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【ミステリーランチ】綾井 瞭×Terraframe 65 —— 里山から3,000m峰、マルチピッチクライミング。 今日も山に行ってきます。

2021.09.28 Tue

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麻生弘毅

麻生弘毅 ライター

 緑したたる森に、鳥たちの歌がこだまする。山懐の駐車場は、出発を前にした登山者の高揚感であふれていた。瑞牆山や金峰山を往復するハイカー、奥秩父方面への縦走だろうか、大きなパックを背負った若者たち、クライマーやトレイルランナーの姿もちらりほらり。そんななか、駐車場の一角では、やや異質なふたり組が、山のような荷物を前に、楽しそうに格闘していた。

「ビールが1ダースもあるんですか!?」
「そうだよ。で、焼酎は一升で足りる?」
「こっちのでっかいワンポールテントは!?」
「あっ、それはパーティー用。あとはテーブル2脚と……」
「スッ、スキレットまでありますけどっ!?」
「そうそう、いいイチボ肉が手に入ったから、ステーキを焼こうと思ってね!」
ELK店長の中込真太郎さん(左)と綾井 瞭さん。アウトドアに精通するふたりのルーツは、登山にある。
 山梨県甲府市で30年以上にわたって登山、キャンプ道具を販売するとともに、地域の貴重な情報発信基地として知られるアウトドアショップ「ELK」。ノリノリの先輩は同店の店長である中込真太郎さん、いっぽうの困りながらも嬉しそうな後輩はスタッフの綾井 瞭さん。ふたりはショップの店員として、優れた道具の目利きであるとともに、大の山好きでもある。中込さんはガイド資格を持っており、綾井さんは南北アルプスでの山小屋勤務の経験があるのだとか。そんなアウトドアと登山の世界を知るおふたりに、パック本体とカーボンフレームの間に装備を挟み込むことができる「オーバーロード機能」を持つ、ミステリーランチのテラフレーム65を山で使いこなす術を教わろうと、瑞牆山にやってきた。

「今日は富士見平小屋まで登ってベースキャンプをつくり、軽装で瑞牆山に登ろうと思っています」

 そう話すのは、テラフレーム3ジップ50を愛用する中込さん。3年ほど使用するなかで、オーバーロード機能は、パックラフトを交えたバックパッキングや、山で誰かが歩行不能になったときの補助などに役立つと実感しているという。そんな中込さんは「日本山岳耐久レース」や「UTMF」などに出場するハードなトレイルランナー。ところが過度な走り込みをから足を負傷、そこで、ELKの若きエースである綾井さんが、テラフレーム65を背負うこととなった。

 オーバーロードシェルフのマチの部分をいっぱいに延ばし、プラケースに入れたビールと焼酎、米2㎏やマット、キャンプテーブルなどを挟んでゆく。オーバーロード機能をフルに使うと、100ℓ以上、総重量68kgの積載力があるというが、今回は40kg近い重量であることはまちがいないようだ。

 すべての装備を詰めこむと、中込さんが綾井さんの後方をそっと支えた。

「っ………………………!!!」

 声にならない呼吸とともに立ち上がってにっこり笑い、綾井さんは力強く歩きはじめた。

「思ったよりも大丈夫です」
山小屋従業員として鍛え上げられた歩荷力をフルに発揮! 荷物を背負ったまま撮影する余裕も。
 そう言いながらも、一歩を踏み出すと汗がしたたり落ちる。それでも、コースタイムと変わらない速度で1,722mのピークへと到達。重い荷物をものともせず、綾井さんは瑞牆山の雄々しい稜線に向けてカメラを構えた。
ルート上の1,722mのピークでひと休み。目の前には険しい瑞牆稜線の姿が。
 はじめての登山は23歳、大雪~トムラウシの縦走登山だったという綾井さん。そんな出会いからか、長い縦走を求めて夏山から冬山へ。より山に近づきたいという思いから、勤めていたメーカーを辞めて北岳肩の小屋、剱沢小屋に勤務し、汗を流した。山小屋での仕事を終えると、家も仕事も決めぬまま、環境のよさに惚れ込んだ甲府へと移住。そうして縁があり、6年前からELKに勤務しているという。山にも重荷を背負うことにも慣れている、そんな綾井さんがパックに求めるものを聞いてみた。

「なんといっても耐久性ですね。重い荷物を背負って休憩というときに、ゆっくり丁重に下ろさないといけないようなパックはちょっと……」

 長期縦走でパックに求めるものはハードさ。どかっと下ろしてその上に座って休めるというような、タフな使用にこたえるモデルが好みだという。

「じつは、店長のテラフレーム3ジップ50を借りて立山でバックカントリースキーを楽しんだことがあるのですが、パック本体とオーバーロード機能に加え、フロントに滑るとき用のパックを装着し、3層構造で使っていました」

 思い出してはにっこり。

「付属のハーネスやスリングなどを使えば、スキーであろうがスノーシューであろうがなんとでもなるというか、とにかく背負えるパックなんです。それでいて、装備を満載にしても、ショルダーハーネスが強く、フレーム構造が優れているのでブレることがない。今日はそのときよりも背負っていますが、体勢によってはさすがに後ろに引っ張られることはあるものの、これだけの荷物を体にフィットさせてくれる。これってすごいことだと思います」

