line_box_head

【毎日コフラン】オトコだぜー! これぞオトコの道具だぜー! ホーボージュンのコフラン第1位は……キャンプクッカー

(2019.06.24) PR

道具のTOP

icon

内部がコーティングされたアルミパンに長いハンドルを取り付けた焚き火用クッカー。焚き火の熱や火の粉を気にせずに調理することができ、ホットサンドや酒の肴を作るのにちょうどいい。山に持って行く時はトレッキングポール用のループを使ってバックパックの外側に取り付けると便利。

 君たちは「バカ焼き」という言葉を知っているだろうか? 知っていたらかなりのバカか、バカバカしいまでのホーボーファンだ。なぜならこれは僕が作った造語で、もう20年も使い続けているがいまだ使っている人を見たことのない死語だからである。

 僕が「バカ焼き」を発明したのは20年前のこと。場所は南米アルゼンチンのパタゴニア大平原である。この時僕はマウンテンバイクに家財道具と人生のすべてを積み込み、南米大陸縦断の旅を続けていた。

 人力移動の旅だからして、重い荷物は持てない。当時から軽量化ヲタクだった僕はチタンやカーボンパーツを多用したり、歯ブラシの柄を削ったりして旅道具の軽量化にいそしんだ。

 にもかかわらず、僕はこのゴツい焚き火用の「キャンプクッカー」を持っていったのである。全長は66cm、重量は600gもある。もしハイカーズデポの店主だったら「ひいっ!」と悲鳴をあげるだろう。それでもコイツを携行した理由は「オトコらしー」からだ。

 つねづね思っているのだが、外メシの基本は「焚き火で炙ってワシワシ喰う」である。肉でも魚でも塩コショウをしてパッと焼けば、手間をかけずに美味しく喰える。フレンチのシェフが作るような手間のかかった料理はオートキャンプや週末の娯楽のためのものであり、人力移動のキツイ旅にはどだい無理だ。

 そんな時にコイツは最高なのだ。両面に油を引き、切った材料を入れ、焚き火に突っ込む。それだけ。材料は肉でもいいし、ジャガイモでもいいし、キノコでも、厚揚げでも、ソラマメでもいい。これなら面倒くさがりやの僕でもできる。それになによりオトコらしー。

 アルゼンチンにいた時、僕はこれでひたすら牛肉のステーキを焼いていた。アルゼンチンは世界一の牛肉大国でアサード(ASADO)が伝統料理。アサードというのは腹開きした牛肉1頭を鉄の十字架に磔にし、巨大な熾火にかざして丸ごと焼くという超豪快なバーベキューなのだが、週末になるとそこら中のキャンプ場でアサードパーティが開催され、ドウェイン・ジョンソンみたいなヤカラどもが樽に入った葡萄酒をガブガブあおりながら、ワシワシと牛を焼くのである。

 竹串に刺したアユやイワナを備長炭で焼いてほっこりしている日本民族からするとこの光景はあまりに粗野で、乱暴で、馬鹿げている。スペイン語で雄牛のことを「バカ」というが、僕はこの時以来アサードのことを「バカ焼き」と呼ぶようになったのである。

 そんな本場のバカ焼きと比べると僕のバカ焼きは可愛いものだ。厚さ3cmほどのステーキ肉を12cm角に小さく切り(それでも200gぐらいはある)さっと岩塩を振り、スライスしたニンニクと一緒に挟んで炭火で炙る。本当はわさび醤油や大根おろしでいただきたいが、パタゴニア大平原にそんなものはない。来る日も来る日も岩塩とニンニクでバカを喰らった。

 焼き方のコツは時間をかけてたっぷりとした熾火を作り、火床から20cmくらい離してかざすことだ。火の強さは手のひらをかざしてみて「5秒は耐えられるが10秒はとても耐えられない」くらいの温度。この火加減を大切にキープしながらじっくりと肉を炙ると、外はパリッと中はジューシーな極上のバカ焼きができあがる。

 ちなみにスペイン語でニンニクのことは「アホ」という。つまり《バカ焼きのアホ風味》である。どうだ、オトコらしい料理だろう? そそるだろう? 腹が鳴ってきただろう? もしどうしても真似したいなら、真似してもいいゾ。これぞオトコの道具だぜー! 今度のキャンプでバカ焼きするぜー!

 


 

◼︎コフラン キャンプクッカー
価格:4,320円(税込) サイズ:全長66cm、重さ:550g

 

 
 
ライター
ホーボージュン

全天候型フリーライター。6,000mの高所登山からシーカヤックの外洋航海まで、フィールドとスタイルを問わない自由な旅を続けている。『山と渓谷』『ビーパル』『PEAKS』『Field Life』などアウトドア各誌で連載中。公式Twitterアカウントは「@hobojun

line_box_foot