャンプでも気にせず使える。いい雪を求めてクルマを走らせる車内では熱いコーヒーを注いでドリンクホルダーにスタンバイさせ、転がり込んだ友人宅では雪で冷やしたタンブラーにキリっと冷たいビールを入れて乾杯。
山装備リストの上位常連のタンブラー。乾杯のビールに始まり、ワイン、焼酎、ウィスキーお湯割に至るまで、飲み好きには「必携アイテム」だと思う。

 そして自宅に戻れば荷物から掘り出し、お茶を入れてほっとひと息……。

 改めて考えみると、これまでパンクすることもなく、性能や形、色などが劣化することもなく、10年間、そしてそれ以上に使い続けられるなら、1万6000円は果たして高い買い物なのでしょうか。

 
■ALL TIME BESTな理由03
二重とは思えない飲み口の薄さがスゴイ

 うちに遊びにきた友人たちがこのタンブラーを使って驚くのが、二重構造とは到底思えない飲み口の薄さ。通常、真空でも中空でも二重構造になっているカップ類はもっと飲み口が厚いものが一般的ですが、こちらは2枚のチタン合わせて1mmに迫る薄さ。

 その口当たりは非常に滑らかで、グラスの抵抗を受けることなく飲み物が口へと入ってきます。飲み物を飲むという行為自体がちょっと豊かな時間に代わるような、高級タンブラーを手にした特権を噛みしめる瞬間です。
 

■ALL TIME BESTな理由04
芸術作品のような佇まいがスゴイ
 雪の結晶が付いたような独特の風合いと、この金属製品のソリッドな質感は、芸術作品さながら。私が愛用しているのは全6色あるうちの「ミラー」というもっともクールな色で、表面に浮き出たようなこのわずかな凹凸は加工の際に表面のチタンを結晶化させて生んだものだそう。かすかに手のひらや指に触れる焼き物のような質感がまた心地よく、この独特のテクスチャーがテーブルでも存在感を高めます。

 アウトドア用に作られたチタンの真空カップは他にもありますが、機能美を楽しみ、職人の技術やデザインを楽しみ、所有することそのものまでをも楽しめるのは、このSUSgalleryのTITANESS Tumblerではないかと思うわけです。本当に、よくぞまぁこんな道具を生み出してくださいました。

 何を飲むにもこのタンブラーに手が伸びる“中毒性”すら感じてしまう今日この頃。ラインナップは全10種類。清水の舞台覚悟で、死ぬまでにひとつはぜひ使ってみてほしい名品のご紹介でした。

 現物を見てみたい方は、東京・日本橋にフラッグシップショップもありますよ!
(左から)
SUSgallery/
TITANESS Tumbler「Beer Mirror
サイズ:φ74×H144㎜
容量:400㎖
重量:144g
価格:23,000円+税

TITANESS Tumbler「Wine Mirror
サイズ:φ72×H186㎜
容量:280㎖
重量:95g
価格:16,000円+税

TITANESS Tumbler「Rock Mirror
サイズ:φ74×H180㎜
容量:230㎖
重量:80g
価格:15,000円+税


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