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この場所にダムは本当に必要なのか。長崎県のダム予定地・川原でフェスWTKが開催される。

2016.10.23 Sun

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

 長崎県東彼杵郡川棚町川原(こうばる)地区。初夏には蛍が舞い、夏には子どもたちが川で遊ぶ、豊かな自然が残る里山。現在、13世帯50人あまりが暮らすこの地域で、野外フェスが開催されることになった。このフェス「WITNESS TO KOBARU〜失われるかもしれない美しい場所で」は、川原の自然を直に感じてもらうことを目的に開催される。

 なぜ川原の自然を感じてもらいたいか。それは集落を流れる川棚川の支流である石木川に、ダム建設の計画が進められているから。ダム計画がスタートしたのは、今から半世紀以上も前の1962年のことだった。フェスは、決してダム建設を反対するために行われるものではない。あくまでも川原に来てもらい、川原のことを知り、考えてもらいたいからだ。

 フェスを開催するような広い場所がこの集落にあるわけではない。稲刈りが終わった田んぼがフェスの会場になるという。ここも計画通りにダム建設が進めば水没してしまう場所だ。参加することで「WITNESS (立会人)になろう」と呼びかけている。

 野外フェスは、自然と人が良好な関係を築くことで持続可能なものとなる。いかに自然と共生していくかを教えてくれる場所であり、未来のライフスタイルを感じさせてくれる時間だと思っている。その意味でも「WITNESS TO KOBARU〜失われるかもしれない美しい場所で」を開催する意味は大きい。そこに集った人が何を考え、それをどう伝えていくのか。

 田んぼのステージで聞く、小林武史さん、東田トモヒロ、Caravan、TOSHI-LOW、Salyuなどの自然へのリスペクトを強く持つアーティストのライブは特別なものになる。ライブだけではなく、地元の料理を楽しめるマルシェも充実しているという。川原に住んでいる人たちとの交流も素敵な時間になるだろう。

 秋の1日を川原という里山で過ごしてみてはどうだろう。このフェスがなければ、名前さえ知らない小さな里山で行なわれていることではあるのだけど、自分たちの未来を考えるうえでも、とても大切な時間になるはずだから。
  

WITNESS TO KOBARU〜失われるかもしれない美しい場所で

開催日時:10月30日(日)12時〜18時
会場:長崎県東彼杵郡川棚町川原特設会場
出演:小林武史、東田トモヒロ、Caravan、TOSHI-LOW、Salyu、他
協賛:キーン・ジャパン、コールマン ジャパン株式会社、パタゴニア日本支社

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