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話題のSUPをテスト! 全モデルを一新した「HALA」にテントを積んで川や海を旅しよう

2017.07.27 Thu

森山伸也 アウトドアライター

 頭のなかを水遊びが独占する酷暑が続いておりますね〜。

 その水遊び、みなさんはなんですか? 海水浴? 沢登り?

 ぼくはもっぱらSUPツーリングです。

 SUP(スタンド・アップ・パドルボード)にキャンプ道具と食料、ビールを積んで、川や海を移動しながら焚き火して寝る。そんな旅にハマっています。

 SUPはいつでもどこでも水面に飛び込めるから夏にはもってこいの遊びなんです。ぼくが使っているのはインフレータブル式なのでたためば小さくなるし、カヤックより断然軽いし。公共機関を使った旅も滑らかに進みます。

 こんな感じで↓
これは北海道の天塩川を90㎞下ったときの写真。デッキに5日分の食料、ビール、キャンプ道具一式、犬1匹を積む。このくらい積んだほうがむしろ安定するSUPは、『HALA』のツーリングモデル“NASS”。

 SUPには自分の体重も含めて約100㎏の荷物を載せるわけなので、サーフィンから派生した波乗りモデルでは役立にたたず、そこそこ浮力があって質実堅牢なツーリングモデルでなければなりません。

 ぼくが使っているのは、アメリカのコロラドで作られている『HALA』というブランド。もともとダウンリバー用に作られたSUPだけあって頑丈で、浮力もあり、安定性が高い。そのなかでも荷物を載せて、長距離移動できるツーリングエクスペディションモデルが、ぼくが愛用する“NASS“です。

 今季、『HALA』の全モデルが新しく生まれ変わりました!

 ウン万円もする商品を全モデル一新することからも察せられるように、世界的にSUP人気はぐいぐいキテいるようです。

 できたてホヤホヤ『HALA』“NASS“の2017シーズンNEWモデルを紹介しましょう。じゃじゃーん!
『HALA』のツーリングモデル“NASS“。海、川、湖……荷物を載せてどこでもツーリングできる万能モデルだ。長さ382㎝、幅74㎝、厚さ15㎝。重量13㎏。本体価格¥198,000(税別/ハンドポンプ、カーポンプ、フィン、リペアキット、収納バッグが付属)

 それでは早速、収納バックから取り出してセットアップしてみましょう。

 本体を広げ、車のシガーソケットから電源をとり付属のカーポンプを使って膨らまします。もちろん人力のハンドポンプだけでも膨らませることはできますが、夏場は進んで電気のチカラを借りたいもの。

 おおー、2016モデルに比べカーポンプがだいぶ小さくなっているではないかー。
 ふた回りほど小さくなった新しいカーポンプ。このくらい小さければ、車の中に常備できる。このカーポンプ、パックラフトや浮き輪、スリーピングマットを膨らませるときにも使えるぞ!

 付属のカーポンプだけでは、カタログ数値の気圧まで空気を入れることはできません。フィニッシュはハンドポンプで。このハンドポンプもリニューアル! 全体的に重厚感が増して、グリップもよく力が入れやすくなりました。カラーもブルーから濃いレッドに一新。
ハンドポンプには「イン」と「アウト」のホース連結口がある。より小さく本体を収納したいときは、ホースを「イン」に連結してポンプを押す、引く。すると本体の空気が隅々まで抜かれ驚くほどクシュっと小さくなる

2017年モデル、最大の特徴がこれ!
 ボードの裏と表にカーボンシートが搭載されたのです。この補強により剛性がアップし、ネジレに強くなりました。足裏からの力の伝達もスムーズになるに違いない! リジットモデルのような剛性と推進力を手にしたというが、さて乗り心地は?!
幅約20㎝、長さ約2mのカーボンシートが裏と表に補強された。重量や形状を変えることなく、剛性を高めたテクノロジーである。これでもう「インフレータブルは推進力に難がある」とは言わせない!?

 表側もデッキパッドの下にカーボンシートを張って、本体を補強しています。ホワイトウォーターの大きな波でも歪むことなく、推進力と直進性をキープする剛性を生みだしました。
本体にカーボンシートを裏表からサンドイッチしたような構造。収納時はさほど固さを感じることなくクルクル丸められる

 また2016年モデルはセンターフィンのほか、両サイドに2つ取り替え不可の小さいフィンがありました。

 ところが2017年はセンターフィンだけに! サイズをより大きくして、1本でも直進性を維持しつつ、水の抵抗を抑えています。これまでは取り替え不可のサイドフィンに気をつかって、ボード本体を地面にベタッと置けませんでした。しかしこれからは、センターフィンを外すだけでベタッと置けます。これはなにげにうれしい。心おきなくスリーピングマットとして使えるのですから。
2016は8”Flex Finだったが、2017は9”Race Finにサイズアップ。その代わりにサイドフィン2枚がなくなってよりシンプルな構造に。水の抵抗を抑え、推進力を高めている

 さて、いよいよ海面に浮かべて、乗ってみましょう。

 うんうん、なるほど。たしかにボードに剛性がでました。パドルで水中を漕ぐ瞬間、足裏でボードを押し出すように力を加えるのですが、その力がムダなくボードへ伝わっている感じがします。おもしろいようにスイスイ進みます。
 沖に出ると波がでてきました。剛性を生むカーボンシートが波をまともに受けて、ちゃんと踏んでいないとボードが揺れるイメージです。そうか、しなやかな2016モデルは、波のパワーを緩衝して安定性を高めていたのだな。またフィンが1本しかないからか低速時はちょっと不安定になった感じがしました。

 剛性が高くなってスピード性能、直進性、推進力はアップしましたが、安定性が高まったとは言いがたい乗り味です。

 推進力と安定性は、相反する機能であるから一方に力を入れると、一方が劣る。2017モデルは『より速く、より遠くへ』をコンセプトに推進力を高めたモデルといえます。
犬がデッキでウロウロする振動もよりよく伝わる2017モデル。カーボンシートが本体に一体感を生み、より効率的に足の力を伝えやすくなった

 より長い距離を移動することに長けた“NASS”2017。SUP旅にどんな化学反応をもたらしてくれるでしょう。

 まずは体に慣らすため、家の横を流れる千曲川を下ってみようと思います。
カヤックやカヌーと違い、どこでもいつでも水に飛び込めることがSUPのいいところ。予備パドルとして、カヤック用のダブルパドルを携行している。風がでて海が荒れても、座ってダブルパドルで漕げばなんとかなる

 ボード本体だけでなく、それを収納するバッグもグレードアップしましたよ。バッグは本体、ハンドポンプ、カーポンプ、フィン、ライフジャケット、リーシュなど一式がすっきり収まる大容量。2016は筒状の簡易バッグでしたが、2017は本格的なローリングバッグに!
 コロコロ転がせるローリング式。径の大きいローラーを用いて、多少の段差もストップ知らず。公共機関を使う旅に嬉しい機能ですね。
 2017はショルダーハーネスに加え、ウェストハーネスも追加! 背面パッドも備わり、より背負いやすい仕様になりました。もちろん各ハーネスは、背面内部に収納可能です。
 ファスナーを全開にすれば、このように前後のパネルが大きく開きます。ギアを取り出しやすく、収納もスピーディーに。

 てなわけで、この夏生まれ変わった旅の相棒『HALA』のSUP。今夏も『HALA』とともに海や川を旅してきますよ〜。

グレードアップした『HALA』SUP全モデルはWEBでチェック!
(写真=大森千歳)

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