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<老舗山専さかいやスポーツ> 雨を制する売れ筋アイテム7選!

(2016.07.19)

道具のTOP

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東京・神田に店を構えて60年。
多様なブランド展開と取り扱い数に定評のある
「さかいやスポーツ」の高橋典孝さんに
梅雨まっさかりの6月に売れた
「雨モノ」を教えていただきました!

 編集部からの「雨の季節に売れたもの」というお題でピックアップしましたが、今年は例年以上のカラ梅雨でした。しかし不思議なもので、好天が続いたからみんなが山に登る→山で必要な道具を用意する→雨に備える道具が売れる、ということで、雨モノの売れ行きは例年通りかそれ以上。やはり「フィールドに出たい!」という気持ちこそが購買意欲の源泉なのだな、と改めて感じ入っております。

 道具全般を見渡してみれば、今年の夏山商戦はスタートダッシュからトップスピード、といった印象です。山に雪が少なかったため、今年はシーズンインも例年より早め。シーズン中にいつもの年より多く山にいける、とみなさんが思われたのか、道具の新調需要もひしひしと感じています。

 今回の売れスジ雨モノ紹介ですが、あえてスタンダードなレインウエアは外しております。例年、爆発的に売れるのはド定番。そう、みなさんも必ず持っているあのレインの紹介になってしまうから! 今回は新しい萌芽を感じさせるニューカマー売れ筋と、隠れスタンダードを中心にご紹介さしあげます!

■ ザ・ノース・フェイス/ハイパーエアジャケット
¥39.000(税込)


ゴアテックスの新しいテクノロジー“パーマネントビーディング”を採用した軽量アルパインレインジャケット。これの何がすごいって、ゴアテックスパックライトのメンブレン面が「表」、耐久性があって保水しづらいマイクログリッドバッカーが「裏」にあること。ちょっと乱暴にいえば、普通のレインウエアと表裏が反対になるように生地を使っているのです! そして、これによって得られる最大の効果は、ウエアが水を保持しにくくなること。雨に濡れても“バサッ”とジャケットを振れば“さっ”と水をきることができます。「保水しづらいって大事だな~」と本気で感じる、速乾性能にうっとりです。そのうえ重量は176g(メンズS)とゴアテックスなのに超軽量。トレイルランやファストパッキングなど、ウルトラライトな装備での登山で真価を発揮するでしょう。正直な話、藪こぎや大型ザックとのこすれに強いとはいえませんが、それを補って余りある際立った性能!! おまけに日本国内では200枚だけの限定販売(*まだ若干在庫がありますよ!)。王道のレインウエアではなく、かなりコアな裏道街道ばく進中のレインジャケット。さまざまなアクティビティをシームレスにこなすさかいやのお客様が選ぶのも納得な逸品です!

■ EXPED/トレント30
¥19.440(税込)


840デニールと超強力なナイロン生地に耐水圧10,000mmのTPUフィルムラミネートを施したトップロール式の防水バックパック。とっても丈夫な生地に便利な3本のデイジーチェーンが付いたこのザックは、工夫次第でさまざまな使い方が可能です。ロールトップをしっかり閉めこめば、完全防水に近くなるので沢登りやカヤックツーリングで活躍。2個のカラビナを付属し、ロールトップはサイドのデイジーチェーンで固定することも可能です。「30Lにしちゃヒップベルトがちょっと大仰なんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。でも大丈夫、ヒップベルトは着脱可能です。こんなアイテムですから、もちろん梅雨の時期や雨の日の通勤・通学用にもおすすめ! 濡らしたくないPCや書類をがっちり保護してくれることでしょう。大雨の中でもコイツを背負ってさっそうとオフィスに登場したら、みんなの羨望のまなざしをうけるのはまちがいなし。そしてなんと、こんなにもマルチでヘビーデューティなザックが¥18,000+税。うーむ、安い!! タフでお値打ちで防水。ヘビデ好きの男ごころをくすぐる三拍子そろったアイテムです。

■ シートゥーサミット/
ウルトラシル eVentコンプレッションドライザック S
¥3,564(税込)


30デニールのウルトラSILナイロンにフルシームを施した防水ドライサック。ドライザックに濡らしたくないものを詰め込んだときって、中の空気を押し出すのにちょっと難儀します。ほんとに少しの手間なんだけど、荷物の出し入れの度となるとストレスを感じてしまいます。そんなイライラを便利な機能で解消してしまったのがこのバッグ。防水透湿素材で通気度の高い「eVent」を底面に使っているので、ロールトップを閉めたあとに外から圧をかければ、高通気の底面から余分な空気を押し出してくれるのです。なんともナイスなアイデア! もちろん空気の逆戻りはないので、コンプレッション状態がそのまま保てる優れものです。めんどくさがり屋の私も納得の機能です。ザックの中のものがとにかく濡れてしまいがちな梅雨時期のトレッキングに相性のよい小物です。そして、全くの余談ですがドライバッグがいま女子に売れています。野外フェスで使うのでしょうか、およそ登山をしないとは思われる女性が購入されていきます。しかし考えてみれば、この手のドライバッグは価格も安めで高品質、ちょっとアウトドアテイストをファッションに取り込みたいときにうってつけのアイテムなのかもしれません。

