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【A&F ALL STORIES】「カブー」とともに、どこまでも見渡せるサイコーの1日を!

(2018.09.11)

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昨年秋に埼玉県・長瀞で行なわれたKAMP KAVUでのツーショット。ベイリーは赤津会長のことを“He is my second father.”と話していた。ただのビジネスパートナーではない、人と人とのぬくもりのある関係が、アウトドアの小さな業界にはまだ残っている。

 山で、海で、川で、仲間と1日を過ごしたあとの心地よい充足感を、読者のみなさんなら知っているだろう。そんな1日を、ベイリーの家では「カブー・デイ」と呼んでいた。

 ベイリー・バーは、コットンキャンバスのキャップやウェアで知られるカブー(KAVU)の創業者。耳慣れないブランドの名は、「限りなく視界良好」を意味する航空機パイロットたちの合言葉「CAVU(Clear Above Visibility Unlimited)」のCをKに変えたものだ。ベイリーの父親は漁師だったがハングライダーの元世界チャンピオンでもあり、ベイリー自身も熱狂的なパラグライダーだった。空を飛ぶのにもってこいの視界良好な1日は、たしかに仲間と過ごすにもサイコーに違いない。
アイコンでもあるストラップキャップは、アラスカでサーモン漁をしていたベイリーが過酷な環境にも耐えられるよう考案したもの。ツバの芯材にプラスチックとポリウレタンを使っているため水に浮き、その裏側は黒くして照り返しから目を守る。サイズ調整も兼ねる特徴的なウェビングは、ちょうど同じ頃にデビューしたテバのサンダルにヒントを得た。肉厚な10オンスのコットンキャンバスは頑丈で、使い込むごとに色あせて風合いを増す。「ストラップキャップ」(4,500円+税~)
 最初の製品はストラップキャップ。アラスカの漁でいくつものキャップを風に飛ばされたベイリーが、悔しい思いをしないで済むように生み出した自信作だ。そして、このキャップを日本に紹介したのがA&Fである。まだ若いブランドは、極東のディスリビューターとどんな風に出会ったのか。昨年秋に行なわれたイベント「KAMP KAVU」で来日したベイリー・バー本人とA&F赤津孝夫会長に話を聞いた。

「赤津会長と出会ったのは、1993年か94年のリノのショーだったと思います。インターナショナルレベルのショーに出るのは初めてのことで、お客さん(店やディストリビューター)とどんな話をすればいいのかもわからなかったけど、製品のアイディアだけはあって、ブースを出していました。赤津会長のことは、共通の友人であるダン・ダールが紹介してくれたんです。会長はストラップキャップを見て、おもしろいねと言ってくれました」
創業当時の若きベイリー。アメリカ・ワシントン州北西部、ピュージェットサウンドに浮かぶサンワン島の漁師の家に生まれた。17歳の時にサマーバケーションを利用してアラスカでサーモンを釣る会社「ブリストル・ベイ・ボート」を設立。漁を行なう船上の日々でストラップキャップの着想を得る。後ろの壁にかかっているサンバイザーは、その原型となったもの。
 ダン・ダールはブランドとディストリビューターの間を仲介する仕事をしていた。当時は日本に住んでいてA&Fとも親しく、リノのショーでは赤津会長と一緒に会場を回っていた。

 赤津会長もその時のことをよく覚えている。

「ストラップキャップは市場に類似品がなくてね、オリジナルでとにかくユニークでした。丈夫なキャンバス素材で、風に飛ばされないストラップが付いていて、デザインもよかった。ブレイクの要素が揃っていましたね」

 実際に、ストラップキャップはまたたく間に大ヒットとなった。当時のドタバタを思い出したのか、笑いながらベイリーが話す。

「(ブランドを)立ち上げたばかりで、プレシーズンにサンプルを見せてオーダーをもらって、それからものを作って売るという順番さえ知らなかったんです。最初からものすごく沢山のオーダーをもらったのはよかったけど、生地を買うために前払いするお金を工面するのが大変でした」

 右も左もわからないような状態のなかで、初めて会った海外のディストリビューターと仕事をするのは不安ではなかったのだろうか。

「赤津会長は人柄があたたかくて話しやすかったし、会長と古くから知り合いだったダンが、強烈に推薦してくれました。この人は本当に大丈夫。信頼できるからって(笑)」

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ライター
Akimama編集部
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