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【A&F ALL STORIES】磨き抜かれた逸品を、道具の観点からウェアを生みだし続ける野外研究所「アウトドアリサーチ」

(2018.10.19)

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 じつを言うとね……。

 まいったなあという顔で、A&Fの赤津孝夫会長はいたずらっぽく笑う。

「極めて個人的な話ですが、テクニカルウェアに対する興味が薄くてね……」

 バブアー(Barbour)やカブー(KAVU)、ペンドルトン(PENDLETON)といった自然素材を使い、エイジングを楽しめるウェアを多く扱っているA&F。もちろん、過去にはムーンストーン(MOONSTONE)やクロロフィル(chlorophylle)など、先端素材を使ったコアなブランドを扱ってもきた。ところが、そんなクロロフィルが買収の憂き目に遭ってしまう。

「そこで、どんなブランドを扱うべきかを考えたわけです」

 そして、これも私見ですがと前置きし、会長はこう続ける。

 ウェアは鏡を見て、似合う、似合わないで選ぶことが多い。しかし、着るものも、用途に見合った機能に基準を置いて選ぶ、いわば「道具」であるべきだ——。

「そんななかで出会ったのが、アウトドアリサーチ(OUTDOOR RESEARCH/OR)だったんです」

 ORは、アメリカを代表するギアブランド。岳友のマッキンリーにおける遭難を機につくりあげた「Xゲイター」が評判を呼び、創始者のロン・グレッグは1981年にブランドを立ち上げる。その後も、保温性に優れた「モジュラーミッド」や「ブルックスレンジャーオーバーブーツ」、世界で初めてゴアテックスを使ったレインハット「シアトルソンブレロ」、同様にゴアテックスを初採用した「クロコゲイター」など、類を見ない革新的な道具を生み出すことで世界的企業となっていった。
(左)ORの名を知らしめた傑作・Xゲイター。ブーツにフィットし、雪の侵入を許さない。(右)発売当時のXゲイター。
 なかでも四肢を守るアイテムにはこだわりがあると見え、本国サイトによると、ヘッドアイテムは102種、グローブは116種がラインナップされている。

 そんな生粋の「道具メーカー」に変化が生じたのが2003年、フィールドテスト中のロンが、雪崩により帰らぬ人となってしまう。

「ロンは、いわば北米アウトドア界のアイコン的存在でした。そんなカリスマの遺志を継いだのが、バックカントリースキーヤーとしても知られる、現会長のダン・ノードストロームです。彼が私財を投じてORを救い、周辺アイテムに心血を注ぐ精神はそのままに、道具の観点からアパレルラインを拡張していったんです」

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ライター
麻生弘毅

1973年生まれ、フリーランスライター。カヤックやバックパッキングなどによる、長い旅が好き。著書に北極圏の泥酔紀行『マッケンジー彷徨』(枻出版社)がある。

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