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GNUさんの部屋Vol.1「裸に近ければ近いほど、自然は近くなる」。ヌー式超長距離トレイル対応レイヤリング

(2017.06.22)

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ハイキング界からの刺客
「長沼”GNU”商史」さんに原稿を寄せていただくことになりました。
第一弾は、長距離トレイル向けレイヤリングです!

自然を愛したければ、自然が好きなら、余計なものは持っていくな。

だって、彼女と愛し合う時は裸でしょ? ふたりの間に衣類やらなにやらをごちゃごちゃ置くやつはいない。間にあるモノを減らすのは、深く知る、愛す、扉を開けるための大事な手順なんだよなぁ。自然も同じ。

裸に近ければ近いほど、自然は近くなる。

どうも、ヌードです。
……じゃなくて、ヌーです。

今回はヌード、じゃなくて俺の「長距離ハイクのレイヤリング」の話をしようと思う。

超長距離トレイルを歩くとなると、春から秋までを費やすことになる。後半は季節に追われながら歩き、標高の高いところだとちょっと冬、なんて感じになる。

アメリカの三大長距離自然歩道のひとつ、パシフィック・クレスト・トレイルの旅を例にとると、ひとつのトレイルに砂漠があり、富士山より高い高山もあり、気温は上では38℃、下ではー5℃くらいにもなる。旅の間の温度差は実に43℃! 春から冬まですべての季節を一気に体感することになる。

こんなPCTを歩いてみて、「−10℃を下回らない状況ならこん時着てた服で十分対応できる」ってのが俺の結論。こんだけあれば、他はいらないんだよなーって感じかな。

みんなも、俺の超実践的なレイヤリングを知りたいよね? 
え、そうでもない? まあそう言わずに……。
すみません、ぜひ、読んでください。
せっかく書いたから!

はい、これが基本の一式。

それでは足元から紹介。トレランシューズ(これはまた別の回で解説)に合わせるのは、ウールのちょい厚めの靴下。靴下はダーンタフ、が無ければスマートウール、が無ければモンベル。これにレッグウォーマーも使う。モンベルのジオラインLW。

で、ハーフパンツは山と道の5ポケッツショーツ! これが調子いい。俺は藪漕ぎとかが無くて、冬じゃなければ基本ハーフパンツを愛用。ハーフパンツにはたまに細めのがあるけど、横からナニをポロっと出せないやつは使わない……。ポロリできてこそのハーフパンツ。

下半身はこれらを組み合わせて温度調節する。寒ければレッグウォーマー、さらに寒かったらその上にカッパのズボン、さらに寒かったら……歩き続けて温まる。

アンダーウェアはウールのボクサーみたいなのが良い。アイベックスのウールのボクサーが調子良かったけど、最近はモンベルを履いている。安さに負けた(笑)。

それでは上半身へ。

Tシャツは ウールならなんでもいいんだけど、今までで調子良かったのは、アイベックスとアイスブレーカー。

基本的に、肌にふれるものはウールを使う。靴下、アンダーウェア、Tシャツはウール一択。 臭くならず、濡れても保温。でもね、2週間も着続けると、ウールを通り越してその上のハーフパンツとか、Tシャツの上に着てるものだとかが臭くなる(笑)。このもののけスメル、自然を愛した勲章。

で、Tシャツの上はパタゴニアのキャプリーン1 (今だとキャプ1デイリーとかいうやつか?)。95パーセントの確率で白着てます。これは対日光のため。そして、風通しを良くして涼しくするために少し大きめを、着てる。 やっべー暑い時はTシャツ脱いでキャプ1のみ。

暑いにも 温度で暑い、湿度で暑い、日光が暑いがあるんだよなー。キャプリーン1の白は、種類の違う暑さに対応できている気がする。

ちなみに、ずーっと歩いていてウールのTシャツに直でバックパックを背負うと、Tシャツの肩が破けてきます。けど、Tシャツの上にキャプ着てると破けない。キャプは何気に強い。

そして、ちょっと気温が下がったらその上にフリースの薄いやつを身につける。モンベルでいうとシャミース。今使ってるのはコロンビアの名前知んないけど薄いやつ。ユニクロも可。

本格的に冷える時はダウンジャケットを着る。NANGA x HIGHLAND DESIGNS のSuperlight UDD (UltraDryDown) Jacket。

それでも寒かったらダウンの上にカッパ。カッパもレイヤリング仲間、持ってるモノはフル活用する。カッパはカタ落ちだけど、Zpacksの ブリーサブルキューベン。超軽い。上、133g 下、90g。

そんで頭は白の手拭い 。日差しよけ、髪が邪魔だから。 たまに黒。

これらの組み合わせで着たり脱いだり、脱がせたり 、 イヤんっ♫ つって 調節してます。

てかこれ以外は不必要。
オシャレしたければ別だけどね。
長いトレイルじゃそんなの誰も見てねーけどね 。

日本ではこれを基本にフリース部分が化繊のインサレーションになったり、フリースのシャツに変わったり。ハーフパンツがロングパンツになったり。ダウンが薄くなったり、化繊のやつになったり。

さっき、必要ねーっ!っていったじゃん!? 嘘なの? なんなの?

日本だと俺的に本当の意味でのロングディスタンストレイルがないからね……。長くても四、五泊でしょ? 数ヶ月かからないと解放されないんだよね。経済とかオシャレとか、そんなんから 。だから 少しチャラつくのです…… 。

ちなみによく雑誌とかネット上の討論みたいのとかで 「これ着なきゃだめだ! 山をなめるなよ!」みたいの言ってる人いるでしょ? あれ、気にしないでいいよ 。好きなの着なよ。

大事なのは何を使うかじゃなくて、危機管理なんだよ、結局。

物事の先を読むこと。最悪を想定すること。想像力。柔軟性。これなんだよな。だから俺は山にユニクロだって着てくし、アメリカ人なんて山に綿のTシャツ着てくる奴だっているからね(綿はオススメしないけど )。

そんで、長く歩く時、必要じゃないものは持っていかない! これ基本。

服だけじゃなく色々なギアや歩き方、やり方、自分のスタイルができるまでは試行錯誤するだろうけど、我が道を行ってね!

“Hike Your Own Hike” ってやつだね。

ちなみに、俺のギアとか参考までに知りたい人は
『釣歩日記』をどーぞm(__)m 。巻末にギアリストやらなんやらあります。
紙の本、キンドル版もあります。

と 最後にぶっこむ。
買ってね!

長沼”GNU”商史
パシフィック・クレスト・トレイルをスルーハイク、コンチネンタル・ディバイド・トレイルをセクションハイク、テ・アラロアをスルーハイクするなどなど、国内外の長大なトレイルを歩き、その模様を『釣歩日記』にまとめる。近年取り組むのは、子供の頃から楽しむ釣りとハイキングの融合。ブログ=「釣歩大全 ロングトレイルと釣り」

 
 
ライター
Akimama編集部
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