 富士見平小屋に着くと、大きな荷物を下ろしてひと息。すばやく快適なサイトをつくりあげると、瑞牆山へと向かうことになった。
富士見平小屋まで荷物を背負い上げ、この表情。お疲れさまでした!テントにタープ、ハンモックテントに食料。スキレットがあるうえに、グリル用の鉄板も!? この日の総重量は40kg弱。仲よく宴会用のワンポールテントを設営するふたり。イベントやプライベートでも山行をともにするそうで、息はぴったり。
「その前に……」

 そう言うと、綾井さんはトップリッド(雨蓋)を外し、パック本体からヨーク(ショルダーハーネス)とフレームシートを抜き取り、トップリッドに装着した。
パック本体のショルダーハーネスを雨蓋に装着することで、極上のアタックパックに変身!
「雨蓋がアタックパックになるモデルは数あれど、ショルダーハーネスを流用し、フレームシートまで入れて快適性を追求するパックはそうはないと思うんです」 

 綾井さんはそのタフさ、積載能力の高さからミステリーランチに惹かれたが、背負うほどに目を見開かされるのは、快適な背負い心地でありフィット感の高さだという。この快適さこそがミステリーランチの本懐。スライド式のヨークを採用し、パック本体とメインフレーム(荷重伝達システム)を別に構築することで、理想的な収納と万人に合うフィット感の高さを両立。その思想は大型パックだけでなく、アレンジとして使うアタックパックにも注がれており、上質なデイパックのようなフィット感を誇っている。

「でも、それだけじゃないんです」

 ELK店内の修理工房で、自らミシンを踏む中込さんはこう話す。

「たとえば力のかかる部分などを裏返すと、複数の生地が少しもズレずにビシッと重ねられ、ていねいに縫い込まれていたりするんです。このあたりにブランドとしての矜持を感じます」
アウトドアショップとしてはめずらしく、ELKでは購入者への修理サービスを行なっている。
 重荷から解放された綾井さんは、弾むような足取りで瑞牆山へ。眼下の景色を見下ろして、ホッとひと息をつく。

「ぼくはここの自然が好きで移住してきた人間です。瑞牆山や金峰山だけでなく、大菩薩や奥秩父、南アルプスにしても甲斐駒ヶ岳や北岳のような高い山だけでなく、前衛の櫛形山など2,000m峰、八ヶ岳もある。富士山に注目は集まるけど、まわりの天子山地、黒岳、三ツ峠……」

 360度山があって、クライミングだけじゃなくハイキング、トレッキングも楽しめる。里山から3,000m峰、マルチピッチのクライミングまで、初心者からベテランまで楽しめるものすごく恵まれた環境がある。
割れた跡がリアルな桃太郎岩。登山者が設置したと思われる添え木が微笑ましい。
「それまでのぼくは都会に住んでいたので、山に来たらがっつり登る、という思考でした。でもここなら、朝5時から走って瑞牆に登り、それから仕事へ向かう、そんな山との付き合いができるんですよね」

 そうして、富士見平小屋のキャンプサイトへと戻ってきた。綾井さんはステーキを焼き、中込さんはELKのヒット商品であるというSPACE SPICEのカレーを振る舞ってくださった。星空のもとビールを飲み、旅の話を聞く。今回は1泊のため、瑞牆山にしか登れなかったが、オーバーロード機能を活かしたBCキャンプシステムであれば、数泊して小川山や金峰山をめざしてもよい。それを北アルプスの涸沢で、雷鳥沢でと考えてゆくと、楽しみが広がってゆく。
てきぱきと料理を楽しむふたり。イチボ肉のステーキにはCRAFT SPICEのForest Mixで味付けを。そしてCRAFT SPICEのスパイスチキンカレー。どちらもELKにて販売中。
「テラフレーム65の拡張性とタフさを考えると、海外のロングトレイル旅に最適だと思うんです。食料が増えても減っても安定性は変わらず、クマのいるところならば、ベアキャニスターを挟み込むことができる。未知の登山、バックパッキング……夢が広がるパックですよね。


綾井 瞭の使用モデルテラフレーム65

価格:56,100円(税込) サイズ:S、M、L 容量:65ℓ 重量:2.6kg
素材:330D Lite Plus CORDURA® カラー:Deep Sea、Black




アウトドアショップELK

創業30年を超える甲府の老舗アウトドアショップ。登山用品、アウトドアギアの販売はもちろん、ELKだからこそ伝えられる山梨のフィールド情報や遊び方の発信、オリジナルツアーやトークライブなどを随時開催。ハイカーやキャンパー、クライマーまで、地元アウトドアズマンに広く愛される名店。
営業時間11:00~20:00/日曜・祝日~19:00  
定休日 毎週火曜日       
〒400-0047 山梨県甲府市徳行4-13-9   
TEL.055-222-1991




Ryo Ayai
1991年、大阪府生まれ。京都でのサラリーマン生活から一転、北岳や剱岳の山小屋勤務を経て、大好きな南アルプスに近い甲府に移住。縁あってELKに入社。最近は登山だけではなく、トレイルランニングとBCスキーに熱中するなど、山梨に広がる山域、自然を広く味わっている。


■アウトドアショップELK 綾井 瞭 ミステリーランチの魅力を語る

(構成・文=麻生弘毅、写真=片岡一史 取材協力=富士見平小屋)


ミステリーランチの特設サイトで詳しく見る


【MYSTERY RANCH — OVERLOAD®︎ feature】

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