■ SALEWA/
ALP FLOW MID GTX
¥40,104(税込)


雨の登山・トレッキングといえばゴアテックスシューズが定番ですが、弱点があるとすれば足裏のムレ感でした。それを解消するべく登場したのがこのシューズ。誤解を恐れずに、ざっくりひと言で説明するならば、「足裏部分に通気スペースをつくったうえ、ゴアテックスを装備。だから足裏も透湿してムレにくいよ」ってテクノロジーです(本当は、もっともっと緻密で精巧にできています!)。足に汗をかきやすい人、足裏をドライに保ちたい秘密を抱えている人には絶対ほしいアイテムです。もちろん、既存のブーツに問題を感じていない人が履いても快適ですよ!

■バーバリアンチーフテン/
BC F-01 ラバーブーツ
¥17,064(税込)


長きに渡って信頼される日本ブランド発のラバーブーツ。カヌー、フィッシング、山小屋の作業用などなど、プロに信頼されて指名買いされるモデルです。長距離を歩いても疲れにくいソール、経年劣化に強いラバー、脱ぎ履きしやすいのに、歩行時には足に柔らかくフィットするデザイン。ガチなアウトドア長靴といえばこれしかないでしょう! 重量は片足で960g。……お、重い! でも良い!

■ニクワックス/TXダイレクト ウォッシュイン ¥1,836
 グランジャーズ/クロージングリペル ¥1,512

アウトドアウエア用撥水剤のTOP2ブランド。それぞれTXポリマーとアクリルポリマーを使用した、透湿生地の性能を保ちつつ環境にも配慮した撥水剤です。ただ、つければいいというわけではないのが撥水剤。ウエアのケアラベルに沿って、見えない汚れもしっかりと洗浄したうえで撥水加工を施すことが重要です。撥水剤にはスプレータイプ(ニクワックス¥1,944、グランジャーズ¥1,728)もありますが、どちらも水溶性の溶剤なので濡れた状態で吹き付けることが肝心。これを怠らなければどちらを使用しても満足を得られると思います。本当に細かい違いを話せばいろいろとあるのですが、そちらはお店にて! この2ブランドの撥水剤と洗剤、最近飛ぶように売れています。ということはお客様の撥水に対する意識、衣類のケアに対する意識が高まっているということ。ちゃんとケアすれば山でのトラブルも減るし、機能性に優れたアウトドアウエアの本当の良さもわかる。素晴らしいことだと思います!! アフターケアのアドバイスなどもお手伝いしますので、わからないことがあればご相談くださいね!

■ユーロシルム
バーディーパル アウトドアアンブレラ
¥8,100(税込


ドイツで傘づくり一筋90年のファミリー企業の作る、U.Lボーイズ御用達。その特徴を申し上げれば……「とっても丈夫な傘!!」(笑)

6月の総評

 いま、ひとつの大きな波が登山界に押し寄せています。それは空前の「高山&アルプスデビュー!」。低山ハイクからステップアップして、八ヶ岳や夏のアルプスに登りたい、という方が毎日、しかも大勢いらしております。こんな方々にはすでにお持ちのアイテムをお聞きして、高山に必要な追加するべきアイテムを助言しています。

 しかし、ちょっと気になっているのが、ビギナーの方が衣類と足元を過度に軽量化したがること。最近のU.Lブームで軽量な道具にビギナーの方が興味を持たれているようですが、本来U.Lなアイテムとは、自分の能力と山で起きえるトラブルが見極められるようになってから手が出せるもの。雑誌に出てくるU.Lの先駆者のみなさんも闇雲に軽量化しているわけではありません。道具の吟味に長い時間をかけ、自分の山行に必要ないと思われる機能と重量を切り捨てて、あのスタイルに至っています。機能と重量を切り捨てるのは、ときに「安全性」をともに捨てることになるからです。

 たいていの山行では、念のため用意したツェルトや非常食を使うことなく下山できます。しかしそれは、「万が一」への備え。いつも使わないからといって、省いてもよい装備ではありません。道具の安全率もこれと同じ。たった一度でも、道具に不備があるときにシビアな天候が訪れれば、重大な事故につながりえます。そして想像を超える状況にも遭遇しえるのが、山の怖さでもあり魅力でもあります。「絶対に大丈夫」と思えるようになるまでは、安全率を多めにとった装備で山に入っていただきたい、と私タカハシ、切に願っております!

「おっとっと! 雨ものだけに締めが湿っぽくなりましたが、いよいよ夏山のハイシーズン、楽しんで登ってまいりましょう。やっぱりいいですよね、夏山!」

 
 
ライター
Akimama編集部
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